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13.メタコンテクストに気づくことによるダブルバインドからの解放

2014/09/18(Thu) Category : 心理学
【「精神の生態学」~ベイトソンのダブルバインド理論の詳細】の目次へ

13.メタコンテクストに気づくことによるダブルバインドからの解放-------

(以下、わかりやすくするために脚色した事例です)
夏休み。学校からの課題の指示を忘れないように冷蔵庫に貼った母親Aさんは、うっかり他の紙をその上に貼ってしまい、休みが終わる直前にその紙をはがして気づき、大慌てでB子ちゃんに課題を迫りました。
しかし、自分もうっかりしていたとは言え、親の責任としてやらせなきゃいけない焦りもあって、ぐずるB子ちゃんに怒り爆発。泣きながら課題をするB子ちゃんに、「泣くくらいならするな!」と八つ当たりし、出来た課題も見ませんでした。

―「あるある」と思う方も多いかもしれません。しかし、よく見られるような日常の中にもダブルバインドが潜んでいます。ちょっと見てみましょう。




<母親の側から見た解説>-----------------------------------------

まず、課題の指示書を母親のAさんが引き取ってしまっています。本人が責任を持つべきことは本人に返すべきです。なので、本人から引き取った時点で、本人に対しては「課題は預かる」「課題をするな」という禁止令が下ることになります。

そして、その指示書の上に重ね貼りして“うっかり”見えなくするという仕掛けをしていますね。このことにより、夏休みの間中、「課題をやれ」と言わずにすみます。つまり、「課題をやれ」と言わなかったことに対するアリバイを予め作っているわけです。

そして、最終日にAさんは、“たまたま”はがしたことで課題に気づきます。“うっかり”(夏休みin)と“たまたま”(夏休みout)の間に挟まれて、Aさんが夏休みの間中「課題をやれ」と言わなかったアリバイは完結します(と、Aさんの無意識は思っています)。

気づいたからには「やれ」と迫りますが、「課題をするな」という禁止令が効いているB子ちゃんは、ダブルバインドに遭って身動きできません(→やるとしても、嫌々することになります)。

ここで、Aさんは、「課題をしないB子」あるいは「B子の態度」に対して“怒る正当性”を得て、怒りを爆発させます。重ね貼りしたときから怒りをため込み始めており、夏休みの間中“このとき”を待っていたので怒りは収まりません。

そもそも、この仕掛け自体が怒りを爆発させるための仕掛けなので、相手がどう出ようと、そのすべての言動が怒りのきっかけにしかなりません。そして、怒った勢いで「泣くくらいならするな」と再度禁止令を与えます。

すると、B子ちゃんはますます縛られて課題は遅々として進まず、Aさんにさらに怒りのきっかけを提供することになるわけです。そして、その剣幕を持って、できあがった課題も見ない、という結末に導いたのです。




<子どもの側から見た解説>-----------------------------------

さて、この一連の経過をB子ちゃんの立場から俯瞰してみましょう。
B子ちゃんにしてみれば、課題があったはずなのに、母親に渡した指示書は消えてなくなりました。この時、「課題をしてはならない、でなければ罰する」という第一次禁止令が来ます。

その後も、母親からもなんの音沙汰もなく、その話題はおくびにも出ません。この“状況から来る禁止令”(メタメッセージ)が「異議申し立てを禁ず」という第二次禁止令になります。

B子ちゃんは(無意識ですが)夏休みの間中ダブルバインドに遭って課題に取り組めないでいさせられており、いきなり最終日に「やれ」と言われて戸惑います。虚を突かれて茫然としているところに、すごい勢いで「やれ」と迫られても、心の整理がつきません。

ぐずぐずしている内に理不尽な怒りをぶつけられ、泣きながら取り組まざるを得ませんが、それが母親の怒りに油を注ぎ、「泣くくらいならするな」と再度禁止令が与えられ、ますます遅々として進まなくなるわけです。

そして、最終的にはできあがってもその課題は見られることもなく放置されています。つまり、最後の最後まで、「課題をやった」という事実は無視され、「課題をするな」という禁止令は貫かれているわけです。




<母子協力のゲームという観点から見た解説>--------------------

上記のように俯瞰しますと、夏休みの間中ダブルバインドで身動きさせずに“そこ”にいさせて、最後は身動きしなかったことを理由に怒りまくり、ということがわかります。

ということは、怒りを吐き出すという目的が先にあって、その対象としてわが子を置き、わが子を身動きできないサンドバッグにするためにダブルバインドという手法を使った、ということが言えると思います。

言い換えれば、この母子は1ヶ月にわたって「怒り吐き出しのゲーム」を演じたわけです。ゲームは協力がなければ出来ません。どういう協力があったのでしょうか・・・

相手が怒りを抱えているかどうかは直感的にわかります。子どもも母親が時々爆発しなければすまないこともわかっているのです。子どもは、どうしたら母親とつながることが出来るかを考えており、「怒り」でつながることができるのであれば、その受け皿になろうとします。怒りを吐き出したい母親と、その受け皿となる子ども―この関係性がコンテクスト(文脈)です。このコンテクストが形成されるからこそダブルバインドが機能するわけですね。

B子ちゃんは、学校で課題が配られたときに、課題があることは知っていたはずです。先生も説明したでしょう。だからこそ、母親が引き取ったときに将来何かあると感じているはずです。そして、その後も音沙汰がないときに、このことが母親の怒りのきっかけになることをB子ちゃんの無意識は察知して“そのとき”を待っているのです。このように無意識が同意しているのでゲームが成り立つのです。


人生脚本の観点で言えば、母の怒りのはけ口となることが生きがいの「脚本ちゃん」は、最大の見せ場が来ることをワクワクして待っているのです。だから、ICが何か言おうとしてもその口を塞ぎます。IPも協力して記憶を消します。そして、最終日、母親の怒りを最大限に引き出すためにB子ちゃんの脚本ちゃんは、ぐずるという脚本人生劇場を演じてみせるのです。





<メタコンテクストに気づこう>-----------------------------------

さて、協力があるからダブルバインドが機能することがわかりました。
その協力とは、怒りを吐き出したい親と、その受け皿となることが生きがいの子どもの人生脚本の協力でした。その協力が母子の関係性=コンテクストを作っています。

母子が、この不毛な関係から解放されるためには、このコンテクストの背景にあるメタコンテクスト(人生脚本)に気づくことです。

まず、母親自身がメタコンテクストに気づいていないどころか、その下のコンテクスト(母子協力関係)にも気づかず、自分がダブルバインドを仕掛けていることにさえ気づいていません。

そこで、母親には、自分が次の脚本(メタコンテクスト)で生きていることに気づいてもらいます。
・私はお母さんの子供のままで居続ける
(「子の親」にはならない、母親らしいことはしない)
・私はお母さんにぶつけるべき怒りを子供にぶつける
(代理母である子に代償行為をする)
・私は不安から逃げるために子を道連れにする=成長させない
(「するな」という禁止令)

上記のことに気づけば、この1ヶ月のゲームの中に、メタコンテクストに含まれる欲求がすべて内包されていることがわかると思います。つまり、メタコンテクストに気づくことで、その下位レベルの行動のすべてが“見えてくる”のです。

すると、母親は、わが子をいかに犠牲にしてきたかに気づき、同時に、わが子を道具にしなくても自分で問題を解決できることがわかるでしょう。



------------------------------------------
一方、子どもにアプローチする場合は、まずその子がどのような人生脚本(コンテクスト)で生きているのかに気づいてもらい、さらに母親がどのような人生脚本(メタコンテクスト)で生きているのかにも気づいてもらいます。

すると、自分がどのように生きようとも母親の脚本に影響がないことがわかります。この時、子どもは自分の脚本(コンテクスト)への囚われから逃れることが出来ます。

「コンテクストへの囚われから逃れる」=「第三次禁止令(逃げることを禁ずる命令)を破る」ことになりますね。つまり、母親のメタコンテクストの土俵から降りるということです。降りてしまえば、一次も二次も禁止令そのものが関係ありません。



このように人生脚本に気づいてもらうことによって、ダブルバインドが機能する土俵そのものを壊すか、そこから去ってもらう―これが当相談室が行っている手法です。

そのため、世代間連鎖と、その中で各自がどのような人生脚本を持っているのかを明らかにしているわけです。



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Comment

 

- できあがった課題も見ない -

え?普通見ないんじゃないの?って思ったわたしが間違いでした。

 

このままだとこの人怒るよなぁ~、と思いつつ、しばられたように何もできない…、という感覚は理解できる。
というよりおなじみさんだ。

 

ハッとさせられました
母親と怒りでつながっている
いつまでも母親の感情のサウンドバック
私が条件反射で怒りが沸くって、いいように使われているのかな

 
    
 
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