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15-4)歌織にとってのMSの意味とその全人生を否定した母―母への憎しみが殺意へ(2006.11.22)

2015/04/11(Sat) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【15.逃げる母親vs追う歌織(2006.11)】


4)歌織にとってのMSの意味とその全人生を否定した母―母への憎しみが殺意へ(2006.11.22)

さて、祐輔が離婚を決意したこの日、歌織は新潟から母と叔母を呼んでいます。
「飲みに行くときは奥さんの承諾がいるということで、『とにかく連絡しなきゃいけない』と」『飲み会や接待のスケジュールを(歌織被告に)渡さないといけない』ということでしたから、この日祐輔が同僚の送別会で遅くまで飲むことを歌織は知っていたでしょう。歌織の証言を見てみましょう。

弁護側「その後、18年11月22日に恵比寿のホテルで話し合いをしているが」 
歌織 「はい」 
弁護側「誰と話し合いをしたか」 
歌織 「私と私の母、叔母の3人」
弁護側「どうして3人なのか」 
歌織 「彼の実家のご両親に電話をしてなんとか離婚に応じてくれるよう彼を説得してもらおうとしていること、彼の会社に電話して、離婚に応じるよう彼を説得し、家の名義を私の名義に変えるよう話そうとしていることを(母と叔母に)相談した」 
弁護側「祐輔さんの両親に電話するのはどうなったか」 
歌織 「電話するのは母と叔母に止められた」

驚きました。歌織は、祐輔が離婚に応じないというストーリーを祐輔の実家や会社にまで広げようとしています。これも、離婚を有利に運ぶためのアリバイ作りなのでしょう。

でも、最も驚いたのは『家の名義を私の名義に変える』ことを祐輔の会社の人間に勧めてもらおうとしていることでした。おそらく、11月5日に『今日からマンションに泊まってほしい』と迫って母親に蹴られて以降、“次の手”を考えていたのでしょう。

当然歌織の脳は、「離婚し男性に金を払わせて自分名義のマンションを得、母と共に暮らす」というシナリオに沿って考えることになります。そして、『自分名義のマンション』になれば、母は一緒に住んでくれると思ったのではないでしょうか。

冷静に考えれば子供じみた発想であり馬鹿げた話ですが、脚本に汚染されている脳で考えるとそういう方向に落とし込まれるのです(そのように“思考”している方はとても多いです)。そして、脚本の『男性に金を払わせて』という部分も闇雲に実行しようとしています。ここで、歌織の電話を受けた会社の人事担当者の証言を見ておきましょう。


検察官「給料の支払日はいつか」
証人 「毎月20日」
検察官「銀行振り込みか」
証人 「はい」
検察官「被告人が振り込みについて、問い合わせてきたのはいつのことか」
証人 「平成18年11月22日」
検察官「どんな内容だったか」
検察官「祐輔さんに知らせずに(振り込み)口座の情報を教えてほしいとのことだった」
検察側「(歌織被告が)今どこにいるのかという話になったか」
証人 「会社隣のホテルまで来ていて、会いたいということだった」

恵比寿のホテルとは、祐輔の会社の隣のホテルだったんですね。歌織は直接会って、『家の名義を私の名義に変える』という話を、母親の前でしたかったのでしょう。大切なことは、それが本当に出来るかどうかということよりもまず、そういうことを話しているという「形」であり、それを脳内母親(ここではリアル母親にもかぶりますが)に見せることです。けれど不信感を持った担当者は会いませんでした。


検察側「どのような印象だった?」
証人 「約束もないし、(給料の振り込み口座について祐輔さんに内緒で教えてほしいという)問い合わせ内容から、不信感を思った」
検察側「それでセキュリティー担当に電話を回した?」
証人 「セキュリティー担当が本人確認をして、(歌織被告)本人だと分かった」
検察側「それから?」
証人 「本人と分かっても、約束していないから会わなかった。口座情報も電話では教えられないことを伝えた。ただし、私の会社のメールアドレスを教えて、『質問を送ってくれ』と言っておいた」


この部分を歌織の証言で見てみましょう。
弁護側「会社への電話は」
歌織 「会社には電話して、代表からセキュリティーにつながれた。(私は)給料の引き落とし口座を教えてほしいと言った」
弁護側「それでどうなったのか」
歌織 「身元確認のため折り返し連絡するということで、(その後)人事の方から電話があったが、業務時間が午後5時までということで途中で切られた」 
弁護側「それで」 
歌織 「やり取りを見ていた母と叔母が『いくら言っても無駄』と言われた」
 

母親から決定的なッセージがきましたね―『いくら言っても無駄』!
このメッセージは、虚実ない交ぜに生きている歌織にどのように響くでしょうか。

なんとしても母と暮らしたい歌織は、同居を迫った5日に続いて二の矢を放ったわけです。それは、これなら文句ないだろうと歌織が思ったこと―「自分名義のマンションを得る」ということです。

そして、前回は祐輔に邪魔されましたので(←歌織の中では)、今回は母親が祐輔を利用できないように祐輔がいないときに母を呼び出し、「自分名義のマンションを得るから一緒に住もう」と母親に迫ったわけです。おそらくこれが、歌織の心象風景でしょう。


それに対する返答が、『いくら言っても無駄』でした。母親はハッキリと言葉に出して歌織にだめ出しをしたのです。「私はあなたとは暮らさないよ」と。それは歌織にとって、これまでのすべての努力を冷たく突き放し、無に帰させてしまう言葉でした。


歌織の第一の人生脚本は「自律せずに金を浪費し、男性に束縛され暴力で支配されて我慢しつつ、都心にマンションを得る」(第一幕、第二幕)でした。「母の夢」を達成するためにその僕となって束縛と暴力を受け、何度も何度も母親に絶望しながらも我慢に我慢を重ね、持ち続けてきた人生の目標。

けれど、それが無残にも母親に打ち砕かれてその脚本をあきらめようと深刻に悩んだ挙げ句、それを「自分の夢」とすることで変容させ、「離婚し男性に金を払わせて自分名義のマンションを得、母と共に暮らす」(第二の脚本)となりましたが、終始一貫して、「マンションを得て、母と暮らす」ための脚本でした。

生まれて以来、「母と暮らしたい」ためだけに生きてきた歌織。
束縛と暴力の苦労に耐えたのも、母と都心のマンションで暮らすというただ一つのゴールにたどり着くため。暇な時間はほとんど不動産巡りやマンション歩きに費やして、祐輔の暴力と引き替えに、次々に都心に向かってマンションを住み替えてきたのです。まさに、歌織の血と汗で手に入れたのがこのマンションでした。そのマンションを自分の名義にしたいと思うのも、歌織の中では当然だったかもしれません。


人生の夢、人生のゴール、人生そのものでした。
いえ、まだ母親から愛された思いがなく、人生が始まっていない歌織(夢見ちゃん)にとって、マンションを得るところから人生がスタートするのです。

その血と汗と涙の結晶を、無残にも「無駄」の一言で消し去られたのです。


11月5日に娘よりも夫を選んだ母親は、今度(22日)は娘の夢をゴミのように捨てたのです。いえ、娘の全人生を否定したのです。この瞬間、歌織の第二の人生脚本は幕を下ろされました。

おそらく、この時に歌織の中には、徒労感、無力感、疲労感と共に、母親への憎しみが殺意へと変わっていったのではないでしょうか。


祐輔が離婚を決意して希望の中にあったまさにこの日、
歌織は絶望の中で殺意を募らせていました。






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