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15-5)金を取るか娘を取るか―母親vs歌織(2006.11.22)

2015/04/12(Sun) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【15.逃げる母親vs追う歌織(2006.11)】


5)金を取るか娘を取るか―母親vs歌織(2006.11.22)

祐輔の会社の隣にあるホテルに母と叔母を呼び出し、そこから祐輔の会社の人事に電話をして『家の名義を私の名義に変える』よう依頼しようとした歌織(異常ですね)。そのやりとりを見て『いくら言っても無駄』と切り捨てた母。話はこれで終わりませんでした。

弁護側「ボーナスを折半して別れると祐輔さんが言ったとあなたのお母さんが法廷で言っていたが、本当に言ったのか」
歌織 「言っていない」 
弁護側「誰が言ったのか」 
歌織 「母と叔母がホテルで」 
弁護側「何と言ったのか」
歌織 「(母と叔母が)ボーナスがもうすぐ出ることを知って、『両親や会社に連絡するよりももう少し我慢する方が賢い』と言った」
弁護側「ボーナスが出たらどうしろと言ったのか」 
歌織 「『ボーナスを折半して別れた方が賢い』と」
弁護側「あなたはそれで納得したのか」
歌織 「納得していない。その場で母に頼んで父の知人の弁護士に連絡を取ってもらった。そしてとにかく離婚の話をしたいので、早く帰ってきてほしいと彼(祐輔さん)に電話した」
弁護側「祐輔さんは何と言ったのか」
歌織 「(祐輔さんの)回りに人もいたからか、冷静に『分かった』と」
弁護側「祐輔さんが帰ってきてから離婚に応じさせるつもりだったのか」
歌織 「はい」
弁護側「離婚の話はできた」
歌織 「できなかった。彼が帰宅した時点では話を切り出したが、離婚の話ではなく、『どうしてホテルにいた』『何をしていた』といきなり怒り出して、電話や手帳をひっくり返した。その日に会社に電話したことや母たちに会っていたとは言えなかった。それ(その日の行動を言わなかったこと)が彼は不満で、私が浮気をしていると思ったのか暴力が始まった」
弁護側「それで離婚の話はできなかったのか」 
歌織 「はい」

最後の『暴力が始まった』の部分は、歌織が脳内母親に言って聞かせている言葉だと思います。脚本人生は自己洗脳の世界ですから、それが事実ではなくとも、それを自分に言い聞かせることが大事なのです。

「束縛」「暴力」という言葉は、歌織の脚本人生に必須の自己洗脳用語なのです。皆さんの周りにも、同じことを繰り返し言っている人がいれば、それは目の前にいる人に向かって言っているのではなく、自己洗脳のために言っているのだとご理解ください。

ここで分かることは、母が「ボーナスを半分手に入れるまで我慢しろ」と勧めたことです。『ボーナスを折半して別れた方が賢い』という言葉を言い換えれば、「ボーナスを半分手に入れたら、離婚を認める」ということです。

今すぐにも離婚して母と住みたい歌織は、その夢の部分については「無駄」と一蹴された上に、ボスの命令を実行するために1月10日(支給想定日)までは離婚できなくなってしまったのです。

「やらずぶったくり」―まさにこの言葉がピッタリきそうなこの仕打ちに、歌織が納得するはずもありません。もうこれ以上の我慢に耐えきれず、離婚話を進めるためにその場で母に迫って父に電話させ(母の証言で分かります)、自分も祐輔に電話しました。つまり、母が認めず、ついに歌織は父と祐輔に頼ってしまっているのです。

けれど、祐輔に頼ろうとしても離婚話はできませんでした。
何しろ、ボスから1月10日まで離婚するなと指令が下ってしまったからです。歌織はそれを母親のせいにするわけにはいきませんので、祐輔の暴力によってできなかったという話をでっち上げたのでしょう(この日祐輔は友人に離婚を宣言した上、明け方まで飲んでいましたので暴力を振るう言われも暇もなかったでしょう)。

徹頭徹尾、この物語は「逃げる母親vs追う歌織」の物語なのです。



私には、「仮面の家」の物語と重なります。
「仮面の家」では長男が“俺の気持ちを理解しろ!”と両親を追い詰めました。人の気持ちを理解するためには自分の「心のコップ」の蓋を開けなければなりません。不安から逃げるために蓋を閉じている両親にとって、それは自分を、自分の人生を破壊することになります。つまり、長男は自分たちを破壊する“敵”になり、母親が主導して長男を殺したのでした。

追い詰める歌織と逃げる母親―自分名義のマンションの話をしても『無駄』と突き放された歌織は、返す刀でお金のために「我慢しろ」と言われてしまいました。

この日、祐輔は離婚を決意していました。歌織が切り出せば、すんなり話はまとまったことでしょう。けれど、「我慢しろ」と母親(ボス)に言われた歌織は、ついに切り出すことが出来ませんでした。

そして、歌織はその指示通りにボーナスを手に入れるべく動いていくことになりますが、その前に歌織の証言と母親の証言が違うところを見てみましょう。





11月22日について、検察が母親を追究しています。

検察側「18年11月22日、あなたが被告に都内のホテルで会ったとき、年が明けた1月11日に離婚することを聞いている。その意思は堅かったか」
母親 「はい」
検察側「1月11日に離婚する理由は、ボーナスと給料を折半にするからという提案が祐輔さんからあったからか」
母親 「はい」 
検察側「あなた方によると、祐輔さんはすぐに前言を覆したということだが」
母親 「だから、いろいろな方に証人になってほしいということでした。『祐輔さんがいつまでも実行しないので、福岡の(祐輔さんの)両親のところに行って、離婚してほしいと説得してほしいと言うつもりだった』と」
検察側「(ボーナスなどの)折半のことを説得してほしいということではないか」
母親 「それは違う。それを言っても、祐輔さんは『俺の物だ』『ビタ一文渡さない』と言ったと」
検察側「(説得は)お金のことではないのか」
母親 「絶対違う。最後、歌織はお金はいらないと言っていた」
検察側「なぜ18年の1月11日が離婚する日だったのか」
母親 「祐輔さんが言ったらしいが、『(1月)10日にボーナスが出るので、その日に折半して11日に新しいスタートを切る』と」
検察側「(離婚が)もっと早くてもよかったのでは」
母親 「早くてもいいが、祐輔さんが言ったことに(歌織被告が)賭けていたと思う。祐輔さんから初めて提案してくれた言葉を履行してくれると思ったのでは。本人ではないから分からないが」


驚きますね。歌織の証言と正反対です。
歌織は『ボーナスを折半して別れた方が賢い』と母親から勧められたと言っていますが、母親は『ボーナスと給料を折半にするからという提案が祐輔さんからあった』と言っています。

そして、一刻も早く離婚話を進めたい歌織は『福岡の(祐輔さんの)両親のところに行って、離婚してほしいと説得してほしいと言うつもりだった』のでしょう。それを『もう少し我慢する方が賢い』と言って我慢させたのは母親であるのに、曖昧な言い方で祐輔が反対したように言っています。嘘をついていますので、証言がごちゃごちゃになっていますね。

驚いたのは、『(1月)10日にボーナスが出るので、その日に折半して11日に新しいスタートを切る』という言葉まで祐輔が言ったように創作していることです。祐輔はこの日離婚を決意しており、歌織も『祐輔さんが帰ってきてから離婚に応じさせるつもりだった』わけですから、祐輔がそのように言うはずもありません。母親の態度に違和感を感じる検察の質問が続きます。



検察側「歌織被告が当初から離婚を決意していて、ボーナス、給料を折半するのは祐輔さんの提案だったということは検察官には話したのか」
母親 「しました。『それはあり得ない』と言われた」
検察側「具体的には」
母親 「『離婚したいのは祐輔さんで、そこを間違えないでくれ』と」
検察側「どこを受け入れてくれなかったのか」
母親 「離婚したがっているのが、歌織ということ」
検察側「調書には、被告が離婚したがっていることが書いてある。読んでもらっただろう」
母親 「記憶にありません」
《まったく噛み合うことのないやり取りが続く。質問する検察官も、証言する歌織被告の母親も、苛立ちが募った様子だった》
《歌織被告の母親の証言は、なかなか検察側とかみ合わない。たまらず河本雅也裁判長が『証人、質問をよく聞いてください』と注意した》
検察側「検察官調書では、ボーナスと給与を折半するという話は、祐輔さんが言い出したことにはなっていないが?」
母親 「話したが、『あり得ない。祐輔さんが別れようとしているのに、なぜそういうことを言うのか』と言われた」
検察側「本当にそんなこと言ったの?」
母親 「言ったと思う」
検察側「思う?」
母親 「いや、言った」
検察側「警察官2人に不満は?」
母親 「いえ、丁重に接してくれた」
検察側「(警察の)供述調書の内容は確認したか?」
母親 「した」
検察側「間違いはなかったか?」
母親 「あったが手直ししてもらった」
検察側「どこを?」
母親 「多数あった。言い回しで全然違うところもあった」
検察側「どこか?」
母親 「申し上げられない。祐輔さんとの出会いの状況とか、別れるときとか…」
検察側「(平成18年)11月22日の給与折半の話は、警察の調書でもそう(祐輔さんが言い出したことに)なっていないが?」
母親 「申し上げた」
《あいまいな証言を続ける証人に、検察側は時折いらだったような表情で矛盾点を突いていく》


検察の尋問に、のらりくらりとかわして責任逃れをしようとしていることがありありとわかります。本当に娘のことを思うなら真実を話すでしょうが、娘のことよりも自己保身が上回っていることが分かります。弁護側の質問を見てみましょう。


弁護側「検察側から質問があった11月22日の上京だが、(あらかじめ行く)用意はしていた?」 
母親 「なかった」 
弁護側「歌織さんから頼まれた?」 
母親 「はい」
弁護側「祐輔さんの女性関係については?」
母親 「前からよく聞いていた。『激しい』と」
弁護側「ずっと(前から)聞いていた?」
母親 「はい」
弁護側「(祐輔さんの)会社にも電話をかけたが会ってもらえなかった?」
母親 「聞いてもらいたかったが、会ってもらえなかった」

弁護側に対してははっきりと嘘をついていますね。自分が会社に電話することを止めたのに、会社側のせいのような言い方になっています。



弁護側「歌織さんから何か頼まれたか?」 
母親 「写真や公正証書など…(以下聞き取れず)」 
弁護側「何のために?」 
母親 「『預かってほしい』と」 
弁護側「理由は?」 
母親 「『自宅に置いておくと破られるから』と」 
弁護側「中身は?」 
母親 「恐ろしくて見ていない」 
弁護側「写真のことか?」 
母親 「はい」

歌織が母親に最も見せたかったものを、母親は見ていません。虚構を生きる人は、虚構を壊す可能性のある事実は見ようとしません(見たとしても記憶から消します)。ここで弁護士は、『写真のことか?』と助け船を出して誘導しています。



弁護側「他に頼まれたか?」 
母親 「『主人(被告の父)に電話して弁護士に必要なものを教えてほしい』と」
弁護側「『弁護士を頼みたい』と」
母親 「その場で主人に電話した。『こういう状況なので連絡してほしい』と」
弁護側「お母さんと歌織さんと別れたあと、祐輔さんは?」 
母親 「『話をしたいから早く帰ってきてほしい』と(歌織被告に連絡があった)」 
弁護側「その後お母さんに電話は?」 
母親 「『まだ帰ってこない』と(あった)」 
弁護側「『話をしたいのに帰ってこない』と?」
母親 「はい」

ここで話にならない母親に業を煮やして、歌織が父親と祐輔を頼ったことが証言されています。祐輔は明け方まで飲んでいましたので帰ってきませんでした。



弁護側「給料やボーナスを折半するという話はどちらから?」
母親 「祐輔さんから」
弁護側「離婚に応じるということなのか?」
母親 「話が行き詰まると『絶対しない』」
弁護側「と聞いている?」
母親 「はい」
弁護側「歌織さんと18年11月にホテルで会ったときのことだが、お金やマンションについては?」
母親 「(歌織被告は)『お金やマンションは眼中にない。そういうことを希望しているわけではない』と」
弁護側「他には?」
母親 「(聞き取れず)」

ここでは堂々と嘘をついていますね。
給料やボーナスを折半するという話が祐輔から出たことも嘘なら、『お金やマンションは眼中にない。そういうことを希望しているわけではない』というのも嘘です。

お金に執着したのは母親。
マンションに執着したのは歌織です。

検察の追究に『絶対違う。最後、歌織はお金はいらないと言っていた』と母親が断言していたように、歌織はお金に執着していません。そして、この言葉は金を取れという母親に対して言った言葉でしょう。

このように、母親は自分に向けられた言葉も巧みに織り交ぜて、虚構を維持しようとしています。この母親が事実には目をつぶり、嘘で固めた人生を送ってきたであろうことが推測されますが、歌織と祐輔が入籍したときも、「弁護士と結婚したのよ」「あんな高級マンションに住んでいて、家賃なんてすごいんですよ」と近所の人に嘘をついていた母親ですから、嘘は日常のことだったのかもしれません。



なぜ、母親はこんなにもお金に執着したのでしょうか。
愛情で人とつながったことがない人にとってお金というのは、いろいろな意味で保障です。お金で人をコントロールする母親にとって、お金というのは、この世で最も大切なものです。お金のために我慢することは当たり前のことですから、お金を取らずに離婚するというのは、この母親にとっては「あり得ない」話だったのでしょう。

歌織は『お金はいらない』という言葉で、「お金が大事なのか、私が大事なのか」と母親に迫ったのではないでしょうか。とすれば、あまりにも悲しい確認でした。

おそらく母親は、自分の価値観で言っただけの言葉。そこに、娘の思いや苦しみなどへの配慮は微塵もありません―それは歌織が生まれる前からずっとそうだっただけのこと。ただ、目の前にある「お金」に目が行くだけのことなのです。そこしか見ていない母親が、単純に見ているものを言っただけのことなのです。

けれど母親に支配されている歌織にとっては、それが絶対的な命令となってしまうのです。歌織は、ボーナスはなんとしてでも手に入れなければならなくってしまいました。








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彼女のこの母親に会ってみたい。
会話をしてみれば、自分で自分に何か証明できる気がするから。


 

悲しい

心のコップの蓋を閉じて
気持ちで生きてない人と、
気持ちで生きようとしている人は、
この星に共に生きているのに、
心が通じ合う事はないのだと、
今日のブログを読んで改めて感じました。

自分の親も蓋を閉じている人、
頭では理解できても、
心を通じ合いたいと思う自分がいます。
思うのは自分の中のチャイルドなのだろうか、それともエゴ?

生きている世界が違う、、
頭では理解できても、
この現実を受け入れるのは、
悲しい、
ただただ、悲しい

 
    
 
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