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「ちはやふる」感想(下)―若宮詩暢

2016/05/07(Sat) Category : TV.本.漫画
前記事に引き続き、思い入れの記事です ^^;)

妖艶で圧倒的な強さを見せるクイーン若宮詩暢。
とはいえ「しのぶちゃん」といいたくなるキャラ。

この漫画の登場人物は、それぞれに親を背負っているけれど、詩暢もまた同じく。

子どもは幼児の頃から家族の権力構造を把握しています。そして、その権力構造の中で母親を守るために動きます。

詩暢の祖母は政治家。目的のために自分を道具にし、人を道具にできるキャラでしょう。我が子詩穂も優秀な子を産む道具として育てたのでしょう。

孫を手に入れるために子を結婚させ、離婚させるというパターンは、まま見られます。その場合、親Aが子Bの見合いなどのお膳立てをすることもありますが、無意識に任務を背負っている子Bができちゃった婚その他で結婚し、孫Cが生まれて後折り合いが悪くなって離婚し、実家に帰るというパターンもあります。

離婚に至らずとも、BがCをつれてしょっちゅうAの実家に帰ったり、夏冬休みなどの長期休暇は実家で過ごさせたり、実家Aの敷地内や近くに家を建てて住んだり、Aを呼び寄せて同居したり・・・いろいろな形はありますが、いずれにせよBは「Aの子」のまま生き続けており、「Cの親」になることはありません。

そういう構造の中で、Cは自分の方を見てくれない母親Bに不満を持ちますが、一方で、その母親Bを守るために権力者Aの意向に沿おうともするわけです。

祖母(A)に支配されている母親(B)の多くは、子ども(C)が自ら実家に生きたがったり、祖母に会いたがったりするように思っていますが、そうではなく、母親の無意識の意向に沿って動いているのです。
それが証拠に、母親が自律に向かい始め、祖母の支配から離脱し始めると、母親を守る必要がなくなった子は自分の道を歩き始めます。



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若宮家も、祖母が「頭」で、母親はその「手足」でした。
詩穂は“機能”として生きており、母親になることはできません。
詩暢は、それを肌で感じています。

『お母さんとはなんや
 家族って感じせーへん
 かるたの札の方が家族みたいや』

そう言いつつも、離婚して稼ぎのない肩身の狭い母親をかばおうとしています。母親の言うことは一切聞かないように見えて、「スノー丸グッズは月2個まで」という制限はきっちり守ってますしね。

そして、健気にもバイトもしようとトライしますが、そこでは「かるたクイーン」の肩書きは何の効力もないことを思い知り、重荷を背負います。

『ほんまクイーン戦に負けたら、何も残らん・・・・』

無敵なのではなく、無敵にならざるを得なかったわけです。
周防名人が、詩暢のことを「努力の人」と言った意味がわかります。


また、かるたに賭けたのは、祖母が目をかけてくれたからでした。この辺の境遇はライバルの新とよく似ていますね。新と同じように「おばあちゃんのため」にかるたをしている部分は、名人戦で大振り袖の着物を着たところに現れました。

クイーン戦に負けたら何も残らない、絶対王者であり続けなければならない―にもかかわらず、おばあちゃんが選んだからという理由だけで、重い大振り袖の着物を着て臨んだわけです。(この時に無意識に詩暢は、母親と祖母を背負っています)

この重い着物は調子を狂わせ、息も上がってきます。その上がる息の中で見えた千早。自分を見守る人がいてくれたことに詩暢は力を貰います。

けれど、祖母の本質を知る母親の言葉に詩暢は打ちのめされました。
『あの人は政治家で、あんたはきれいな看板や』

・・・母と子の関係と、祖母と孫の関係は違います。前述のA,B,Cの例で言えば、BにとってAがハラッサーであったとしても、AがCに何もしないことによって、CはAに「受け止められた」と思う場合があるからです。

母からの愛を得られなかった詩暢は、祖母に期待を託したことでしょう。その期待を母親は無残に打ち砕きました。期待をはぎ取られて初めて詩暢は、“現実”に気づきます。

『おばあちゃんの言葉に暖かさがあったことなんかない』

絶望の淵に立ったときに、やってきたのが千早でした。喜ぶ詩暢。
けれど、うっかりしゃべった千早の一言が、かろうじて崖っぷちに立っていた詩暢を絶望の底に突き落としました。

『なんもない』

そして、ついに初黒星を喫した中で、魂は叫びを上げます。

『一人になるほど強いんやったら、うちは今、最強やないんか!』


痛々しい状況でした。(それにしても・・わずかな時間の間にジェットコースターのように変貌する若宮詩暢の表情。よく描いたなぁと思います)

どん底にいる詩暢を救ったのも、千早でした。
襷を掛けて、背中をドンと押して送り出しました。まるでお母さんのように。

嬉しかったろうなぁ、詩暢ちゃん。
千人力の力を得て、落ち着いただろうなぁ。

言葉はいらない。
行為と笑顔が力を与える。
つくづく、そう思いました。



後でわかることですが、その襷は、千早へ送られた仲間のエールが書かれた大切なもの―それを裂いて作ったもの。その“仲間”の力が千早から詩暢へ。

千早も、自分が救われたから、それを詩暢にすることができたのでしょう。仲間であろうがライバルであろうが、関わり合う人間関係の中で互いを救い合い、高め合っていく―上昇を描いていく螺旋、素晴らしいなと思いました。



「団体戦はかるたを好きではない人がやることだ」と言っていた詩暢。
それは誰に言っていた? 脳内母親でしょう。

毎年楽しみにしている鳥人間コンテスト。
それこそ、まさにチームの結束力が試される団体競技です。

それが好きなのは、人とつながり、力を合わせたいからではないか。
母と祖母という重荷を下ろして、鳥のように羽ばたきたいからではないか。

誰だって本当はみんなとつながりたい。
けれど禁止令でそれができないから強がりを言う。

詩暢のかるたを見て、桜沢翠は思います。

『若宮さん あなた どれだけ札と戯れてきたの
 どれだけ孤独だったの』

その詩暢の殻も、チーム千早がぶち破っていくでしょう。



それぞれ親を背負った者たち

若い仲間の力で互いを頸木から解き放ち、

遙かに親を超えていけ!







【瀬戸麻沙美 「そしていま」】




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