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お伊勢参り5―伊勢神宮内宮~風日祈宮と神風と枕崎台風

2014/12/23(Tue) Category : 神社・寺・城・歴史
【伊勢三宮+熊野三山の旅】

夫婦岩で荘厳、雄大な太陽と雲と海のスペクタクルを堪能し、朝食後、荷物を預けて二見浦からバスで内宮へ。10:30頃に入り口に到着~。

伊勢神宮内宮1
伊勢神宮内宮1 posted by (C)Hide


宇治橋鳥居でお辞儀して、いざ中へ。

伊勢神宮内宮2 宇治橋鳥居
伊勢神宮内宮2 宇治橋鳥居 posted by (C)Hide


神苑の見事な松を見ながら、テクテクと、着きました五十鈴川御手洗場。

伊勢神宮内宮3 五十鈴川御手洗場
伊勢神宮内宮3 五十鈴川御手洗場 posted by (C)Hide


澄みきってるよね~。
写真ど真ん中にある石は、まるで蝶のよう。虹色に輝いています。

伊勢神宮内宮4 澄みきった五十鈴川
伊勢神宮内宮4 澄みきった五十鈴川 posted by (C)Hide


手を洗って、威風堂々の神楽殿へ。

伊勢神宮内宮5 神楽殿
伊勢神宮内宮5 神楽殿 posted by (C)Hide


さて、本来はここの主の元へ直行すべきでしょうが、足の向くままに寄り道。再び橋を渡って風日祈宮(かざひのみのみや)へ。

伊勢神宮内宮6 風日祈宮
伊勢神宮内宮6 風日祈宮 posted by (C)Hide


古くは、この川が五十鈴川本流とされており、この橋を五十鈴川橋と呼んだそうです。元寇(1281)の際に、外宮の風宮とここで祈祷し、神風が吹いて撃退。その12年後に「社」から「宮」に昇格したようです。

黒船来航(1853)後、諸国が日本を訪れるようになった1863年に、朝廷は風日祈宮と風宮で攘夷の祈願を行なったそうです。風神は、外的撃退の日本鎮護の神のようですね。


神風=台風が元の大軍を海に沈めたわけですが、台風と言えば不思議に思ったことがあります。311の後の台風で、まるで居座るかのように列島をきちんとじっくりと縦断していった雨台風がありました。あたかも洗車機のように列島をすっぽりと覆い、放射能という汚れを大量の水で洗い流しているように思えました。

この台風は、とても不思議な動きをすると思い印象に残りました。イメージで言えば、紙の上の鉄を紙の下から磁石で動かすことができますが、丁度そんな感じに、何者かが列島に沿って台風を動かしている感じ・・・

元寇時のカミカゼがあったのであれば、他にもそのようなことがあったのではないかと原爆後のことをちょっと調べてみると、驚きました。

あったんです。





それは次の本「死の同心円」に書かれていました。原爆が落とされた長崎で、ないないづくしの中、「玄米と味噌汁」を頼りに必死に治療に奔走した医師―秋月辰一郎さんの手記です。




8月9日に原爆が落とされた長崎に、9月2日と3日、「こんな雨は珍しい」という大豪雨が襲いました。板やトタンで建てた掘っ立て小屋も雨に流され、大火傷を負った負傷者達も『骨の髄までびしょ濡れ』になり、『身体の底まで雨に打たれてしまった』のです。(以下、部分抜粋します)

“「俺たちをどうしようというのだ」
「このうえ、水攻めにするのか」
私も天をあおいで怒鳴った。
まったく火攻め、水攻めの地獄苦であった。
「いい加減にしてくれ。これ以上苦しめる気か」”

と、怒った秋月さんでしたが、“なにか”違うことに気づきます。

“「すこしちがっている。たしかに、なにか気分が違うぞ」
私は足元の地面や周囲の丘を見まわして、大きく空気を吸い込み、何度もそうつぶやいた。なにかさわやかである。すがすがしいのは快晴のせいばかりではない。胃のあたりのむかつきが、スッと消えている。
「これは世界が違うぞ」”


そして、秋月さんは『身体で感じた』ことを言葉にします。

“「ああ、洗い流されたのだ。毒が流れたのだ」
私は、思わず声に出して言った。”



天の無情を恨んでいた秋月さんは、大雨の違う側面に気づきました。

それからわずか2週間後の9月17日に、再び、いえそれ以上の台風が襲来します。室戸台風、伊勢湾台風と並んで昭和の三大台風のひとつに数えられる枕崎台風です。死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人(byWiki)という甚大な被害を出し、『原爆の惨禍に追い打ちをかけた』無情の台風と思われています。

窓枠も窓ガラスもない病院。逃げ場は地下の霊安室しかありませんでした。この時の避難状況は凄惨を極めます。
『難破船の船室で荒波をかぶっているような錯覚』が起きるくらいの『天の底が抜けたかと思うほどに莫大な』雨の中、『寝返りひとつにも、血の涙を流す患者』を避難させなければなりません。抱きかかえて担架に乗せようとするだけで悲鳴を挙げ、少しも動かすことが出来ません。けれど、急がなければ激流にのみ込まれるだけです。

“「立てッ!自分で起きろ、自分で立て!」
「ダメです。先生、助けて・・・」
「自分の力で立つんだ、立てッ!」
患者は、さぞかし私のことを残酷な医者だと思ったことだろう。叫びながら、私は無念の涙で顔をぐしゃぐしゃにした。自分で立て、自分で歩けという無茶な命令は、じつは患者に対する叫びばかりではなかった。国からも、県からも、だれからも救援を受けられない一人の医師として、今にもくじけそうになる自分への叱声であった。”


こうして、『指一本触れても泣いて痛がった』患者達が『おずおずと動き始め』たのでした。

地獄そのものの苛酷な環境の中で、『自分で立て!』
まさに、相談者の方々と重なってきます。

「天主の試練もひどすぎる。もういいかげんにしてくれ」

と心の中で叫んだ秋月さんでしたが、台風一過の翌日のこと―

“私も他の被害者たちも、一様にすがすがしい気持ちを味わった。9月2日の豪雨の後に経験したと同じものであり、さらにそれ以上のさわやかさであった。”

“急に死の灰の圧迫が軽減したことは、紛れもない事実であった。
もし日本が、ネバダ州やアリゾナ州のような砂漠や荒野で、雨量が少ないところであったら、はたしてどうであったろうか。日本の台風はありがたい。”


そして、

“この台風を境にして、急に病院付近の死亡者数が減少した。私をはじめ職員たちの悪心や嘔吐、血便も回復した。頭髪も抜けなくなった。”

“この日は原爆投下後40日であった。被爆後40日にして、被害はくいとめられたかのようだった。この日以降、私たちは死への道から、生への道に転じたのだった。”



天を台風を恨んだ秋月さんは、こう書いています。

“原爆の後に吹き荒れた枕崎台風こそ、被爆地の人々にとっての神風であった。死の灰という二次放射物質から、かろうじて生き残った被爆者たちを救ったのである。”

さらに、人の心も救いました。

“「俺も死んでいく、遠からず、きっと・・・・」
という日々の恐怖が、この台風が去るとともに人々の胸から薄らいでいったのである。”






皆様は、どう思われるでしょうか。

すべての系は自浄作用を持つと思います。
生態系(大自然)も自浄作用を持つでしょう。

しかもそこに、意志が働いているように思えるのです。
意志を持つかのように思える大自然の威力―それを古来、「神」と呼んだのではないでしょうか。

そして、大自然が守るのは大自然です。人を守るわけではありません。
だから、放射能という生命にとっての毒を洗い流すために徹底的な風雨になります。けれど、それが人を生かしているわけです。

ここにはっきりと現れていますね。
自然を守ることが人類が生き残る道なのだ、と。
原発文明は、廃棄していかなければならないと。

人類も、自分たちが生態系の一員であることをしっかりと再認識しなければなりません。本来人は、大自然を効果的に守る「庭師」としての役割を与えられているのだと思います。


ともあれ、
原爆爆発後の放射能を洗い流してくれた枕崎台風、そして
原発爆発後の放射能を洗い流してくれた台風に感謝です。

級長津彦命(しなつひこのみこと)、
級長戸辺命(しなとべのみこと)、
男女二柱の神に御礼申し上げます。




<続く>





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