白菊大神とは誰か2~おはぎとぼたもち、唐獅子牡丹に猪鹿蝶
2017/02/08(Wed) Category : 神社・寺・城・歴史
【石山寺を歩く】
●「おはぎ」と「ぼたもち」、萩と牡丹-----------------------
ところで、萩とくればオハギを思い出しますが、おはぎとぼたもちの違いが判然としませんでした。が、下記を見てビックリ・・・同じものでした。
・元和菓子職人が教える│「ぼたもち」と「おはぎ」の違い
漢字で書くと「御萩」と「牡丹餅」。
牡丹の季節は春。
萩の季節は秋。
つまり、全く同じものなんだけれど、
春のお彼岸(春分の日)に食べるのは……牡丹餅
秋のお彼岸(秋分の日)に食べるのは……御萩
ということのようです。
これも凄いなぁ、と思いました。
これまでも感じてきたことですが、瀬織津姫を慕う大衆は、制圧してくる権力に対して庶民の知恵を用いて、生活の中に溶け込ませる形で姫の痕跡を残しているんだなぁと感じました。聖武天皇が物部神道を仏教の形で残したように。
同じ和菓子におはぎとぼたもちという異なる名をつけたことで、萩と牡丹は同じものを表しているよ、と暗示しています。つまり、萩が瀬織津姫ですから、牡丹も瀬織津姫ということです。
牡丹は中国原産で、日本に入ってきたのは遣唐使の頃。
「百花王」「花王」「花神」「富貴花」「天香国色」 「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」など沢山の名を持つ花ですが、「百花の王」と呼ばれる牡丹を見た日本人は瀬織津姫を連想したのでしょう(薬草ですし)。
●【追記】「三つ目のぼた餅」「三五日忌のぼた餅」--------------------
子が生まれたときに、「おはぎとぼた餅」の話をしたと妻から話がありました。が、ずいぶん昔で覚えていませんでした(^^;)。
子供が生まれて三日目に、母乳が沢山でるように「おはぎ/ぼた餅」を食べさせるという風習があるようですね。
また、三五日法要の時も「おはぎ/ぼた餅」を食べる風習があるようです。
「三」は瀬織津姫で三日目は「三日月」を連想します。
「三五」も「十五」=十五夜→「中秋の名月」(満月)で瀬織津姫です。
瀬織津姫は「子守り」(水分=“みくまり”からも転訛)の神でもあり、三途の川の渡し神(←いずれ書きますが)でもありますから、生誕と法要の両方で登場するわけです。まさに人の一生を見守る神ですね。
●唐獅子牡丹--------------------------------------------
「南総里見八犬伝」では、牡丹が獅子の力を押さえ込む霊力があることに着目して牡丹紋を八犬士の象徴としたそうですが、獅子(艮の金神)を抑える牡丹(坤の金神)―まさに平安京の結界と同じ考え方ですね。牡丹は金勝要大神ということです。
どういう霊力があるのか気になりましたので、調べたところ、「牡丹に唐獅子 竹に虎」という法話にたどり着きました。
それによれば、百獣の王獅子が唯一恐れるものは、表皮に寄生してやがて皮膚を食い破り肉に食らいついていくという「獅子身中の虫」。けれどこの虫は、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまうため、獅子は牡丹の花の下で眠るそう。つまり、獅子にとって安住の地が「牡丹の花の下」ということです。
そこに、友松円諦訳「法句経」の言葉が載っていました。
おのれこそ おのれのよるべ
おのれを措(お)きて 誰によるべぞ
よく調(ととの)えし おのれにこそ
まこと得がたき よるべをぞ獲ん
誠にこれ!って感じですね。
外に安住の地を求めようとも、どこにもありません。
大金を持って権力を握ろうが、大都会の真ん中にタワーを建てて最上階に住もうが、側近を親族で固めようが、国境に壁を築こうが、侵入者を規制しようが、それで不安がなくなるわけではありません。
自分が自分(インナーチャイルド)とつながってこそ、いえ自分自身が「インナーチャイルドが安心できる居場所」になってこそ、自分が居るところはどこでも「安住の地」になるわけです。
「獅子身中の虫」とは、自分が見ないようにしてきた「内なる不安や寂しさ」なんでしょうね。目に見えないそれから逃げ続けている間に、いつの間にか自分は乗っ取られています。自分の心から逃げず、その気持ちを受け止めたときに「安住の地」が訪れます。
●「猪鹿蝶」------------------------------------------------
ところで、紅葉は既に書いてますが、前記事で萩が出てきて、今回牡丹が出てきましたね・・・こう見てくると、花札の「猪鹿蝶」を思い出します。

絵札は、「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」です。
萩・紅葉・牡丹が全て瀬織津姫とわかりましたから、「猪鹿蝶」は瀬織津姫の御使いということになりますね。ヒョエ~、そういうことだったんかい。知らずにやってたよ。
鹿と猪・・「もののけ姫」を思い出しますね~。
(それに狼(大口真神)も出てたよね~)
「しし」とは「獣」を指し、またその「肉」のことも言います。そして食用に捕獲した2種を「いのしし」「かのしし」と呼びました。それが、猪と鹿です。
「もののけ姫」で登場した鹿に似た「シシ神」は命の神を表し、猪の長(山の神)である「乙事主」は「乙」+「一言主」の合成のように思えます。「山の神」「乙」「一言主」―これらはいずれも瀬織津姫ですね。(宮崎駿はじめクリエーターってすごいね~)
<続く>
【高倉健 「唐獅子牡丹」】
【米良美一 「もののけ姫」】
いずれの歌も、月が見守っていますね・・・
●「おはぎ」と「ぼたもち」、萩と牡丹-----------------------
ところで、萩とくればオハギを思い出しますが、おはぎとぼたもちの違いが判然としませんでした。が、下記を見てビックリ・・・同じものでした。
・元和菓子職人が教える│「ぼたもち」と「おはぎ」の違い
漢字で書くと「御萩」と「牡丹餅」。
牡丹の季節は春。
萩の季節は秋。
つまり、全く同じものなんだけれど、
春のお彼岸(春分の日)に食べるのは……牡丹餅
秋のお彼岸(秋分の日)に食べるのは……御萩
ということのようです。
これも凄いなぁ、と思いました。
これまでも感じてきたことですが、瀬織津姫を慕う大衆は、制圧してくる権力に対して庶民の知恵を用いて、生活の中に溶け込ませる形で姫の痕跡を残しているんだなぁと感じました。聖武天皇が物部神道を仏教の形で残したように。
同じ和菓子におはぎとぼたもちという異なる名をつけたことで、萩と牡丹は同じものを表しているよ、と暗示しています。つまり、萩が瀬織津姫ですから、牡丹も瀬織津姫ということです。
牡丹は中国原産で、日本に入ってきたのは遣唐使の頃。
「百花王」「花王」「花神」「富貴花」「天香国色」 「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」など沢山の名を持つ花ですが、「百花の王」と呼ばれる牡丹を見た日本人は瀬織津姫を連想したのでしょう(薬草ですし)。
●【追記】「三つ目のぼた餅」「三五日忌のぼた餅」--------------------
子が生まれたときに、「おはぎとぼた餅」の話をしたと妻から話がありました。が、ずいぶん昔で覚えていませんでした(^^;)。
子供が生まれて三日目に、母乳が沢山でるように「おはぎ/ぼた餅」を食べさせるという風習があるようですね。
また、三五日法要の時も「おはぎ/ぼた餅」を食べる風習があるようです。
「三」は瀬織津姫で三日目は「三日月」を連想します。
「三五」も「十五」=十五夜→「中秋の名月」(満月)で瀬織津姫です。
瀬織津姫は「子守り」(水分=“みくまり”からも転訛)の神でもあり、三途の川の渡し神(←いずれ書きますが)でもありますから、生誕と法要の両方で登場するわけです。まさに人の一生を見守る神ですね。
●唐獅子牡丹--------------------------------------------
「南総里見八犬伝」では、牡丹が獅子の力を押さえ込む霊力があることに着目して牡丹紋を八犬士の象徴としたそうですが、獅子(艮の金神)を抑える牡丹(坤の金神)―まさに平安京の結界と同じ考え方ですね。牡丹は金勝要大神ということです。
どういう霊力があるのか気になりましたので、調べたところ、「牡丹に唐獅子 竹に虎」という法話にたどり着きました。
それによれば、百獣の王獅子が唯一恐れるものは、表皮に寄生してやがて皮膚を食い破り肉に食らいついていくという「獅子身中の虫」。けれどこの虫は、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまうため、獅子は牡丹の花の下で眠るそう。つまり、獅子にとって安住の地が「牡丹の花の下」ということです。
そこに、友松円諦訳「法句経」の言葉が載っていました。
おのれこそ おのれのよるべ
おのれを措(お)きて 誰によるべぞ
よく調(ととの)えし おのれにこそ
まこと得がたき よるべをぞ獲ん
誠にこれ!って感じですね。
外に安住の地を求めようとも、どこにもありません。
大金を持って権力を握ろうが、大都会の真ん中にタワーを建てて最上階に住もうが、側近を親族で固めようが、国境に壁を築こうが、侵入者を規制しようが、それで不安がなくなるわけではありません。
自分が自分(インナーチャイルド)とつながってこそ、いえ自分自身が「インナーチャイルドが安心できる居場所」になってこそ、自分が居るところはどこでも「安住の地」になるわけです。
「獅子身中の虫」とは、自分が見ないようにしてきた「内なる不安や寂しさ」なんでしょうね。目に見えないそれから逃げ続けている間に、いつの間にか自分は乗っ取られています。自分の心から逃げず、その気持ちを受け止めたときに「安住の地」が訪れます。
●「猪鹿蝶」------------------------------------------------
ところで、紅葉は既に書いてますが、前記事で萩が出てきて、今回牡丹が出てきましたね・・・こう見てくると、花札の「猪鹿蝶」を思い出します。

絵札は、「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」です。
萩・紅葉・牡丹が全て瀬織津姫とわかりましたから、「猪鹿蝶」は瀬織津姫の御使いということになりますね。ヒョエ~、そういうことだったんかい。知らずにやってたよ。
鹿と猪・・「もののけ姫」を思い出しますね~。
(それに狼(大口真神)も出てたよね~)
「しし」とは「獣」を指し、またその「肉」のことも言います。そして食用に捕獲した2種を「いのしし」「かのしし」と呼びました。それが、猪と鹿です。
「もののけ姫」で登場した鹿に似た「シシ神」は命の神を表し、猪の長(山の神)である「乙事主」は「乙」+「一言主」の合成のように思えます。「山の神」「乙」「一言主」―これらはいずれも瀬織津姫ですね。(宮崎駿はじめクリエーターってすごいね~)
<続く>
【高倉健 「唐獅子牡丹」】
【米良美一 「もののけ姫」】
いずれの歌も、月が見守っていますね・・・