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4.行動を観察することでコンテクストが見える

2014/09/08(Mon) Category : 心理学
【「精神の生態学」~ベイトソンのダブルバインド理論の詳細】の目次へ

4.行動を観察することでコンテクストが見える(イルカの事例から)-----

言葉を持つ人間は、前項のように自分をごまかすために言葉で自己洗脳することが出来ますが、動物は(インナーチャイルドも)行動しか見ていません。
そして、相手の行動に注目したときに、そこに“真意”を見抜いてより高次のレベルに到達することができることをイルカの例で示されていました(論考「ダブルバインド、1969」)。




イルカに芸を仕込んでいく場合のことです。
まず、イルカが水面から顔を出すと笛が鳴って餌がもらえます(第一次適応)

それを学んだ次の段階では、今度は顔を出しただけでは餌をもらえません。適応行動に報酬をもらえないイルカは混乱し、苛立ちます。そして、尾びれで水面をたたきました(苛立ったときによくやる行動だそうです)
→すると、笛が鳴って餌をもらえました。こうして、尾びれで水面をたたくと餌をもらえるという(第二次適応)ができたわけです。

ところが、それを学んだ段階で次のステージに進んでいます。つまり、尾びれで水面をたたいても報酬をもらえなくなるわけです。またもやイルカはストレスにさらされます。けれどある一定回数同じことを繰り返した後、イルカは明らかな興奮の様子を示し、その次の回で“際だった行動”を行いました。そして、見事報酬をもらえました。(第三次適応)


これを見ますと、
第一次適応は、単純な「オペラント条件付け」です。
第二次適応も、「オペラント条件付けパート2」的なものですね。
ところが、第三次適応は、一次&二次の経験を総合した上で、“それまでと異なる”+“際だった行動”をすれば報酬がもらえるとイルカは学習したのです。



------------------------------------------------------
これをコンテクスト(背景、文脈、脈絡、状況、前後関係)という言葉を使って説明すれば、第一次適応は、単純な“脈絡”への適応です(第1次コンテクストの形成)。

第二段階で“脈絡”がなくなって混乱します(第1次コンテクストの崩壊)。
あるいは、第1次コンテクストで得たベクトル=「顔を出せば○」が、「顔を出しても×」になったわけで、ベクトルは真逆になり混乱します。“状況”が変わったわけです。
が、新たな状況の中で別の“脈絡”「尾ひれでたたけば○」を発見して第二次適応を果たします(第2次コンテクストの形成)。

第三次適応では、第一次及び第二次それぞれの一連の中での“前後関係”が体験としてあり、加えて第一次適応後に脈絡をなくした後に新たな脈絡を発見するという状況変化的“前後関係”が加わって、調教師の意図に気づき、調教師とイルカがより抽象性の高い“文脈”を共有した―ということになるのでしょう。


これを調教師の側から見れば、より高次のコンテクストを共有するために、低次のコンテクストの共有から始めたと言うことです。つまり、次のように言えると思います。
1.コンテクストには抽象レベルの階層(ヒエラルキー)がある。
2.コンテクストの中にコンテクストが内包されている。
3.低次のコンテクストの中で動いている者は、高次のコンテクストはわからない。
4.相手の行動を観察することで相手のコンテクストが見える
5.自分と相手の行動(事実及び関係性)を観察することが、自分を縛るコンテクストに気づくきっかけとなる。


上記4、5について補足します。
私どものカウンセリングでも、相談者が“相手(親や子や配偶者)”について語るとき、相談者が相手をどのようにイメージしているのかという観点から聴きます。これはこれで、たとえばインナーマザーやインナーハズバンドをどのように捉えているのかを知る上で大切なものです。

けれど、相談者の思考や推測には相談者の希望的観測や自己防衛及び自己投影が多分に含まれていて、相手の実体ではありません。その相手がどのような状況で、どのような表情や口調で、実際にどのように言ったのか・行動したのか―その事実を見ていくことで、相手がどのようなコンテクスト(3次元的には、最も抽象的なレベルの高いコンテクストの一つが「人生脚本」だと思います)で生きているのかが見えてきます。
その事例を挙げてみましょう。





真逆を生きた人(完璧な自己洗脳)

複数のカウンセラーを経てこられた方がいらっしゃいました。その方が語るストーリーで、これまですべてのカウンセラーがその方の母親の味方をし父親を悪者にしていました。

それも当然なのです。その方自身が自己洗脳して母親のストーリー(脚本)に乗っかって生きており、“実感”(脚本人生劇場の上での実感―演劇上でのニセモノ実感です)と共に語っていたからです。

けれど、そこで語られている事実を再構成していきますと、その方を支配してきた母親像・父親像と全く異なる実像が浮かび上がってきました。そして、ついに父親の愛にたどり着き、「父の事が大好きでした」というインナーチャイルドを掘り起こすことが出来たのでした。


ではなぜこれほど強固に嘘のストーリーを生きてきたかというと、『真ん中にはプロの殺し屋が、いました』―これはその方の言葉ですが、母親がそうであったことに気づかれたのです。

自分から大切なもの(命さえも)を奪っていく“プロの殺し屋”ですから、自分が好きなものについて気配さえ感じ取られてはいけません。大切なものを守るために、その方は自分の好きな物事、愛する者を徹底的に遠ざけて真逆のベクトルで生きてこられたわけです。(たとえば、「雨が好き」なら「乾いた土地」に行く←こういう所に至るまで・・・)

しかも、“遠ざけている”ということを感じさせることさえも“気配”ですので、自分(IC)を出口のない箱に封印し、それを地中深くに埋め、その埋めたことさえも忘れて生きていました。だから、ベクトルが真逆であることさえも気づきませんでした。(つまり、「雨が好き」ということさえ忘れて―自分だけではどうしようもないですね・・・)


つまり、その方の人生を支配していたのは、
・脳内母親、
・それにかしずく人生脚本、
・母親の恐怖を封印している自分、
・恐怖の母親から大事なものを守りたい自分、
・存在不安から逃走する自分、
・不安から逃げるための意識の逃げ先として謎を謎のままにしておきたい自分・・・それらの強力な連合軍でした。

その連合軍が、分厚い岩盤の下にインナーチャイルドを閉じ込めていたので、そこにたどり着くまでに、カウンセリングにおける長期間、長時間にわたる“攻防”がありました。(ちょっと記してみます↓)




--------------------------------------------------
◆「IP,脚本、不安から逃走する自分」連合vsIC&カウンセラー

この岩盤の、今この下にこのIC(気持ち)がいる―と感じて、そこを掘り進めていこうとすると、するっと違う話題に切り替わっていき、また岩盤の表面をさまよい始めます。

しばしさまよって、「どうしたらいいんですか?」となって、その近くに出てきたICがいそうな地点に戻り、そこを掘り進めていこうとすると、今度はIP(インナーペアレンツ)が、「でも○○」「でも□□」と「でも」で反旗を翻し始める。その内容は、母を擁護し父を攻撃すること。

そこを根気よく、「事実」に基づいて情況を具体的に立体的に見ていただいて、自己洗脳の「でも」を一つ一つ解いていきます。そしてようやく、第三者としてのノーマルな感覚にたどり着きそうになります。けれど、自分の言葉でそれを言うことを避け、そして、再び違う話題を持ち出して岩盤の上をさまよい始めます。

時間がたつ内に自分では掘った気になっていて、その上、あまり効果がなかった気になっています(IPによる記憶の改ざん、すり替え)。つまり、やってもいないのに、「やっても無駄、無意味」ということになってしまっていたりします。

―このように、その方はとことんICに触れることを避け続けていました。けれど、避けながらも、いろいろな話題が出る中で、だんだんと母親がおかしいこと、心なく冷徹なこと、わがままで自分のことしか考えていないこと、嘘つきであること、酷い人であること―などが見えてきました。

一方で、父親がちゃんと子ども達の気持ちを見守り、受け止めることができ、子どもを守ってくれたエピソードも蘇ってきました。何より、子どもの体と表情は正直です。お父さんといると顔は笑顔になるし、足はスキップを踏む―そういう幼い頃のイメージも蘇ってきました。

にもかかわらず、父親に酷いことを言ったり、ずっと非難してきたこと―その裏側が見えてきました。

そういうことが、時間をかけたからこそその方の中に浸透していったわけです。どんなにその方の思考(IP)が否定しても、混ぜっ返してきても、フックに引っかけようとしても、あくまで私は事実を基にフィードバックを続けました。そして、この間の攻防も、その方のICは全部聴いていました。

3,4時間程度の面談では、脚本ちゃんが人生劇場を語って終わるか、IPが手の平で転がして終わるかですが、長時間になるとほころびが見えてきます。その長時間が重なる間、私は実像を映し出す鏡として存在し続け、かつICにエンパワーしていますので、ついに力を得たICが飛び出してきたのです。

それまで思考の言葉ばかりで、決して感情用語を口にしなかったその方も、エンプティチェアをしたとき、岩盤の割れ目から涙と共に一挙に噴出してきたのでした。


『中尾先生、私に騙されずにいてくれて、ありがとう』
―これがそのセッションの後いただいたメールでした。







この事例でわかりますように、その人が語っていることや感情が真実なわけではありません。むしろ、脚本劇場絶好調の場合が多いのです。ですから、相談者の語っている内容や感情にただ共感して聴いていると、脚本ちゃんが大喜びしてカウンセラーがイネイブラー(ここでは脚本の維持者、言い換えれば代理親)になってしまいます。

気づくポイントは、主に次の二つでしょうか。
・感情表現が大げさであること
・カウンセリングのたびに同じパターンが繰り返されること(ex:責められる脚本を歩いている人は責められたネタを話しに来る、謎解きを続けている人は常に謎の人物を用意し解説を求めてくるetc)

体験的にいえば、3時間程度であれば「脚本+IP連合」が転がせる時間です。5時間を超えてきますと、その人の脳(IP)が逃げ切れずに地殻変動を起こし始めます。ですから、細切れの時間ではなく、まとまった時間自分と向き合うことが大切になってきます。

事件においても、犯人が語っている事だけでは真実にはたどり着けません。むしろ、そのように語る場こそ最大の「見せ場」であり、脳内親に語ってみせていることがあるのです。犯人をそこに追い込んだコンテクストを理解するためには、犯人と家族との事実関係を再構成し、世代間連鎖のわかる心理関係者が解き明かしていく必要があると思います。




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