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8-2)徹底して娘のせいにし、逃げ続ける母親

2015/01/29(Thu) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【8.離婚を決意した娘vs拒否した母親(2004.05)】


2)徹底して娘のせいにし、逃げ続ける母親

検察の質問も見てみましょう。

検察側「なぜ実家に帰った?」
母親 「祐輔さんと離婚するため」
検察側「呼んだのか?」
母親 「本人の意思」
検察側「証人が『帰ってこい』と言ったのでは?」
母親 「『帰ってこい、別れなさい』とは何度も言ってきた」
検察側「帰ってきてどんな話をした?」
母親 「『離婚を決意した』と」

『別れなさい』と何度も言いきかせてきた娘が、ついに『離婚を決意』して帰ってきたわけです。それが本当ならば、何がなんでも返すことはしないでしょう。

検察側「それなのに、どうして東京に戻ることになった?」
《“心の傷”を突かれたのか、それまでゆっくりと答えてきた証人は、興奮して激しく泣きながら早口でこう答えた》
母親 「歌織と父親は意見が違うことがいろいろあって、そもそも入籍には最初からすごく反対していた。『結婚は安易にすべきでない』と…そんな話をしていたように思う」
《これまで母親を前にしても無表情だった歌織被告の顔は、みるみるクシャクシャになり、うつむいた》
検察側「東京に帰ったのは祐輔さんからのメールが原因?」
母親 「『結局、お父さんは昔とちっとも性格や気持ちが変わっていない』となり、新潟を離れることになった」
検察側「メールは関係ないのか?」
母親 「『戻ってほしい』と電話がかかってきていた」
検察側「ですからね、メールや電話などのこともあって帰ったのではないか?」
母親 「自分の意思で、『父とは一緒に住めない』と…」
《かみ合わない答えに、女性検察官は少しいらだつ様子を見せる》
検察側「暴力をふるう祐輔さんの元に帰ることは反対ではなかったのか?」
《証人は再び激しく泣いた。言葉を絞り出す》
母親 「それ(祐輔さんの元に帰ること)さえなければ、このようなことはなかったのに」
検察側「父親は?」
母親 「『絶対戻っちゃいけない、家から出しちゃいけない』と」


いかがでしょうか。
この母親は質問の核心になると泣き逃げしつつ、強引に自分のストーリーを語り通しています(子どもは親のこういう態度を見て育ちますから、このやり方も受け継いでいくことになります。頭では親に嫌悪しても、態度は体得して自分にも受け継がれているとお考えください)。

母親は次のようなストーリー(虚構)を作って自分を守っています。
自分は『別れなさい』と言い、
夫も結婚の最初から反対で帰ってきた時も『絶対戻っちゃいけない』と言っており、
けれど祐輔から『戻ってほしい』と電話がかかってきて、
歌織も『自分の意思』で『父とは一緒に住めない』と言って帰ってしまった―
つまり、徹頭徹尾、歌織の責任にしているのです。

弁護側の質問時にはさらっと娘のせいにし、
検察側の質問時には泣いて娘のせいにし続けました。

父親が娘を責め、母親はその父親の味方で娘を助けない=母親も歌織のせいにする―歌織の人生最初の記憶から続いているこの変わらない構図―それが、この場に及んでも繰り返されていました。



--------------------------------------------------------------------
歌織は弁護士に訊かれてこう答えています。
弁護側「平成16年、実家に帰ったことがあったか?」
歌織 「はい」
弁護側「あなたにとって、実家はどのような場所か?」
歌織 「思いだすこと自体、いやな場所。そもそも私の中に実家という場所は存在しない」 

実家に自分の居場所がなかった、ではありません。
『そもそも私の中に実家という場所は存在しない』のです。

歌織は、自分が言ったことの本質に気づくべきでした。
実家=親が居て、その親から疎外されていたのではなく、
実家=親そのものがいない、と言っているのです。

勝手に「実家=親」と書きましたが、この親とは誰を指しているでしょうか。
父親は歌織と弟を差別しましたから、疎外感を感じたでしょう。逆に言えば、父親は「居る」のです。そこに反発できる対象が居るからこそ、歌織は愛人に語る夢のストーリーの中で意図的に父親を消したのでしょう。

愛人に語る身の上話の世界では、歌織には父親が居ないことになっており、貯めたお金でマンションを買って母と弟と3人で幸せに暮らす―それが、歌織の夢物語です。なのに、ここでは『実家という場所は存在しない』と、場所ごと親を消しています。

もし父親だけがイヤなら、そう答えたでしょう。意図的に父親を消す身の上話まで作っていたわけですから、そういう答弁であってもおかしくはありません。ではなぜ、このように言ってしまったのか。ここで歌織が自分の中に深く入っていたら、「かおりちゃん」にたどり着いたかもしれません。

「かおりちゃん」は、「そもそも私には“おかあさん”はいなかった」―そう言いたかったのではないでしょうか。

前項で見た通り、母親は現実を生きていません。つまり、虚構の中に存在していても、現実には居ないのと同じです。しかも、上記答弁を見て分かるとおり、母親としての自覚も責任も持っていません(現実を生きてないので当然ですが)。すべてが「娘のせい」です。「そもそも私には“おかあさん”はいなかった」―「かおりちゃん」は分かっていたはずです。

けれど、それを自覚することはとても悲しいことです。辛いことです。ですから、みなこれに気づかないふりをして生きています。歌織もまた、それを認識したくなかったでしょう。だから、『実家という場所は存在しない』という言い方で、父親だけではなく母親も居なかったことを暗示する一方で、その事実をはっきりと認識しないよう自分をごまかしたのではないかと思います。


「それなのになぜ帰ったのか?」―弁護士は続けました。
歌織の答弁を聴いてみましょう。
 






【付記】

「そもそも私には“おかあさん”はいなかった」―すべての方が、この言葉から逃げようとします。それが、「現実は見なくていい、虚構の中に棲む」という姿勢の原点です。娘を切り捨てでも逃げ続ける歌織の母親もまた、この言葉から逃げているのでしょう。

なぜ、人を道具にしてでも、我が子を見捨てでも逃げ続けるかというと、「そもそも私には“おかあさん”はいなかった」という現実を実感してしまったときに、底知れない暗闇の奈落の底に突き落とされてしまうという恐怖があるからです。歌織の母親が逃げているのも、(本人無自覚でも)この恐怖でしょう。

確かに、「孤独」を感じます。それはものすごい孤独なのですが、「思っていたほどじゃない」。それに、「孤独でいいと分かれば不安が消えていく」―これは、そこに到達された方の心境です。

空恐ろしいくらいに怖れさせているのは、「IPの使い魔」であるダミー恐怖(脅し)です。けれど、自分の背骨が出来ていないのに、それに直面することも出来ません。背骨の形成はまるで鍾乳石のように時間がかかりますが、確実に形成されていきます。上記の「母親と自分は違う」という深い認識に到達された方も、カウンセリングを通して長年に渡って背骨を作られ、そして、ついに「孤独」に到達されました。

そして、到達されたときに分かりました。これは、親には出来ないことだ、と。しかも、親は親で、あれで幸せなんだと。

自分に「おかあさん」がいなかったことを知って見える景色は、奈落の闇ではなく、解放でした。

勇気を持ってください。





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