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8-5)妻と娘から利用された父親

2015/02/01(Sun) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【8.離婚を決意した娘vs拒否した母親(2004.05)】


5)妻と娘から利用された父親

検察側「前回、祐輔さんのところに戻った理由を『実家には居場所がないと父から教えられた』と話していたが、父親から何を言われたのか?」 
歌織 「父は自宅に夜11時ごろ戻ってきた。父が1時過ぎくらいまで一方的に私に対していろんなことを言っていた」
検察側「居場所がないと思った父親の言葉は何か?」
歌織 「いろいろあって、ひとつひとつ言うことはできない」
検察側「一番記憶に残っている言葉は?」
歌織 「一番記憶に残っている言葉は…『お前みたいな女がああいうろくでもない男と結婚するからこうなるんだ』『お前みたいな女が、新潟なんかに戻ってきて何ができるというんだ』」
検察側「父親は離婚を望んでいたのではないか?」
歌織 「電話では、彼(祐輔さん)に対して『絶対に離婚させる』と言っていたが、私に対しては、『お前みたいな女が新潟に戻ってきて何になるんだ』と…」
《感情が高ぶったのか、歌織被告は「ふん」と鼻で笑うような声をあげ、低い声で言葉を続けた》 

歌織 「父は矛盾していて、私を実家に戻したいのか、そうでないのかわからない」 
検察側「父親に確認しなかったのか?」 
歌織 「ずっと怒鳴り続けていただけだったので、一言も話す余地がなかった」
検察側「あなたは入籍のとき、事前に親に伝えてなかったのでは?」 
歌織 「…(ため息をつきながら)多分」 
検察側「父親としては、『自分勝手なことをやってる』と君を戒めたのではないのか?」 
歌織 「戒めのつもりだったかはわからない。私にわかったことは、『私という人間は実家にいてはいけないんだ』ということ」 


驚くのは、父親が入籍のことを知らなかったということ。母親は入籍した時点で歌織から連絡を受けていますから、ということは母親が父親に知らせなかったということです。ありえません。なぜ知らせなかったのでしょうか。

歌織がその質問に対して「…(ため息をつきながら)多分」と答えていますね。歌織はこの時、「あぁ、母も知らなかったことになっているのか・・・」と、母親が自分を裏切ったことが分かったのでしょう。そして落胆しながらも咄嗟に母親をかばったのではないでしょうか。



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母はすべてを知り、父は全く知らないところで事態は進行し、蓋を開けてみたら“恋人”からDVを受けていたのではなく“入籍した夫”からだった―それを知った父親は激怒したことでしょう。その矛先は妻にも向かうでしょうが、娘にも向かうでしょう。母親は夫の性格を熟知していますから、つまりは夫を激怒させるために隠しておいたということになります。なぜか?

暴力が酷くなっていく過程で母親は逐次報告を受けていたわけですし、その過程で「別れろ」とも言っていたわけですから、いずれはDVが酷くなって離婚騒動になることは想定できたはずです。そして、そのとき夫が「離婚させろ」と怒ることも想定できますから、そのままでは離婚の方に進みます。

では、「別れろ」と言っている自分の立場(アリバイ)を保ちつつ、別れさせないためにはどうすればいいか。そう、その流れに棹さす何らかの一石が投じられればいい。その投じられる一石は父親です。けれど、その「一石」を自分が投げるとアリバイが成立しませんから、「一石」が自ら動いてくれなければ困るのです。

そこで、いつしか「一石」がはじけ飛ぶように火種を仕込みます。それが、父親に娘が入籍したことを隠したことだったのではないでしょうか。母親がいつの時点で父親に話したのかは判然としませんが、父親の中には自分が無視された恨みは残ります。それは妻に向かうべき怒りですが、自分に言ってこなかった娘にも当然その矛先は向くわけです。


一方、歌織は帰省して数日の母との生活の中で、「帰ってくるな」という母からのメタメッセージを感じていたはずです。そして、絶望の中で徐々にあきらめていったのでしょうが、表向きは離婚する方向で今後の生活について母親と話し合っている流れになっていますから、そのままでは祐輔の元へ戻る選択は出来ません。「離婚を決意してきた自分」に対する自己説得の材料がなければ、歌織は動くことが出来ませんでした。

母親から父親へのメタメッセージは、「離婚を決意している娘を追い返せ」です。
娘から父親へのメタメッセージは、「私が戻るための自己説得の口実を作れ」です。
ベクトルは決まりました。では、父親自身はどうだったのでしょうか。



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『絶対に離婚させる』と言ったのは本音でしょう。それは、後で父親の証言が出てきますが、青あざが至る所にある娘の体を見た父親の当然の気持ちでしょう。

けれど、こらえきれずに代償行為もしてしまいました。『お前みたいな女がああいうろくでもない男と結婚するからこうなるんだ』―これは、おそらく父親が自分の母親に言いたかったことなのでしょう。

さらに、『お前みたいな女が、新潟なんかに戻ってきて何ができるというんだ』というのは、「俺はお前とは一緒に暮らせない。近くにいるだけで不安になるから帰ってくるな」ということでしょう。「不安からの逃走」(=感情の封印)をするためには、目の前に感情を持った子が居るのは迷惑なのです。

つまり、祐輔と別れさせたいという父親としての気持ちも本音。
一方で、不安を惹起させられることと代償行為を仕掛けてしまうことから、歌織と一緒に暮らせないのも本音なのです。


歌織は『父は矛盾していて、私を実家に戻したいのか、そうでないのかわからない』と言っていますが、父親は矛盾していません。歌織は祐輔と別れて一人で暮らせばいいだけの話です。元より父親はスチュワーデスにすることによって歌織を自立させようとしていたわけですから。

しかし、母親から自律禁止令が出ていた歌織にとっては、祐輔と別れるということは、実家に戻るか、誰か別の男性の支配下になるということ以外にないのです。「これから母と弟と3人で暮らす」と言って別れたので、愛人の元には戻れませんし、すぐに祐輔に変わる相手が見つかるわけではありません。ということは、実家に戻れないのであれば、祐輔の元に戻るしかない―それしか歌織の選択肢はありませんでした(←これが人生脚本の縛りです)。

結局、母親の禁止令の中で生きている歌織にとっては、父親が一緒に暮らせないという本音を言うだけで、祐輔の元に帰らざるを得ないという選択しかなくなってしまうのでした。うまくできていますね。父親は本音を言うだけ―それが妻にはアリバイを。歌織には自己説得の材料を与えることになるのです。

他方、歌織もまた自分が何をすれば父親が激怒するかを知っています。と言うことはいつスイッチを押すのかは、歌織次第なのです。それは、歌織が母とのバトルに敗れ、母への期待をあきらめたときです。数日間にわたる膠着状態の中で、最後は歌織が自ら仕掛けるしかありませんでした。そしてある日、歌織はメソメソ泣き続け、帰宅した父はその姿を見て激怒したのでした・・・。



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母親にとって父親は、歌織を脚本人生に戻す駒。
歌織にとって父親は、自己説得のための道具。

不安から逃げ続けている人間は、こんなにも簡単に利用されてしまうのです。(どのように利用されたのか、詳細は次項)





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