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10-6)「公正証書」に執着した理由~現実から乖離し始めた歌織(2005.夏)

2015/02/18(Wed) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【10.脚本の復活とバージョンアップ(2005.06~2005.夏)】


6)「公正証書」に執着した理由~現実から乖離し始めた歌織(2005.夏)

公正証書については、弁護側も検察側も複数の人間に質問をしています。それだけ公正証書を作った“意味が分からない”からです。その内容は、暴力を振るったり浮気したりしたりしないという条件を破ったら、月々30万円を一生涯にわたって払い続ける。離婚する場合は、3600万円の慰謝料を支払う―そのようなものであったようです。

“ありえない”内容ですね。検察はその疑問を直接ぶつけています。

検察側「あなたは祐輔さんに3つの提案をしましたね?」
歌織 「はい」
検察側「つまり、すぐに離婚する、刑事事件にして離婚する、公正証書を作ると。あなた自身がこの提案をしたのね?」
歌織 「はい」
検察側「公正証書を作ったっていうことは、離婚はしないということじゃないの?」
歌織 「…」 
検察側「今まで離婚をしてと頼んでもいなかったというのに、(祐輔さんが)離婚を選んでくれると思ったの?」 
歌織 「公正証書は絶対に受け入れられない不可能な内容だったから」 
検察側「公正証書はどんな内容?」 
歌織 「条件を破った場合、月々30万円を一生涯にわたって払い続ける。彼に女性問題があったら別れる…」 
検察側「絶対に無理な条件ですね。祐輔さんは外資系企業に勤めていたというが、給料は手取りいくらだった?」 
歌織 「税金を引かれて30万円くらい。そこから30万という額を決めた」 
検察側「祐輔さんの会社の同僚などに聞いて、この給与なら将来30万円は取れると思った?」
歌織 「そんなことはしていない」
検察側「祐輔さんは刑事事件になることを恐れていたの?」
歌織 「彼の今までの言動から考えて」
検察側「あなたの提案は非常にまどろっこしい。単に別れようと言えばいいではないか?」
歌織 「一番最初にそれは言った」
検察側「公正証書を使う気はなかったと弁護側の質問に答えていたが、3600万円の慰謝料を取る気じゃなかったの?」
歌織 「取れない、と言われた」


「公正証書を作ったっていうことは、離婚はしないということじゃないの?」という質問に対して、歌織は沈黙していますね。前項で見ましたように離婚させないためにわざわざ離婚の選択肢を2つ設けたわけですから、「黙認」せざるを得なかったでしょうか。

『月々30万円を一生涯にわたって払い続ける』―その30万円は、祐輔の手取りそっくりそのままですから、検察の言うとおり『絶対に無理な条件ですね』。歌織も、『公正証書は絶対に受け入れられない不可能な内容だった』ことを認めています。にもかかわらず、公正証書を作らせたのは、最後に残る1つの選択肢を選ばせる―つまり、離婚して「3600万円の慰謝料」を支払わせることが歌織の本命だったのでしょうか。

単純な離婚も、刑事訴訟して離婚することも、一生30万円支払い続けることも、どれもないとすれば、狙いは「3600万円の慰謝料」か、と誰しも思うでしょう。と言うのも、そのまま離婚裁判に持ち込んだ場合、祐輔の手取りなどからして、とても3600万円の慰謝料を勝ち取ることはできそうにないからです。

検察もそこを問いただしています。それに対して『取れない、と言われた』と言うことは、「取るつもりがあった」ということを言外に言っているようにも思えますが・・・検察の言う弁護側の質問を見てみましょう。



弁護側「(祐輔さんの)会社に電話するときに、公正証書を使って離婚しようとは思わなかったのか」 
歌織 「考えなかった」 
弁護側「どうして」 
歌織 「『公正証書には法的効果はない。ただの紙切れだ』と彼に言われていたから」 
弁護側「なんで効果がないのか」 
歌織 「公正証書の中に『カウンセリングを2人で受診すること』とあったが、1度もしていなかった。彼は『シェルターから出てすぐに(公正証書を)使っていないのだから法的効果はない』と言っていた」

よく分からない祐輔の言い分をそのまま鵜呑みにしていることも不可解です。三択の設問を設定してまで公正証書を作らせることに執着しておきながら、祐輔の一言であっさりその効力が無いと思い込んでしまう―この両者間のギャップがあまりにも大きく、かつあまりにも整合性がなくて腑に落ちません。検察もその辺のところを問いただしています。

検察側「祐輔さんに公正証書に効力がないと言われたのはいつ?」
歌織 「17年にシェルターを出て、そんなにたってないころ」
検察側「祐輔さんにそう言われてどう思った?」
歌織 「彼はそういうことが分かった上で、公正証書を作ったのだなと」 
検察側「あなた本当に公正証書に効力がないと思ったの?」 
歌織 「はい」 
検察側「弁護士とかあなたの父母、友人に聞いてみるとかはしたの?」 
歌織 「聞いてもわからないので」

公正証書の効力について聞いてみることさえしていません。これは、次のいずれかであることを示しています。
1.公正証書の実効力には無関心(そこに意義を感じていない)
2.効力があるという事実が分かると困る

1の場合。公正証書というのは、そこに実行させる拘束力があると周知されているからこそ使用されるわけで、わざわざ公正証書という形式を用いながら、実行させる気がないというのはおかしく聞こえます。けれど、実際に関心を持っていません。ということは、歌織がそこに意義を求めて利用したのではなく、他の側面に意義を求めていた可能性があります。

2の場合。公正証書に効力があるとわかれば何が困るのでしょうか。わかることで現実的には有利になりこそすれ、不利になることは何もないはずです。ということは、知ることで歌織にとっては都合の悪いことになる可能性があることを示しています。

祐輔の他愛のない嘘で証書に効力はないと信じ込み、その上、それを確認することもしていない―こういう場合は、無意識が積極的に「公正証書には現実的な効力はない」ことを証明する方に進んでいることを示しています。

では、一体何のために作ったのでしょうか。



 


検察側「あなた公正証書は何のために作ったの?」 
歌織 「彼の暴力に対し、法的な効力を考えた」
検察側「祐輔さんが暴力を振るったり、浮気したり、一緒にカウンセリングに行かなかったら、慰謝料をもらって離婚するつもりだった?」
歌織 「そのときは」
検察側「効力ないといわれて?」
歌織 「そうなのかなと…」
検察側「18年11月22日、都内のホテルであなたの母親と会い、公正証書を含めた書類を預けたね? なぜそのときまで持っていたの? 無効なのに」 
歌織 「後生大事に…。離婚するときのため」 
検察側「効力ないのに持っている意味はないのでは?」 
歌織 「公正証書に書いている条件に意味がある。結婚生活でこういうことがあったという事実証明のためだ」

ここに証書の価値が明確に表現されていました。
『事実証明のため』です。

では誰にその事実を証明したいのか。それは、その証書を渡している相手を見れば分かりますね。
そう、母親です。

ここが見えてくると、上記の数々の謎が解けてきます。
『絶対に受け入れられない不可能な内容だった』にもかかわらず、それを承知の上でなぜわざわざその文言を入れる必要があったのか?それが、その文言を祐輔に実行してもらうことが目的ではなく、母親に見せることが目的だったということがわかれば、いろいろなことが紐解けてきます。

まず、歌織が無意識に念頭に置いていた相手は母親であり祐輔ではなかったからこそ、祐輔に『ただの紙切れ』と言われても堪えなかったのです。祐輔に実行させる効力がなくてもなんの問題もないのです。

では、母親に見せたかった言葉は何か?
それが、『月々30万円を一生涯にわたって払い続ける』という文言です。

これは、次のように言い換えることができますね。
「私は、祐輔というハラッサー男性に一生に渡って支配されます」
しかも、30万円という数字は、マンションを得ることも可能と自己洗脳できる数字でしょう。

つまりこの文言は、「自律せずに金を浪費し、男性に束縛され暴力で支配されて我慢しつつ、都心にマンションを得る」という脚本を歌織が歩いていることの証明であり、それを将来にわたって保証するものなのです。

ここにきて、「公正証書を作ったっていうことは、離婚はしないということじゃないの?」の質問に対する沈黙の意味や、無効と思っている公正証書を『後生大事に』持っていた意味が分かってきました。ちょっと整理してみましょう。

歌織が祐輔に提示した3条件の最後が、『公正証書を作成したうえでやり直す』でした。つまり、やり直すための公正証書であったはずです。けれど、歌織は『離婚するときのため』に公正証書が必要だといっているわけです。(だから沈黙せざるを得なかったんですね)

ということは、結婚を維持するためのものではなく、やめるときのための用意であり、既に離婚を想定しているわけですから、ベクトルが真逆ですね。(ここで分かりますが、歌織の提示した3提案は、本質的にはすべて「離婚」という提案だったわけです)

しかもそれは、離婚後の経済対策という現実的な目的のために必要と思ってはいない―ここが検察側、弁護側ともに戸惑う理由でした。けれど、証書が「歌織が脚本人生を歩いていることの証明であり、それを将来にわたって保証するもの」という観点に立てば、離婚後にこそ必要であることがわかってきます。

つまり、歌織は祐輔と離婚しても、「自律せずに金を浪費し、男性に束縛され暴力で支配されて我慢しつつ、都心にマンションを得る」という脚本を歩いているよということを母親に証明するために、なんとしても公正証書が欲しかったわけです。

ここに、公正証書である意義があります。公的第三者もこの内容を認めたのだから、おかあさんあなたも認めろ、と。自分が懸命に母親のために生きている『事実証明』をするために、歌織はついに公正証書まで持ち出さざるを得なかったわけですね。



ここまで証書(脚本の証拠)にこだわっている姿は、もはやなりふり構っていられない歌織の追い詰められ方を現しています。「もうこんな苦しい現実はどうでもいい。これでどうだ!私が一生支配されることの証拠がこの公正証書だ。これで認めろ!」と歌織が必死に母親に突きつけているように思えます。この証書を持って、自分を虐待するこの苦しい脚本人生を終わりにしたい、お母さん認めてよ!―そういう叫びが聞こえるようです。

そう考えると、歌織の返答―「彼の暴力に対し、法的な効力を考えた」の真意が見えてきます。歌織は次のように言ったのでしょう。
「母親の暴力(モラハラ)に対し、法的な効力を考えた」

歌織は、この公正証書を、苦しい人生脚本からの卒業証書にしたかったのではないでしょうか。



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なお、この公正証書に実効力があると困るのは、実効力があった場合、そこから現実的な具体的な行動が始まることになるからです。つまり、現実に引き戻されてしまうのです。虚構を生きる決意をした人は、少しでも自分が現実に引き戻されそうになることは徹底的に避けます。

たとえば、娘を無意識に自分の代理母親にしている母親は次のようなことは絶対にしなかったりします。子の誕生日を祝う、子どもが喜びそうな所に連れて行く、子どもの弁当を作る、子の話を聴く・・・こられのことをすることで、自分が「子の母」であるという現実に気づくのがイヤなのです。むしろ自分が「代理母(娘)の子」であるという虚構を維持するためのあれこればかりをし続けます。

この公正証書は虚構世界の中で利用するものであって、それが現実的に効力を持ってしまっては困るのです。だから、「効力がない」という祐輔の言葉に積極的に飛びつき、確認もしなかったのでしょう。(自分を虚構の中に閉じ込めるにはこの程度の自己洗脳で十分ですし、祐輔は出会ったとき以来、歌織に自己洗脳の言葉を与える役でした)



離婚して現実に戻る道を閉ざされた歌織は、祐輔の元へ戻ったときから、虚構の中へ中へと加速度的に埋没していきます。現実的にはあり得ない公正証書を作成した時点で、もはや歌織は現実を生きていません。
公正証書の答弁で現実的に考えればおかしな事が多いのも、既に現実はどうでもいいところに来ていたからでしょう。実体ではなく、書面にすがるこの時点から、歌織は現実から乖離し始めていたのだと思います。






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不可解だった事件が、ひもとかれていくと……そこにあったのは、男女関係ではなく、親子の関係でした。

母親に認めてほしい気持ち、痛いほどわかります……そして、その母親じしんは、こどものことなんか、眼中にないことも……。
私の母も、妹には40歳をすぎた今でも弁当つくってるのに……姉のわたしには、中学の頃1~2回、汁のこぼれる手抜き弁当つくっただけで、あとはまったくなし……いつも菓子パンかじってたな……。

 
    
 
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