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栗山監督と侍ジャパンが日本人と世界に示してくれたもの

2023/03/28(Tue) Category : スポーツ
WBCは、3/11のチェコ戦以降かじりつきで見ていた。
ときに「振魂」(ふりたま)をしながら応援w
(私は左利きなので、左手を上に置いた方がやりやすいです)

準決勝メキシコ戦は、たまたま5歳の孫と2人。
孫は何やら工作などしていたが、「サヨナラ~!」の絶叫中継と共に私も躍り上がり、孫とハイタッチ。孫も大ニコニコで、私をよじ登って一緒にダンスw

3/22の日米頂上決戦もドラマを超えたドラマと言うべき展開。
最後の最後にこの対決がくるか!という神仕組み。
打ち取った瞬間、グローブと帽子をぶん投げた大谷の姿に、支え合って闘い続けてきた万感の思いがこもっていてスカッとしたなぁ…。





あれから早1週間。
メディアの報道熱冷めやらず、記事やインタビューを見るごとに、自分の思い(利己)とチームのために今なすべきことは何かという思い(利他)の中で、本当に全関係者の気迫と献身、実現するための配慮と努力を、全員が持ったが故の総合力の勝利と感じた。

切り込み隊長 ヌートバー
繋ぐ      近藤
ユニコーン  大谷
クラッチ    吉田
乗り越えた  村上
咆哮した    岡本
トリプルスリー山田
守備職人   源田
韋駄天    周東
献身      山川
全員MLB越えの投手陣
チームに交流と一体感=チームワークの礎となったダルビッシュ
大谷と練習する間もなく、クローザーとしての大谷の球を受けることになった捕手たちも凄い。

夫々の姿や場面が思い浮かびます。



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試合前の掛け声はとても大事だと感じた。
残って引きずってしまう言葉もあれば、払拭してスイッチが入る言葉もある。
臨戦態勢に持っていく語氣も大切。
素晴らしかったのはヌートバーと大谷。

特に決勝時の大谷の声がけは見事!
憧れ=劣等感情を払しょくした上で、力強い「さ行こう!!」
意氣上がるよね~。

この背景として、
『日本の合宿の時から、ダルさんが「絶対このチームはアメリカの選手だったり、メジャーの選手に負けてない。絶対、何も劣っている部分はない」ってずっと言ってくれていたので、そういう部分で、すごくみんな自信を持って、試合に臨めていたと思います』というダルビッシュの力も大きい。



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大谷の闘志むき出しに鼓舞する姿も目に焼き付いた。
「ショウヘイがあんな風に感情を表に出すときはどんな時もマジな時だ。だから、僕らダグアウトの誰もが彼を見て闘志に火が付くんだ。今日もそうだった」―ほんとその通り。そういう姿を見て、岡本の咆哮も出たのだろう。

孫が大好きなアナ雪をカラオケで歌う時、ポーズ入りでひたむきに歌っている姿は、何かが降臨しているのかと思うくらいゾーンに入っていますが、その姿を見ていると大人も負けていられないと火が付きますw。
気持ちと共にある人の姿は、勇気を与えてくれます。



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小指を骨折しても出続けること以外眼中になかった源田の姿も、皆を鼓舞しただろう。

『「監督、指が完全に横向いてます」と言われました。それなのに、痛み止めを飲んでバーっと行くんですよ。その魂というか。それはもう本当に感動しました。次の日に、僕が外そうと思って、源ちゃんと話したんですけど、「いや監督。本当に、このWBCに全てをかけます」と。ある程度プレーもできることも確認できて。僕は「源ちゃんでかける」って思いましたし、他の選手全員もそうやって思っていました。』

スラムダンクの花道を思い出してしまった。

それを応援してくれた球団も素晴らしい。
『球団も「ゲンちゃんの意思を尊重するよ」って言ってくれました。「途中で抜けたら、多分一生後悔するだろう」って。本当に感謝しています』



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ヌートバー、大谷、源田などが気迫ある姿勢で牽引したプル役とすれば、背を押すプッシュ役はダルビッシュや山川だろう。

ダルビッシュが世界一の理由に「チームワーク」を挙げたそうだが、とかく使命感・責任感でガチガチになりがちな日本人にとって、『「野球を楽しもう」というマインドをチームに浸透させたダルビッシュの貢献度は計り知れない』と思う。

『最後、ダルに「本当に申し訳ない。自分の調整もできなくて、本当に苦しかったよね。勘弁してくれ。ただ、本当に日本の野球のためになった」と謝りました。そこまでやってくれました。』という栗山監督の言葉にダルビッシュの貢献が尽くされていると思う。


その栗山監督が、チームにキャプテンを置かなかったという仕掛けも凄い。
『雰囲気がいいのは、僕じゃないですね。選手同士が1つにまとまるということが一番大事で、それが、うまくいかない時に監督が手伝うというふうにしか思ってない。僕がということは、本当にないです。バランスよく選手たちが、役割を果たしてくれて、選手が1つになってくれたというのは実感しています』と栗山監督は言うが、キャプテンがいないことにより、全員がキャプテンの心構えを持った。


山川は試合に出られなくても『「早くストレッチしたいんですよ」。練習にいち早く姿を現す理由はシンプルだ。「最高の準備をした状態で試合に入れば、いい結果が必ず出ると信じている。あたふたした状態で試合に入ると後悔することが多くて。準備して結果が出なくても、後悔することもない」。侍ジャパンでも西武でのスタイルを貫いた。』
『「野球を続けていると、苦しいことも悔しいこともいっぱいありますけど、乗り越えれば最高の瞬間が味わえると改めて感じさせてもらえた」とWBCでの経験を回顧。』



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何とかしてくれるという気持ちになる近藤や吉田の安定感も凄かった。
対中国戦で、あわや顔面直撃の死球を受けそうになりつつ落ち着いていた吉田は、まさに主軸の4番にふさわしい大人だった。自分の持ち味を発揮して、大会新(13打点)となる打点王になった。

一方、大谷の凄さを目の当たりにして『村上くんの表情を見ていたら、ひとりだけ怒って、イライラしている』(ダルビッシュ談)とライバル心むき出しになり、自分のペースを崩したのが村上だった。

あの大谷さえもがバントしてビックリしたが、皆がチームのために「今」自分のなすべきことに集中する中、エゴに堕ちるとこうなるという姿を見せてくれた。
変な話、ついWBCを見続けることになったのは、村上へのヒヤヒヤ感もあったからだ。ガンガン打っていれば無敵の侍ジャパンとなって心配がなくなり、見ない試合もあったかもしれない。

1次リーグの間不調だったので、村上が復調しなければ順々決勝以降苦しいぞと思いつつ見ていた。で、まさに準決勝でメキシコに追い詰められる。そのピンチ&チャンス(危機)の場面で、村上の登場だ。いろんな思いがよぎったが―

冒頭に書いた「サヨナラ~!」の絶叫中継!
中居君が「おはようございます」と思わず言い、ほんと「やっと目が覚めたね~」と思わず口から出ていた。(中居君の「泥だらけのストッパー」にもしびれたが、この「おはようございます」にも思いがこもっていた)

『この時栗山監督と抱き合って、「遅いよムネェーーー」って、僕も喋ると涙出そうだったんでずーーっと「シャーーーーー」って言ってました』





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そして、この2日間、栗山監督の記事や生出演など見ていたが、これらの個性あふれる侍たちを率いた栗山監督に魅了された。

まず驚いたのは、大谷の二刀流を育てたのが栗山監督であったことだ。
物語は、なんとあの2011年の東日本大震災の頃から始まる。

花巻東高校でヒョロヒョロと背の高いピッチャーだった大谷。
骨端線損傷というケガを機にバッティングに比重を置く。

その高校球児を見たスポーツキャスター栗山は、大谷の才能を確信。
『「(投打の)どっちかに決められない」ということ。あれだけ打つ才能、投げる才能、どちらかひとつを消すことはできない。消せる人がいたら、大谷本人か、野球の神様しかいない。「バッター大谷」か「ピッチャー大谷」のどちらかを殺すって、野球界にとってダメでしょ。』

その後、日ハムの監督に抜擢され(抜擢したGMが凄いが)、大谷獲得にまい進する。
けれど、MLBを目指す『鋼鉄のような表情』の18歳少年の決意は固い。

が、栗山監督は『マイナーリーグの取材などに100試合くらい行かせてもらい、米国の現実を見てきて、(最初から)米国に行ったら壊れる可能性が高いという確信がありました。だから「(まずは)絶対、日本でやるべきだ。もし、僕が君の家族だったら、これが一番いいと思うんだ」と言った。頭のいい子だから、この意味をわかってくれるんじゃないかと信じていました。』

そして、ふるい落とすマイナーリーグの在り方と、育てる日本の在り方を両親に説明し、『日本で精神面やパワーに対抗する技術を確立』してからメジャーに行く道筋を示す。つまり、才能を獲得するのではなく、才能を大事に育てるためのプロセスの一つとしての日ハム入りを27ページの資料を使って示したのだ。

そして、『日本ハム時代、彼は野球界の宝だったので、とにかく壊さないようにという思いしかなかったですし、怖かったです。』『翔平とは、大丈夫なのかどうかをいつも確認していましたし、「大丈夫」という言葉でも、本当に大丈夫なのか、ちょっと何か感じている「大丈夫」なのかというのを、表情や言葉から読み取る作業を常にしていました。』―どれほど人(大谷)を大切にしていたのかがわかる言葉だ。



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これが「育てる人」の言葉だとスッとわかる。
私も、一人の人間を健全に育てることがなすべきことだと思っている。
それが人類の未来を拓くことになっていく。

1歳から脚本を歩き始める孫の軌道修正、そのための娘、妻へのフィードバック。孫を救えなければ、私が生きている意味はない。

人は心のありようが言動に現れるので、目、表情、仕草、癖、飲食、遊び、興味の対象、見聞きするもの、生み出すもの、色、音、体調、玩具の置き方、居場所、寝方等々、やることなすこと日常のあらゆることがサインなのだ。

それに気づいて行動すれば軌道修正できるが、気づかないまま放置すれば固化して「ニセ個」(ニセモノの個性:その人本来の個性ではなく、環境に適応した脚本個性)として生きることになってしまう。

なので、栗山監督の細やかさがよくわかる。
育てようと思えば、誰しもその人を細やかに観る。



それから、脚本は母親との関係性から作られる。(←いわゆる母源病ではなく、子が自ら母親の脚本世界に乗っかっていくからです。母親は「母体」(生みの神)ですからね)

なので、子に現れた現象の裏にあることをフィードバックすることで、母親という環境が正常化されていく。それが、娘や妻の世代間連鎖を断ち切ることに繋がっていく。ある意味、私と孫が二人三脚となって、妻と娘の軌道修正(体制変化)をしている感じだ。(体制変化というのは、表面上がどうあれ、母娘で無意識に協力して虚構体制を維持しているからです)


私自身が、孫が思いを存分に発揮するための環境となることで、孫が輝く。その輝きを見ることが最大の喜びだ。これは、植物に対する姿勢と全く同じだ。
そして、孫がまっすぐ伸びていくことで、囲い込もうとする体制が打ち崩され、少しづつ変化していく。

大谷も栗山監督という環境の下で、ピッチャーかバッターかと偏ることなくまっすぐに伸び、ついに日本の球界、そしてメジャーの体制を変化させ、世界を変えている。

一人の人間をきちんと育てるとは、こういうことなんだなと思う。



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そして、日ハムで育った頃、約束通り、大谷翔平をMLBに送り出す。
『一銭にならなくても、ウチは出していたはずです。翔平のためになるなら何でもやると思っていましたから。それがファイターズの誠意、野球に対する敬意だったと思う。』

契約金が低かったことに対して大谷は、『「監督、成功する、失敗するって関係ないんです。自分が見た夢に対して勝負するんです。それに僕は米国で何にもしてないのに、そんなにお金もらうのって変じゃないですか」って。あいつが僕を説得したというか、それで親御さんに「今です」と伝えました。』

栗山監督も大谷翔平も、人の評価を気にしない。
出来るかできないかも考えない。

今なすべきことはないかを考えつくし、すべきことを全力でやる。
『今日を一生懸命じゃなかったら、明日はないので。今日負けたら明日がないので。何かをとっておいて負けるほどバカなことはないので、全部使い切ると、準々決勝から実は思ってたんですね。』

常に「今」を生きている。



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人が、生き生きと躍動している姿を見ている時ほど嬉しいことはない。
人が、今自分と共に在り充実しているな、という姿を見る時、惚れ惚れと見入ってしまう。

なので、人が全力を尽くせる環境となるよう水面下で努力する。

WBCに出させてくれるようMLBに交渉に行ったり、『正直、まだエンゼルスと話し合いを続けていて。バッターのところとピッチャーのところで、どういうふうに使ったらいいのかというところは、契約はエンゼルスなので。それをまず折り合いをこっちがつけなきゃいけない。日本のピッチャーも、そうなんですね。各チームに、こうやって使わせて下さいと、各監督さんと確認というのはさせてもらいながらするので』という配慮と苦労がある。
『大谷選手が所属するエンゼルスから登板の許可が下りたのは準決勝の後。ダルビッシュ選手に至っては試合開始の直前だった』そうだ。

その水面下の努力をした上で、なおどのようにするのかは誰にも言わない。
全ては、流れと、本人たちの意志だ。

「行け」と命じるのではなく、「行けます!」と言ってくるのを待つ。
この忍耐ある「待ちの姿勢」も素晴らしかった。



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そして舞台に立たせた後は、舞台に立った選手たちを信じ切る。
この一貫した姿勢が見事だった。


栗山監督は、村上の姿勢にもほれ込んだ。
『彼の野球に対する姿勢も素晴らしくて。例えば、3三振してベンチで僕の前に座ったときに、ちょっと落ち込むじゃないですか人間って。でも、すぐ座った瞬間に打席に入ってるバッターに声が出せるんですよ。“さぁ行くぞー”とか。その姿に僕は感動したし、3冠王のバッターですよ。自分のことより、それができるこの選手は絶対に打てるって思わせてくれる』

村上も、『監督からは「色々言われてるかもしれないけど俺は信じてるから」と言葉をもらったといい「その言葉が1番記憶に残っています」と感謝する。』

栗山監督は、「最後はお前で勝つ」と言い切っていた。
メキシコ戦でも4打席凡退で迎えた9回無死一、二塁。この土壇場で貫いたその信念。
『僕は、本当に打つと思ったんで。これだけ苦しんだら、絶対大事なところで打てると思ってやったので』―その監督の思いと大谷の気迫。

「バントが少し頭をよぎった」村上は、「任せた。思い切って行ってこい」という栗山監督の言葉で「腹をくくった」そうです。だから気負わぬ素直な一振りができたのでしょう。

村神様と言われているが、まさに神仕組みの中の神の一振りだったと思う。



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そして決勝。
『「投げてほしい」って僕は口にはしないですけど、多分、彼も分かってるだろうしっていう、そこの暗黙の空気感なんですけど』という中、大谷が自ら動き、中居君の名言「泥だらけのストッパー」とともに最高の場が整った。

『最後に大谷対トラウトで試合が決まるっていうのは、全世界の夢なはずなので「野球の神様がこう作ってくれたのかな」って思った時に初めて「勝てるかもしれない」って思いました』―これが凄いね。


栗山監督は、全てにおいて人としての見事な在り方を見せてくれました。
指導者としても、父性的なリーダーではなく、母性的なリーダー。

『皆、超一流選手なので、僕以上に勝つために何が必要かっていうのを分かっている』から余計なことは言わない。けれど伝えるときは、『心の中にあるすべてを本当に正直に伝えるためには、真正面から向き合わないと伝わらないので』『目と目を見て、直接対話』する。


栗山キャスターを監督に抜擢した球団のゼネラルマネジャーだった山田正雄氏も、『自分が悪いと言って、選手のせいにはしない。冗談でも「お前のために恥をかいた」などと言わなかった』と言っています。

親としての在り方が示されています。







さて、唐突ですが、面白い動画がありました。

【特別対談】全ての日本人が見るべき動画!?ニュージーランド「ワイタハ族」の長老が命を懸けて世に放つ極秘口伝がヤバすぎる…!!

対談の最後に「リーダー像」について質問していますが、栗山監督が体現されています。

話を聞いても、文字で読んでも分かりにくいけれど、人物モデルを見ればイメージしやすいですね。
今、世界が変わろうとし、日本人が目覚めなければいけないこのタイミングで、栗山英樹という人間がクローズアップされたのも神仕組みだなと思います。

栗山監督の座右の銘は2つのようです。
1つは、橋本佐内の「稚心を去る」。
1つは、太宗の「本当に愛情を持って民に尽くしている王であれば、民が守ってくれるから大丈夫だ」という言葉。

栗山監督は、選手のみならず全ての人を愛し、人事は尽くして人を信じ、村上から「稚心が去る」のを待ちました。

まさに座右の銘を貫き、「夢が正夢に」なることを証明しました。



圧巻。




ありがとうございました。







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