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13-2)離婚を突きつける歌織と逃げた両親(2005.12.24)

2015/03/21(Sat) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【13.反転攻勢―主導権を握った歌織(2005.12~2006.03)】


2)離婚を突きつける歌織と逃げた両親(2005.12.24)

祐輔(代理母親)を支配した歌織は、次に母親を支配しなければなりません。今や新たな脚本に向けて突っ走ろうとする歌織にとって、克服しなければならないのは、古い脚本のボスである母親に離婚を認めさせることです。今や新たな脚本のボスは自分です。ボス対ボスの対決が水面下で行われることになります。

12日に教会で逡巡した後に決意し、
13日に友人に宣言し、
24日には母親を呼び出しました。

ものすごいスピードですね。驚きます。

この驚異的なスピードが、歌織が追い詰められ切羽詰まっていることを物語っていますが、これまでは歌織が実家に戻っていたのが、今度は歌織が母親を東京に呼び出したのです。歌織の「母と暮らす」夢に向けての(夢見ちゃんの)攻勢が始まりました。


弁護側「17年のクリスマスイブに被告と会ったことについてだが、もともと上京する予定はあったのか」
母親 「なかった」
弁護側「どこで会ったのか」
母親 「ホテルのロビーで主人と歌織(被告)と祐輔さんと会った」 
弁護側「祐輔さんはなんと言っていたのか」 
母親 「離婚だけはしたくない」 
弁護側「被告は」 
母親 「『とにかく認めて欲しい』と言っていた」
弁護側「お母さんに対して祐輔さんはなんと?」
母親 「土下座して、『許してください、歌織とやり直します』と」 
弁護側「ホテルのロビーで土下座して、離婚したくないといったのか?」
母親 「そうだ」
弁護側「その話は祐輔さんの福岡の実家にも連絡した?」
母親 「はい」
弁護側「でも、つながらなかった?」
母親 「はい」
弁護側「土下座は要求したのか?」
母親 「とんでもない。祐輔さんが頭を下げたから、それはやめなさいといって座らせた」
《歌織被告の視線に力がこもる》 

『とにかく認めて欲しい』―歌織のこの言葉には、これまでと異なる強さが感じられます。一方の祐輔は、乗り換える船が見つからない間は離婚したくなかったでしょう。セックスを通じてその女性が確実に自分のものになると確信するまでは、何が何でも前の女性にしがみつく―これが祐輔の生きる方法です。

さて、脚本人生劇場は脳内親に見せるために芝居がかりますから、とかく大げさになります。祐輔の土下座に対して、母親の回答は、『それはやめなさいといって座らせた』です―つまり、土下座しなくていいよということですね。

ここに、
離婚を(母親に)認めさせたい歌織、
(今は)離婚したくない祐輔、
そして離婚させたくない母親の三者の姿勢が現れているように思います。



----------------------------------------------------------
弁護側「お父さんはその様子を見てなんといった?」 
母親 「とにかく、離婚してほしいといった」 
弁護側「でも、応じないといわれたのか?」 
母親 「はい」 
弁護側「それで、お父さんは祐輔さんになんといった?」 
母親 「『歌織の何が悪いのか、なぜ暴力をふるうかいわないのなら、これ以上時間がたつのは我慢できない。帰ってくれ』といった」 
弁護側「祐輔さんは帰った?」 
母親 「いえ。歌織の手を引いて、すいませんでした、と」 
弁護側「でも最後は祐輔さんは帰って、お父さんお母さん歌織さんの3人になったのか?」 
母親 「はい」
《歌織被告が視線を下げて、髪をかき上げた》

祐輔は「すいませんでした」と謝っていますから、やはり暴力はあったのでしょう(あるいはシェルター以前の暴力について謝っているのかもしれませんが・・・ともかく証人の片方が亡くなっており、歌織には虚言癖があり、友人たちの証言も歌織に聞かされた脚本ストーリーや状況証拠から来る推察ですから、事実はなかなか見えてきません)。

いずれにせよ、ついに端役の祐輔は帰され、三者会談となりました。


弁護側「平成17年12月24日、都内のホテルで歌織被告と会った?」
父親 「はい」
弁護側「父と母、歌織被告と祐輔さんの4人か?」
父親 「はい」
弁護側「歌織被告は祐輔さんとの結婚をどう話していた?」
父親 「『とにかく別れたい』と」
弁護側「祐輔さんの前で父、母にそう話したのか?」
父親 「はい」
弁護側「なぜ別れたいと?」
父親 「とにかく暴力がひどすぎるということだった」
弁護側「祐輔さんは何と?」
父親 「『申し訳ありません。今後気をつけます。でも歌織とは別れたくない』と」
弁護側「離婚には応じてもらった?」
父親 「応じてもらえなかった」

離婚には『応じてもらえなかった』―不思議なのは、この答弁です。
祐輔は追い返し、離婚したいと言う歌織と離婚させたい両親が残ったのです。ならば、後は離婚に向けてどのように段取りしていくのかという具体的な話の段階に向かうでしょう。3人が結束すれば、祐輔が離婚に応じないことは何とでもなることでしょう。それを父親は、離婚できなかったのを祐輔のせいにしているのです。





離婚に応じなかったのは誰か?整理してみましょう。

歌織:(都心が拠点)母と一緒に東京に住みたいので、離婚したい。(父親とは一緒に住みたくない)
父親:(新潟が拠点)歌織と一緒には住めないが、離婚させたい。
母親:(都心願望はあるが・・・)夫を手放す気はない。

歌織は母親と「都心のマンション」という父親の知らない願望で手を繋いでいると思いこんでいます。ここに悲劇の根があるのですが、母親について「都心願望はあるが・・・」にしたのは理由があります。

不安から逃げ続ける人は、外に2つのことを求めます。「安心」と「不安から意識をそらす対象」です。「都心のマンション」は母親に外側から安心を与えますが、それだけだと困るのです。というのも不安は内側から立ち上ってくるからです。そのため、何より大切なのは「安心」ではなく「不安から意識をそらす対象」なのです。そのためには、「問題児」がそばにいないと困るのです。

たとえば、自分の「子宮」として会社を経営している社長は、必ず適材適所に問題児を配置します。仕事をしない人、文句ばかり言う人、大きなポカをする人、問題を拡大する人等々、なぜこんな人をこんな所にと思うような的確な人材を適所に配置しています。まじめにやっている社員は、それが謎であったり、怒りになったりするわけですが、社長からすれば、常に自分が意識を外に向けざるを得ないようにトラブルメーカーだからこそ「採用」しているわけですね。そして、その問題児たちは、社長の意向に沿ってきちんと自分が望まれた“仕事”をしているわけです。だから、まじめな社員から見ると給料ドロボーに見えるかもしれませんが、社長から見ると給料を払う価値があるわけです。

もしこのような事例を見ることがあったら、その経営者は自分が不安から逃げ続けるための経費として、問題社員に給料を支払っているのだとお考えください。


同様に、後にはっきり分かりますが、この母親は夫を手放す気はありません。ということは、歌織が父抜きの母とだけの生活を望み、夫が歌織と一緒には住めないと思っている以上、この母親も歌織と一緒には住めないのです。

そして、母親が歌織と住めない理由も夫と同じです。それは、この両親共に気持ちを封印して生きており、気持ちの交流を求めないからです。だから、歌織が自分に向かってこないように、祐輔を防波堤にしたかったのかもしれません。

ならば、この母親がはっきりと歌織に向かって「一緒に住むことは出来ない」と言えばよかったのです。けれど、存在不安の強い人間の常で、自分から切ることはしません。むしろ、常に自分に意識を向けてもらいたいのです。



----------------------------------------------------------
これまでもずっとそうでしたが、離婚に反対しているのは母親なのです。ですから、この三者会談の真の意味は、歌織対母親の対決であり、また父親の役割は母子のへその緒を切ることでした。

弁護側「歌織さんには両親はなんていった?」
母親 「とにかく離婚しなさいといった」

もし母親も離婚しなさいと言ったのなら、それで終わりのはずです。
けれどそれでは終わりませんでした。歌織が注文を出しました。

弁護側「歌織さんは両親には?」
母親 「本人はどうしても東京がいいと、新潟は嫌だといった」

成人した娘がどこに住もうが勝手です。離婚して東京に住みたいならそうすればいいでしょう。「離婚」がここでの問題であって、どこに住むかは当人の勝手です(離婚自体も本人の問題ですが)。
にもかかわらず、なぜわざわざそういうことを言っているかというと、歌織はこの言葉を母親に投げかけているのでしょう。言外に、母親に東京に出てこいと言っているのではないでしょうか。この時父親はどうだったのでしょうか。


検察側「都内のホテルで被告と祐輔さんと会って、離婚してほしいと証人は言ったのか?」 
父親 「もちろん。でも、祐輔さんが歌織じゃないと嫌だといって、歌織の手を引っ張った」 
検察側「いや、離婚を考えたんでしょ? なんで実行しなかったのか」 
父親 「無理やり連れて行っても自殺とか、問題が起きると。とにかく時間をかけて話し合ってと、目黒警察に指導されていた」
検察側「それで不幸なことが起きたわけだが、事件の原因についてはどう思う?」
父親 「どちらも追いつめられて、行く先がなくなったのだと思う」

父親も母親も、まず「祐輔が歌織の手を引いて」と印象を植え付けて祐輔のせいにし、祐輔が居なくなった後は警察のせいにしています。自殺する可能性云々の話は、9月に歌織がシェルターのことを母に告げ、離婚の意志を示したときも用いられた逃げ口上でした。この点について検察も疑問を投げかけています。

検察側「祐輔さんから歌織被告への暴力がひどくて、証人は無理やり家に連れて帰りたかったけど、目黒警察から『自殺してはいけないから…』などとアドバイスを受けたという話だけど、まず、誰を無理やり連れて帰るの?」
父親 「娘です」
検察側「無理やりというのは?」
父親 「大人ですから」
検察側「大人ですから、何?」
《考え込んで言葉に詰まる証人。河本雅也裁判長が割って入る》
裁判長「答えてください。証人ですから黙る権利はありません」
検察側「歌織被告は実家に帰ろうという気持ちがなかったのでは?」
父親 「そんなことはない」
検察側「なぜ無理やりということになる?」
父親 「(答えず)」

父親は黙って逃げていますね。おそらくこの両親は、警察から自殺のことを聞かされたときに、それが歌織が帰ってくるときの防波堤として使えると思ったのでしょう。夫婦で対歌織の共同戦線を張っていたわけです。

この時に、歌織が、実は両親はベストカップルであることに気づいていれば・・・と思います。子どもから見ていがみ合っていてもけなし合っていても、そこまで連れ添っている両親というのは、不安から逃避行するためのベストパートナーなのです。

不安から逃げ続けている人にとっての最大テーマは、夫婦とか親子とか愛情とか感情ではありません。いかに不安感情を見ないようにこの人生を逃げおおせるか―ただそれだけです。それが一人では難しいからこそパートナーが必要なわけで、懸命に逃避行を続けているこの夫婦の間には、子供といえど入り込む余地はないのです。

そのことが分かれば両親を手放すことが出来たでしょう。さらに、母親への絶望を声に出して心から実感すれば、母親への執着も消えたでしょう。この三者会談は、そのことに気づく可能性がある場でした。

けれど、歌織とは住めないけれど問題は抱え続けていたい、という母親の曖昧な態度が、周りを迷宮に迷い込ませることになります。






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