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17-6)下半身をゴミ袋から出して捨てた本当の理由―ストローク飢餓

2015/04/28(Tue) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【17.バラバラ殺人をした歌織の心理】


6)下半身をゴミ袋から出して捨てた本当の理由―ストローク飢餓

遺体の処分の順序について、事実と歌織の証言が食い違う部分があります。

検察側「処分の順番は」
《記憶を思い出すかのように、長い沈黙に陥った》
歌織 「一番最初は下半身を処分した」
検察側「上半身はいつか」
歌織 「14日の夜」
検察側「処分の場所である新宿にはどう運んだか」
歌織 「キャリーケースに上半身を入れて自宅前からタクシーに乗り、新宿で下りて、上半身を植え込みに捨てた」
検察側「キャリーケースはそのために買ったものか」
歌織 「はい」
検察側「下半身の処分はいつか。(下半身が見つかった場所辺りを回る)ガスメーターの検針員は、15日の段階では問題はなかったと言っている。(14日に捨てたというのは)あなたの記憶違いではないのか」
歌織 「私が彼を切断した後、まず最初に運び出したのは下半身。その後、上半身をキャリーケースに入れて運んだ」

《検察側の冒頭陳述によると、歌織被告は祐輔さんの下半身を自宅近くの民家の敷地内に捨てた-と指摘している。しかし、下半身を捨てたのは、上半身を新宿に捨てた後の『12月16日ごろ』としており、歌織被告の供述とは齟齬(そご)が生じている》

検察側「下半身を処分した時間は」
歌織 「夕方、彼の会社の人が3人来た。その後、1時間もしないくらいで私は下半身を台車に乗せて運び出した」
検察側「下半身を放置した場所は下半身が見つかった場所か」
歌織 「はい」
検察側「どのように運んだのか」
歌織 「袋に入れて、台車に乗せて、歩いて捨てた場所まで行った」
検察側「下半身はゴミ袋から出して捨てたのか」
歌織 「はい」
検察側「どうして」
《被告はそのときの状況を途切れ途切れに語り始める》
歌織 「中に…彼…私の取り調べでも言わなかったが、私の写真が中に入っているのではないかと思い、袋の中を探さなければならないと思い、袋を破った」
検察側「台車はどうした」
歌織 「近くのゴミ捨て場に捨てた」

検察側「頭部の処分はいつか」
《検察側の冒頭陳述によると、歌織被告は祐輔さんの頭部を東京都町田市内の公園内の雑木林にシャベルで穴を掘り、埋めた-としている》
歌織 「捨てたのは16日」
検察側「その際に買ったものは」
歌織 「近くの店でシャベルを買った」
検察側「それは(遺体を埋める)穴を掘るためか」
歌織 「そう」
検察側「シャベルは16日に買ったようだが、遺体を埋めたのも16日か」
歌織 「だと思う」
検察側「頭部を埋めた時間は」
《被告は少し考える》
歌織 「…真っ暗だったことは覚えている。夕方だと思う」
検察側「処分はどのようにしたか」
歌織 「(頭部を捨てた)公園までは自宅近くの小田急線に乗って行った」
検察側「頭部はどういう状況で運んだか」
歌織 「袋に入れて、その袋を大きいバックに入れて持って行った」

検察側「左腕と右手首はどう処分したか」
歌織 「日にちは分からないが、袋に入れ、自宅近くのゴミ捨て場に一緒に捨てた」
検察側「一緒に捨てたのか」
歌織 「捨てたときは別々だった」
検察側「捨てた場所は自宅マンションのゴミ捨て場ではないのか」
歌織 「はい」
検察側「いつごろか」
《髪をかき分けながら供述する被告》
歌織 「腕は頭を捨てた以降。あとは部屋のリフォーム後」
検察側「どうして自宅マンションのゴミ捨て場に捨てなかったのか」
歌織 「マンションの管理人がゴミ袋の中を確かめて仕分けする。だから出せなかった」


さて、『目の前から消したかった』という割には、頭以外埋めていません。頭については『見つかったとき、周りへの衝撃ということもあるし、さすがにそれはというのがあり…』と周囲への配慮を示していますが、それ以外については配慮が全くなされていません。手などゴミ扱いですね。

遺体の部位によって、明らかに扱い方を変えています。扱いを変えるということは、そこに意図があるということです。では、なぜこのような捨て方をしたのでしょうか?
その心理のヒントになるのが、上半身と下半身を捨てる順序の齟齬です。

歌織は、同じ14日に、先に下半身を捨て、次に上半身を捨てたと主張しています。が、下半身は15日には発見場所になかったので、14日に上半身、15日深夜~16日未明にかけて下半身を捨てたのが事実のようです。

また、「処分の順番は」と問われたときに、《記憶を思い出すかのように、長い沈黙に陥った》とありますが、これまでも歌織は嘘のストーリーを話す前に沈黙していますので、沈黙が嘘であることの傍証でもあります。


『私の写真が中に入っているのではないかと思い、袋の中を探さなければならないと思い、袋を破った』と言っていますが、そこに至るまでに、次の3つの行程があります。
1.写真をゴミ袋に入れた
2.そのゴミ袋に遺体を入れた
3.現場でゴミ袋から遺体を出した

まず、『10-4)DVシェルターから夫の元へ戻るための理由(性的写真)の構築』でも書きましたが、どうしても祐輔の元から逃げたいのに、ただそれがあるからこそDVシェルターから戻らざるを得なかった写真を見つけたわけですから、『確実に消すでしょう。ゴミ袋のどれかに入れたという行為が信憑性が薄いのです。』

次に、仮にゴミ袋に入れたとして、それは祐輔の留守中に探してクローゼットの中に見つけて、それを沢山あったゴミ袋のどれかに入れたと言っているわけですが、もしそうならすぐに処分して残っているはずがありません。残していれば、また祐輔に見つかって利用される危険があるわけですから、残すはずがないのです。

そして、遺体を処分する時に、どれかわからないゴミ袋を利用するでしょうか。証拠が残らないように、中に何も入っていない未使用のゴミ袋を使うでしょう。

その上、仮に遺体を取り出して中を調べたとしても、わざわざ破かなくてもいいわけです。調べた後に袋に入れ直すこともできたでしょう。

以上、どの時点のどれを取っても、歌織の言っていることに信憑性がありません。犯行後の冷静な行動を見ていますと、なおのこと信用できません。

では、なぜわざわざ嘘をつかなければならなかったのでしょうか?





ポイントは下半身が袋に入ってなかったということにありますが・・・謎解きの前に、すべての犯罪に通底する基本的心理を押さえておきましょう。

「万引きは犯罪の入り口」と言われていますが、万引きの根っこにはストローク飢餓があります。つまり、万引きはストローク飢餓のサインであり、そのサインに気づいてストロークを与えれば、犯罪は起こらないよ―そう教えているのが「万引きは犯罪の入り口」という言葉ではないでしょうか。

では、犯罪を犯すほどのストローク飢餓はどこから生まれるのでしょうか。それは、親の「心理的ネグレクト」から生まれます。心理的ネグレクトとは、「無意識のうちになされる心理的放置」「心の食物であるストロークを与えないこと」。形の上ではネグレクト(育児放棄)をしていませんが、子供の気持ちを聴こうとはせず、受け止めることもありません。

気持ちこそが自分自身ですから、気持ちを受け止めてもらえないということは、自分の存在は無視されているのと同じことなのです。特に親に無視された場合、子供は強い存在不安を持ち、どんな形でもいいからストローク(存在を認める働きかけ)をくれという飢えを満たすために行動するようになります。

では、誰に見てほしいのか? お母さんですね。一瞥でもいい、一瞬でもいいから、私を見ろ!―そこまで飢えているわけです。歌織の母親も、歌織が手渡した写真や公正証書も見ずにとことん逃げ続けていましたから、歌織はなんとしてでもその母親の顔をこちらに向けさせたいのです。

「母親の顔をこちらに向けさせたい」という心理は、犯罪の入り口である万引きに始まって、殺人という重大犯罪に至るまで通底してあります。と申しますか、ストロークを得られないからエスカレートしていき、結果犯罪に至るわけです。さらには、犯行後も続くのです。

たとえば歌織は、犯行後に両親に血の付いたシーツや布団を送りつけています。しかも、最初は血のついたシーツ(20日)で、次が血のついた布団(27日)でした。血のついたものを送れば、一体何事かと親ならば飛んでくるでしょう。けれど、歌織の両親は飛んでくるどころか電話さえありませんでした。そこで業を煮やした歌織は、引き続き布団を送ったわけです。

この時期歌織は、遺体を捨て、リフォーム会社に部屋をリフォームさせています(26-29)。殺人の事実を消去するなら、シーツや布団なども、いくらでも処分の仕方があったでしょう。それをわざわざ取っておいたのは、実家に送りつけるつもりがあったからでしょう。これほどのことをしたんだ、その私を見ろ、と。

自分が認めてもらえない存在であることを前提に生きている歌織は、自分を認めさせるために複数の手を考えることが当たり前になっていたでしょう。血のついたシーツと布団をまとめて送らずに、わざわざ分けて送ったように、しかも、見つかりやすい目を引くもの(布団)を後にするように、必ず目立つものを後に取っておきます。上半身より下半身、しかも裸の下半身の方がセンセーショナルですよね。

もし、遺体を解体しなければ、その段取りが出来ません。歌織は、自分が注目を浴びるアイテムとしてのパーツが欲しかったのではないでしょうか。だから、目立たない小さい手などはゴミ扱いだったのでしょう。

遺体さえも、自分がストロークを得るための道具にする。
まさに餓鬼界に落ちた人間を見るようです。


最初に上半身を投げ捨てたときも、まるでさっさと見つけろと言わんばかりでした。けれど見つかりませんでした。これは、歌織にとっては我慢ならないことだったでしょう。自分が無視されることに耐えられません。

これまでもさんざん酷い目に遭っては母親にその報告をし、ことごとく無視されてきました。無視されるからこそ、酷さをエスカレートさせていき、最終的に殺人までしてしまったわけです。それでもなお、自分の存在を認められない状態でいるのは、我慢なりません。

我慢ならないから、歌織は翌日下半身を捨てたのではないでしょうか。そして、そのときにわざわざ袋から出したのも、すぐに死体と分かるようにしたのだろうと思います。(シーツの次に目立つ布団を送ったのと同じ感覚です)


この心理を探られないためには、「最初は下半身」でなければならなかったのです。そして、そのためには袋から出した理由も編み出さなければなりませんでした。これが「性的写真の話」だったのではないでしょうか。この話が最初から出てこず、後々になってようやく出てきた理由は、それが事実ではなく後から思いついたものだったからでしょう。

(それにしても、つくづくすごいストーリー構築能力です。これが母親から受け継いだ「虚言癖」なのでしょう。これがよい方に転がれば、すぐれたストーリーテラーになります。それが、「自律したときに脚本人生で得たスキルがギフトに転化する」ということなのです。)





歌織は16日に上半身が発見されて嬉しかったのでしょう。その傍証が、ネットで拾った次のやりとりです。上半身発見後の12月17日と21日に、祐輔の友人が歌織とかわした電話の主なやり取りだそうです。

歌織「本当、こんなことになって家賃とかどうしようって」
友人「貯蓄はない?」
歌織「全くないよ。ほかの人より給料もらったって、借金の支払いだってあるし、全然ないよ」
友人「最近は?」
歌織「(三橋さんが)寝に帰って来て『はい、また』って。着替えに帰って来るって感じだからさあ。精神状態がどうとか、分っかんないんだよねえ。最初はね、あの人とケンカした時に、携帯(電話)にロックかけるじゃない? 途端にね、今までに輪をかけて帰宅時間が4時とかね、朝帰りも全然あったし、外泊と かも全然平気でやるようになって、もうメチャクチャだったのよ。今回のアレも『またか』みたいな感じー? あの人『自分だったら何をやっても許される』みたいな、すっごい勘違いしてた。『なんなのその自信は』って…。ものすごい嫌らしいことを言う。『俺が考えている金はこんな小さい金じゃないんだ』とか。 ま~た、嫌らしいえげつないこと言うなあ、と」

友人「(12日午前)4時に帰ってきて、出て行った以降の消息が分からないってことだね」
歌織「そうそう。だから、うちで(行方が)分からなくなってんの」
友人「あとはエレベーターから玄関の距離のどこかにいるか、みたいな?」
歌織「ハハハハハハハハー。え~?」
友人「あとは同じ階の人に拉致られたとか?」
歌織「そんな、普通の人しかいないよー」
友人「最初は任意で捜査って感じになるんじゃ?」
歌織「うわあ、大変。すごい本格的になっちゃう~。たいへ~ん。どうしよ~。そんなに大きなアレなんだ。こわーい。ほんと、なんか事件って感じになってきた」
友人「警察に嫌な質問をされるかもしれないぜ」
歌織「そうだよー。会社にまで電話かけたりさ、私が一番そういうこと聞かれるよ~。ヤダよ~。もう、最悪~」
友人「容疑者になるかもしれない」
歌織「容疑者!? いやー。うそー。何それー。最悪~」
友人「あとは探偵さんにでも聞くしかない」
歌織「もう、嫌だー、本当に(涙声に)」(日本テレビ、フジテレビから)


驚くばかりですが、異様なハイテンションですね。もしこれが事実ならば、やはり歌織は発見されたことが嬉しかったんだろうなぁ、と思います。

異常です。確かに異常なのですが、飢餓の極地にあるときは何であれご馳走なのです。ストローク飢餓にある人々が、一体どのような行動で耳目を引こうとするのか数多の事例を見てきましたが、自分に向かってくるエネルギーは、それが怒りや嫌悪であれ、さげすみや憎しみであれ、殺意でさえもが、ご馳走なのです。

自分に向かってくるあらゆる「Youメッセージ」が、その先に自分がいる、自分が認識されている、と「自己確認」するものでしかありません。メッセージの内容は入ってきません。そのメッセージの中に自分がいるかいないか、ONかOFFか、ストローク飢餓者はそこだけで生きています。

歌織にとっては、死体でさえも、「自分」が注目を浴びるアイテムに過ぎなかったのでしょう。




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香織さんの電話での会話。
とても切なく、悲しくなりました。

まるで笑いながら泣いてるみたい…

 
    
 
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