プロフィール
 

中尾英司

Author: 中尾英司
Doing(させる,働きかける)ではなく、Being(共にある,見守る)―半歩あとから


カウンセリング申込み要領

中尾真智子ブログ

ホ・オポノポノ to IC―
「ごめんね」「ゆるしてね」
「ありがとう」「愛している」

 
ピックアップ目次
最近の記事+コメント
 
 
カレンダー(月別)
 
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
 
カテゴリ
 
 
全ての記事を表示する
RSSフィード
 
 

17-8)最終意見陳述から見える深層―歌織が三橋姓を名乗る理由

2015/04/30(Thu) Category : 渋谷夫バラバラ殺人事件
【「渋谷夫バラバラ殺人事件」の考察】
【17.バラバラ殺人をした歌織の心理】


8)最終意見陳述から見える深層―歌織が三橋姓を名乗る理由

『17-1)なぜ殺したのか?―アイテムからアイドル(偶像)となった祐輔』の中で、裁判長が次のように疑問を提示しました。

裁判長「この生活を終わらせたいのなら自分が家から出ればいい。どうしてその選択肢を取れなかったの? 実際にアルバイト探しや家探しをしていたんでしょ?」
《裁判長の質問には、事件後でなく、事件を起こす前にやり直せたというニュアンスが含まれている。歌織被告は小さく首を左右に振り、左手で鼻をぬぐった》
裁判長「あなたには、裁判の最後で、もう一度話す機会がある。そのときまでに心境を思い出しておいてください」

その疑問に答えるために、歌織の心理を見てきましたが、歌織自身はどのように答えたのでしょうか。最終意見陳述を見てみましょう。



<最終意見陳述>--------------------------------------------

『カオリ』は祐輔さんの暴力から逃れたいと考えて、警察に助けを求めたこともありました。両親、親戚、知人に頼りたいと何度も思いました。自分ひとりではどうにもならない。祐輔さんは逃れようとすればするほど、考えもしないやり方や手段で、『カオリ』を逃がすまいとしました。

『なぜ逃げなかったのか』と、DVの実情を知らない人はみんな安易にいいます。どうやって逃げればいいのか、どのようにすれば逃げられたのか。あの生活を一体誰に相談できたのか、時間がたった今でも分かりません。最後の私は、自分の身を守るより他ありませんでした。

祐輔さんが遅い時間に帰ってきても、祐輔さんが寝るまで怖くて眠れなかったのです。そして祐輔さんの寝顔を見ていると、女性の姿が見えてきました。『誰なの、どうして苦しそうな表情なの?』と思いました。『もしかして私の代わりに苦しんでいるの?』と不思議に思いました。

もしかして『カオリ』なのと思って、後ろめたい、申し訳ないと思いました。そして『嫌だ助けて』という声や、『もう少し、もう少し我慢して』という声も聞こえました。私の声か、『マミ』なのか、『カオリ』なのかわからない。誰なのか分かりませんでした。

あの晩の私の気持ちについて、検事は『怒り、憎しみ』と表現しましたが、一言では表現できません。(犯行の晩)知人に自宅に来てもらったのは怖かったからです。離婚の話をすると祐輔さんの暴力が始まる。あんなことやこんなこと、いろいろ浮かんできてじっとしていられなかった。1人では太刀打ちできない、またやられてしまうという恐怖心があったのです。

遺族には、この事件までお会いしたことはありませんでした。でも、どれだけ自分たちの生活について、相談したいと思ったか分かりません。でも『おやじは心臓が悪い。何回も手術していて、ショックを与えるとよくない。お前、おやじを殺す気か』と祐輔さんに言われ、決心が付きませんでした。

こんな形でしかお会いできなかったことは、心から申し訳なく思っています。また、私のしたことで多くの皆様に迷惑をかけて、心よりおわびいたします。


<最終意見陳述ここまで>-----------------------------------------



歌織にとって祐輔は、
見捨てられ者同士の自己投影の相手であり、
代理父親であり代償行為とゲームの相手であり、
代理母親であり愛と憎しみの対象であり、
人生脚本を現実に創造するために必須のアイドルであると同時に脚本の破壊者であり、
地獄の中で優しさをくれた相手であり・・・

歌織にとってすべてでした。そして、
歌織次第でどちらにも転び得るトリックスターでした。







最終意見陳述の「祐輔」の部分を、一部「(歌織の)母親」に変えてみましょう。


<深層意見陳述>--------------------------------------------

『カオリ』は「母親」の見えない暴力(下手人は父親や祐輔)から逃れたいと考えて、目黒警察経由でシェルターに逃げたこともありました。
【母親には知らせていません】

自分ひとりではどうにもならない。「母親」は逃れようとすればするほど、考えもしないやり方や手段で、『カオリ』を逃がすまいとしました。
【離婚を突きつける歌織を何度も拒絶しましたね】

『なぜ逃げなかったのか』と、「母親」の実態を知らない人はみんな安易にいいます。どうやって逃げればいいのか、どのようにすれば逃げられたのか。あの生活を一体誰に相談できたのか、時間がたった今でも分かりません。
【「母親」の実態を知らないのは歌織でした。母親には愛があるはずだと思いたい子供は、母親の本当の姿を見たくありません。「かおりちゃん」は見抜いていますが、それをわかりたくない本人が自分を迷宮に閉じ込めていきます】

最後の私は、自分の身を守るより他ありませんでした。
【母が上京してくる13日を迎えるわけにはいきませんでした。さらなる課題を押しつけられることも、新たなマンションの契約をするわけにもいきませんでした】

祐輔さんが寝るまで怖くて眠れなかったのです。
【祐輔は母親への恨み憎しみが出るきっかけとなる対象ですから、祐輔が起きている間は感情がざわついて眠れなかったでしょう】

そして祐輔さんの寝顔を見ていると、女性の姿が見えてきました。『誰なの、どうして苦しそうな表情なの?』と思いました。『もしかして私の代わりに苦しんでいるの?』と不思議に思いました。
【自分が苦しめている祐輔は、母親に苦しめられている自分の姿であり、自分(脳内母親)に苦しめられている「かおりちゃん」でもあったでしょう】

もしかして『カオリ』なのと思って、後ろめたい、申し訳ないと思いました。
【「かおりちゃん」を助けてあげられなくて、申し訳ないと思っていますね。これは、「守ってやれなくてごめん」と歌織に言った母親と同じ立場です。つまり、脳内母親の僕となっている歌織は、私は「かおりちゃん」の味方ではないよ、母親を取るよ、と自分の母親と全く同じことを言っているのです】

そして『嫌だ助けて』という声や、『もう少し、もう少し我慢して』という声も聞こえました。私の声か、『マミ』なのか、『カオリ』なのかわからない。誰なのか分かりませんでした。
【『嫌だ助けて』と「かおりちゃん」が言い、『もう少し、もう少し我慢して』と『マミ』(脳内母親)が言ったのでしょう。脳内母親の声は神(マミ)の声です。逆らうことはできません。けれど限界を超えています。ならば、それが“在る”からこそ我慢しなければならない対象を、この現実から消し去ればいいわけです。歌織は祐輔を“消去”することにし、その歌織に対して「かおりちゃん」が『嫌だ助けて』と言ったのでしょう】

あの晩の私の気持ちについて、検事は『怒り、憎しみ』と表現しましたが、一言では表現できません。(犯行の晩)知人に自宅に来てもらったのは怖かったからです。
【『一言では表現できません』―それらの感情を一つづつ丁寧に自分の中から拾い上げて声に出していくこと。それで救われるのです。「怖い」という場合、本人は何か外の対象を怖がっていると思っていますが、「怖い」という感情は「かおりちゃん」です。「かおりちゃん」が、“自分”の気持ちが全く届かずに暴走する歌織本体を「怖い」と思っているのです。知人を呼んだのは、「かおりちゃん」だったのかもしれません】

離婚の話をすると母親の見えない暴力が始まる。あんなことやこんなこと、いろいろ浮かんできてじっとしていられなかった。母親には1人では太刀打ちできない、またやられてしまうという恐怖心があったのです。
【祐輔を力尽くで引きずり出したくらいですから、祐輔が敵ではないことは実証済みです。その祐輔や父や、果ては祐輔の会社の手まで借りて母に対抗しようとしましたが太刀打ちできませんでした。けれど、母親は“太刀打ち”していません。歌織が脳内母親に負けているのです。『また、(歌織本体が脳内母親に)やられてしまうという恐怖心』を持っているのは、「かおりちゃん」でしょう】

遺族には、この事件までお会いしたことはありませんでした。
【祐輔という道具を手に入れただけで、“結婚”ではありませんでしたから。】

でも、どれだけ自分たちの生活について、相談したいと思ったか分かりません。
【母親&代理母親に苦しめられている生活について知ってもらい、味方になって欲しかったのかもしれません。けれど脳内母親を裏切れるはずもありませんから、その後の、祐輔が言ったという会えなかった理由は、作り話の可能性があります。】

こんな形でしかお会いできなかったことは、心から申し訳なく思っています。
【こんな形でしか会えなかったことを詫びていますが、義両親の息子の命を奪ったことに対する謝罪はありませんでした】



<深層意見陳述ここまで>-----------------------------------------


歌織は、義両親に対して、なぜ息子の命を奪ったことに対する謝罪をしなかったのでしょうか。

ここで気になっていた証言を思い出しました。
検察側「いつまで三橋の姓を名乗っているのか」
歌織 「わかりません」
検察側「(三橋姓について)遺族の気持ちを考えたことは」
歌織 「そこまでは申し訳ないが…」

驚くべし、歌織は三橋姓を名乗り続けるつもりでいるのです。
それは、もはや母親の胎内世界に戻りたくない意志を示しているようにも思えます。が、もうひとつ・・・


あぁ、歌織は、祐輔を自分の中に取り込んだんだなぁ、と思いました。

この世で唯一の救い主となった祐輔
母親への盾ともなる祐輔
既に、自分の背骨の一部となっていた祐輔

アイテムからアイドルとなり、
自分の人生を歩く上で必須の存在となっていた祐輔

その祐輔が他の女性と再婚するなど許さない。
殺してでも手放さない・・・そう、思ったのではないでしょうか。



歌織が、自分の中にある祐輔へのこの思いに気づくことが出来ていれば・・・



母を神とした第一の脚本、
自分を神とした第二の脚本がともに潰え、
この世に行き場を失ったとき、

歌織は、これから一人で生きていくために、
祐輔を自分の中に取り込んだのかもしれません。






関連記事
 
Comment0  |  Trackback0
 
 

Trackback

 

Trackback URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 
 

Comment

 
    
 
Home | Top ▲
 
はじめにお読み下さい
 

読まれる上での留意点
自分を取り戻す方法総目次
*全記事リンクフリーです

 
ブログ内検索
 
Google

Web このブログ
 
会場でお会いしましょう(^^)
風化させまいカレンダー
 
 
著作
記事・インタビュー他
わが子を守るために
写真/動画集はこちら↓
 
アルバム(flickr)
アルバム(フォト蔵)
YouTube

・写真はアルバムページに飛ぶようにしてあります。
 
お問い合わせなどあれば↓
 

名前:
メール:
件名:
本文:

 
ブックマークに追加
 
 
月齢
 
Today's Moon phase
 
↓このパーツを設置すると14本の苗木を植えられます
QRコード
 
QRコード