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「長いお別れ」 3.麻里の人生脚本

2019/07/19(Fri) Category : 映画
【「長いお別れ」に見る家族問題】

心配性の母親から問題児が育つカラクリ(麻里)--------------------------

さて、「姉の方には心配をかけ」と妹が言っていた言葉から、麻里は心配のネタを提供する人生を歩むんだろうなぁと推測しましたが、実際、麻里は米国社会で引きこもり、夫とは不和で、息子も不登校になっていき、バラバラの問題家族になっていましたね。なぜ、そうなったのでしょうか。

まず、妹があのように言ったということは、妹はその心配をあまり聞いていないということです。しかも、それを姉妹に使い分けていることまで見えていますから、曜子が心配ネタを手段として使っていることが見えているということ。そして、ここまでやってこられている現実があるわけですから、さほどな心配ではなかったことが分かっているということです。

では、どういう方向のどの程度の心配だったのかは、麻里がどういう夫を選んだのかで見えてきます。というのも、先の記事の通り、人は自分が脚本で生きていることを脳内母親に見せるために生きており、その「見せ場」作りに最適な人を選ぶからです。

麻里が選んだのは研究一筋、真面目一本の堅物男性でした。とはいえ、仲間とは社交もできているわけですから、そういう側面を引き出すこともできたはずです。が、夫婦間では没コミュニケーションで冷え切っています。

この在り方の雛形が、若き日の両親の姿だったのかもしれません。というのも、「お父さんとお母さんのようになりたかった!」と叫んだシーンがありましたね。つまり、父親に似たタイプの夫を選んだと言うことでしょう。

(尚、脚本脳は都合の悪い事実を消し去ります。「両親が理想だ」という相談者の方も多々いらっしゃいました。が、記憶が蘇ると修羅の家庭だった方もいらっしゃいました。日常的に凄まじいシーンは全て消されていたので、本気で“理想”と思っていたのです。)

実際、長女が曜子から心配事を聞いたとして、あるとすれば昇平のことでしょう。が、仕事一本の堅物そうな人であり社会的地位もお金も問題なさそうですので、出てきそうな心配は次のようなことが想定されます。
・仕事三昧で体が心配
・家でも書斎にこもりきりで会話がない愚痴
・妻子に注意も向けない嘆き、文句

つまり、こういう愚痴が言えそうな人を選ぶわけです。このような“素養”を持つ人は沢山いるでしょうから、あとは妻が家事や子供達を囲い込んだり、夫を微妙に疎外していくことで、ますます夫をその方向に仕向けることはそう難しいことではありません。(←夫の脚本もそれを利用しますし)

加えて、子供に話すときは演出が入るでしょう。後の場面で出てきますが、曜子はちょっと相手が引くような大袈裟さを持っており、夫に対する心配をそのオーバーさで長女に話せば、長女は話されている中身と表現のギャップにビックリするでしょうが、母親に幻滅したくないのが子供ですので、無条件に表現(虚構)に合わせます。そして、その虚構に合わせて「お母さんはお父さんのことで大変なんだ」と理屈で解釈するようになっていくわけです。

何故理屈で解釈するかというと、実感は「そこまで言うほどのことじゃないよね」とか「本気なら働きかけているよね」など違和感や矛盾を感じているからで、自分を納得させるために自己説得のための理屈を自分が考えなければならないからです。

そういう操作をしていることを麻里自身が無意識にわかっているので、アメリカに電話がかかってきたときも、具体的に訊かないわけです。もし訊いて電話で解決できる程度の心配事であれば、アメリカを出る理由がなくなってしまうからです。

つまり、子供は無意識では「母親の虚構」の薄っぺらさを知っており、けれどその次元でなければ母親と繋がることができないので、事実確認せずに「母親の虚構」に合わせて生きているわけです。


一方で、このようにして娘は針小を棒大に言ったり、些細なことで深刻になったりという“在り方”を母親から体で学んでいきます。例えば、眉間にしわを寄せたり、タメ息をついたりしてみせるだけで、場の空気を悪化させることができますね。(つまり、人間関係や夫婦仲、家族関係をいつでもダメにできる意識の持ち方、表現の仕方を体得するということです)

同時に、子供の無意識は「お母さんは心配したいんだ」と解釈しますので、今度は自分がそのお母さんの話中の人物になるためには、心配なことをし続ければいいわけです。で、その手法は体得済み。これが、心配性のお母さんから問題児が育つカラクリです。


まとめてみましょう。
・心配性のお母さんの視界の中に入るには自分が心配される対象になることが必要。
・夫の苦労を誇る母親を認めさせる(超える)ためには、家族(夫+子)の不幸を見せなければならない。
・脚本は、上記のように不幸を目指して進んでいくが、望んでなる苦労は苦労でも不幸でもないので、表層意識は“望んでない”ことにしておかなければならない。それを表現したのが、「お父さんとお母さんのようになりたかった!」という言葉で、この言葉は「自分が望んで不幸になったのではない」アリバイとしての証拠物件。脳内曜子に、自分は望まず不幸になったと見せるための布石。
・そして、実際は体得した“在り方”で、自ら家庭のバランスを崩していき、問題の家庭を作り上げる

という流れです。こういうことが腑に落ちてくると、皆様自分の力の“凄さ”に気づかれます。





問題児の子供(孫)が問題児になる理由(崇)----------------------------

このように麻里は脳内曜子にみせるための脚本人生を生きている―言い換えれば、「曜子の子」として生き続けており、「夫の妻」にも「子の母」にもなるつもりはありません。私はこれを「母親一神教」と呼んでいます。まるで神に仕える修道女のごとく、脳内母親に忠誠を尽くして生きているからです。

それが現れているのが、母親からの電話一本で日本に向かう姿です。この姿をアメリカの現家族から見ると、現実の生活を無視して詳しい事情も告げずに行くことは、「私は無条件に母をとるよ」と宣言されているのと同じ。

特に子供から見ると、母親から見捨てられた淋しく悲しい思いになるでしょう。けれど、母親から見捨てられていると思いたくない子供は、まずこの実感を封じます。そして、こういう事態が起こっても母親と一緒に行けないのを“自分のせい”にできるように、何か手がかかったり集中できるものを用意しておき、「自分は用事があるから行けない」という理屈を装備したり、母親にも事情があるんだろうとものわかりの良いいい子ちゃんぶったり、いろいろ“工夫”するわけです。

けれど子供のそういう“工夫”など母親にはどうでもいいことで、このケースで言えば、まさに出ていくときこそが、「脚本麻里」にとって「脳内曜子」に「私は現家族とは繋がっていないよ」「お母さん以外とは繋がらないよ」という姿を見せる絶好のチャンス(見せ場)なので、現家族に事情も告げずに出る必要があったのです。

子供が不登校になっていくのも当然でしたが、それさえも曜子にネタを提供することになるのでOKです。(これは無意識脚本レベルの話で、表層意識では悩み苦しみます。そうでなければ「心配のネタ」にならないからです)





「脳内母親」のために実際の母親も利用する(脚本麻里)-----

もう一つ、この場面で留意して欲しいのは、表層レベルでは「曜子のために麻里が行動している」のですが、これに無意識レベルを絡めると次のようになります。

曜子から電話を受けて、脚本の見せ場ができると瞬時に判断した「脚本麻里」は、あえて事情を聞かず、現家族も尊重せずに帰国するという(演出)行動をした。

つまり、曜子からの電話はきっかけに過ぎず、「脳内曜子」に見せるための行動をしたということで、実母の曜子さえも道具にしているということです。

繰り返し述べていることですが、自分(脚本)が従っているのは、あくまで自らが作り上げた「脳内母親」であり、そのために実際の母親も道具に使っているのです。







【CHEMISTRY 「Dance With Me」】





<続く>



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