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9.ダブルバインド事例:第一次禁止令

2014/09/12(Fri) Category : 心理学
【「精神の生態学」~ベイトソンのダブルバインド理論の詳細】の目次へ

9.ダブルバインド事例:第一次禁止令----------------------------------

さて、ベイトソンは「精神分裂症の理論化に向けて」の論考の「ダブルバインドとは何か」の項で、定義と具体事例を挙げています。まず具体例を見てみましょう。

<事例>
事例に登場する母親は次の2つの側面を持つ母親です。
a―子どもが近づくと敵意に満ちた、あるいは子どもから身を遠ざける行動をする
b―自分が子どもを避けていることを否定するために愛を装い、子どもへ近寄っていくそぶりを見せる

例として、子どもが疲れていないにもかかわらず、母親が優しいそぶりで次のように言ったとします。
「もうお休みなさい。疲れたでしょう。ママはあなたにゆっくり休んでほしいの」(メッセージ)

疲れていない子どもは、このメッセージが自分のことを思って言われたのではないことがわかります。すると直感的にわかるのは、母親が自分を遠ざけようとしていることです。この隠されたメタメッセージをベイトソンは次のように表記しています。
「お前にはうんざりだ、私の目に入らないところに消えておしまい」(メタメッセージ)


----------------------------------------------------------
この事例のポイントは、表面的には母親は優しく相手を気遣って言っているということです。つまり、ニュートン力学的(←これまでの問題の扱い方を象徴して言ってますが)に母親だけを取り出して見てみますと、メッセージとメタメッセージ(母親の雰囲気)も矛盾がなく、そこにはなんの問題もありません。世間で言うところの、「労ってくれて優しいお母さんじゃないの。いいわねぇ」ということになります。

けれど問題は、子ども自身は疲れを感じていないということです。そこで、この両者を俯瞰して眺めると、子どもの本当の状況を無視して母親が一方的に「疲れている」と決めつけ、その決めつけの上に立って「休め」と命じていることがわかります。

そのことが、子ども自身にも(第三者的な視点で)わかるのは、自分は疲れていないという「実感」があるからですね。つまり、メッセージを受ける側の子ども自身の「実感」が、母親のメッセージの裏に潜むメタメッセージをあぶり出しているわけです。

(ここでわかるように、“実感”が母親の嘘を見破るレーダーなのです。けれど母親に愛されたいのでその感覚・感情(レーダー)を封印し、母親の虚構世界の中で生きていこうとします)


----------------------------------------------------------
さて、「コミュニケーションにおける決定権」はすべて受け手側にあります。相手のメッセージをどのように解釈するかは受け手側の問題なのです。

ここで、子どもが自分の実感を基にメタメッセージを正確に理解すると、母親が自分を疎ましく思っているという事実に直面することになります。それをベイトソンは『「罰」を受ける』と表現しています。

母親が自分を疎んじている→自分は母親に愛されていない―それを知ることが「罰」ということです。ここに「罰を伴った命令」という輪郭が見えてきます。

つまり、「休みなさい。でなければ、おまえは<私がお前を愛していないということに、自分が気づくという罰>を受けることになるよ」ということです。

これをベイトソンは第1次禁止令:「これをすると(しないと)、おまえを罰する」と名付けたわけですね。


----------------------------------------------------------
ここで気をつけたいのは、“おまえを罰する”と言っているのは母親ではなく自分自身ということ―つまり、外からくる罰(外罰)ではなく、自分で自分を罰する“自罰”ということです。自分が気づくことによって自分が罰を受けるのです。だから、「母親のメタメッセージに気づいてはいけない」という禁止令を自ら下すことになります。

(この禁止令が、人とのコミュニケーションにおいてメタメッセージを理解できずに、いわゆる“空気を読めない人”になったり、コミュニケーション障害を起こしたり、ひいては統合失調症を誘発していく根っこにあるものではないでしょうか)



 
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> 「これをすると(しないと)、おまえを罰する」
> “おまえを罰する”と言っているのは母親ではなく自分自身ということ…自分で自分を罰する“自罰”ということです。


近年の自傷行為とか摂食障害の増加の理由は これですよね。
母親を拒絶できない苦しみ。

 
    
 
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