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本物の「家族信託」成立までの紆余曲折

2019/01/27(Sun) Category : 二世帯同居・介護
前記事の続きです】

家族信託は、例えば最先端医療を医者なら誰でも対応できるわけではないのと同様、銀行員、司法書士、公証役場の公証人なら誰でも相談できるという訳ではありません。
依頼したのは、KIKO司法書士事務所及びその司法書士小野紀子さんが取締役メンバーとなっているスリーナインコンサルティングでした。ここは、銀行や官公庁などの専門家に「家族信託」のレクチャーも行っているところでした。

最初に提供するデータは、父(委託者兼受益者)の資産(預貯金や不動産)内容、相続に関わる親族関係の家系図など。不動産の評価額は、役所から届く固定資産税納税通知書に記載があります。また実家を賃貸していますので賃貸契約書など。

この時に一番大事なことは、親族と十分に話し合っておくことです。結局親の資産をどのように相続するかという話になりますので、合意ができていなければ後々トラブルになりかねません。



■思わぬ伏兵:抵当権--------------------------------------------------

ところで、下調べの段階で、なんと不動産に抵当権が設定されたままになっていることが発覚。借金を払い終えた時点(35年前)で抵当権抹消登記をしていなかったのです。
この一連の手続きだけでも、S53年以降、父が当地に来るまでの移転先の住所証明など、各地の市役所や登記事務所、関連会社や銀行などとのやりとりに1ヶ月半ほど司法書士さんにはご足労いただきました。もし父が亡くなった後にこういうことが発覚しててんやわんやすることを考えただけで大変。ホッとしました。



■庶民を向いてない金融機関--------------------------------------------------

さて、信託口口座を開設してくれる金融機関探しですが、銀行、信託銀行、信用金庫など八方手を尽くして探してくれました。が、3000万円以上の資産がなければ扱わなかったり、その銀行からアパートローン等の借り入れをしていることが条件だったり、既に取引を行っていることが条件だったり…庶民にはまだ開かれていないことがよくわかりました。



■信託銀行もアウト--------------------------------------------------

5月中旬、とある信託銀行が信託口座を開始したという情報をコンサルタントが入手。先方に問い合わせたところ、まだ未公開なのにどこから情報仕入れたのか?と困惑していたそうで、なかなか返事をもらえず、ついに本部へ行って聞いたところ、億単位の取引相手しか対応していないとのこと。費用対効果の面で信託銀行でさえ対応は難しいようです。



■証券会社はどうか?--------------------------------------------------

そこで、証券会社で信託口座を作ってはどうか、という提案がありました。
「MRF」(エムアールエフ)と呼ばれる金融資産(1MRF=1円)で民事信託対応口座が作れるとのこと。「MRF」とは、預金者の資金を元に証券会社が勝手に運用する口座で、これまで元本割れはないため銀行預金のように見なされるようです。

8月にコンサルタントが当該証券会社本部に出向いて確認したところ、信託口座を開設できるものの、その口座へ委託者以外からの振り込みができないことが分かりました。つまり、賃貸料の入金ができないのです。これでは、不動産信託が成り立ちません。

ならば、いっそ実家を売却して不動産信託をなくすかという線も考えましたが、賃貸者の方が当面入居する意向を確認したため売却の線はなくなりました。

一方で、母が亡くなって半年を過ぎ、ガクンと一段落ちるかのごとく父のもの忘れが激しくなってきました。そのように加速するとは思っていませんでしたので、公正証書の作成までは認知症になってもらっては困るぞ、とやや焦る気持ちもありました。



■最後は既存制度の組み合わせ--------------------------------------------------

とはいえ、家族信託は浸透していません。こうなってくると「金融資産と賃貸不動産の管理継続、凍結回避」の目的のために、「任意後見」(認知症発症後の口座管理)+「建物贈与」(賃貸物件管理)+「遺言作成」(土地→賃貸の継続)でしのぐしかないか、という案が出てきました。

コンサルタントの方は家族信託のパイオニアとして道なき道を草をなぎ払いながら進んできたけれど、預金1000万円以下の我々庶民は無理という壁に阻まれて、結局、既存制度の組み合わせで認知症に備えるしかないか…というところに辿り着いたわけです。いわば、矢尽き刀折れたのが9月でした。



■起死回生のオリックス銀行--------------------------------------------------

ところが、10月―朗報が飛び込んできました。オリックス銀行が家族信託を始めるというのです。オリックス銀行はオンラインバンクですので直接現金の引き出しはできず、一旦他行へ振り替えてそこから現金を引き出すという若干の不便はありますが、賃貸収入の入金はできる―なんと言っても「完全な家族信託」ができますので、一も二もなく進めて頂くことにしました。

その後、銀行での審査が通り、12月に公証役場で公証人の下、家族信託契約を結びました。公証人にもいろんな方がいらっしゃるようですが、コンサルタントと公証人の方の信頼関係があるのがよく分かり、それがスムーズに進んだ要因でもあったでしょう。

そして12月も押し迫った頃に、オリックス銀座プラザ「ORIX BANK GINZA PLAZA」で口座開設を行いました。口座開設はパソコン入力で行うのですが、信託口座の名義の入力は独特なので、隣で指示して頂きながらやらなければ分からないだろうと思います。

年が明けてカードが届き、郵貯からオリックス口座への資金移動を行いましたが、郵貯の方も「家族信託」を名前以上に知らず、過去扱ったこともなく、結局、父を連れて資金移動を行いました。

やれやれ、10ヶ月の紆余曲折の末、やっと父の資産を信託口座に移管できたわけです。ホッとしました。実家の土地建物については、コンサルタントが「信託による不動産所有権移転登記」を行いました。

これで父の資産の管理を私ができるわけで、将来的に父が認知症になっても滞るものは何もありません。ホッとしました。






コンサルティングの総費用は100万円ほどかかりますが、私はお金は次の2つの目的で使っていますので惜しくはありませんでした。

1.心の安心のため(後顧の憂いなく必要なことに集中するため)
2.専門家の育成&相互に知見を深めるため

1 懸念事項をどこかに置きながら生きることは、目の前のことに集中できないのでもったいない。なかなかできないことですが、毎朝気がかりなことがないゼロの状態でスタートできることがベストであり、1日が何をするにも自由な空白であるからこそ、何が起こっても全力で向き合えるわけです。


2はわかりにくいかもしれませんが、会社時代に組織改革を行ったときに感じたことです。組織を変えるわけですから当然巨大な抵抗勢力がいます。そこで大事なことは組織のトップ(本部長)とプロジェクトリーダー(私)とコンサルタント(外部勢力)の三者がポリシーを一にして緊密に連携を取っていくことです。けれど、数年かかる組織改革にきちんとコミットしたコンサルがそうそういるわけではなく、一緒に創発しながら経験値を積んでいくわけです。

お金はコンサルに支払われるわけですが、相互に知見を深めていくことが出来、最後は組織改革が成るわけですから万々歳でしょう。それに、日本にそういう経験値を持った人材を育成できることになりますので、その費用と思えば安いものです。


ともあれ、ホンモノの「家族信託」は使える制度です。高齢化に向かう日本社会にとって必須のインフラとなるでしょう。ちゃんとした家族信託ができる金融機関に私たち庶民の資金の移動が起きるようになれば、塵も積もれば山ですから、腰の重い大手金融機関も動かざるを得なくなるのではないでしょうか。

郵貯さんなど全国区なんだから、「家族信託」を始めたら「庶民の味方」として再認知されると思うんだけどね~。




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