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出世のための実績主義が招く恐怖政治

2006/10/20(Fri) Category : 学校・教育・いじめ
【福岡中2いじめ自殺事件】4

「だれを信じてよいのかわからない」
「先生はきちんと悪いことを出してください」
「うそをつかないでほしい」

これは、福岡筑前町立三輪中学校が、中2生徒のいじめ自殺の後に実施したアンケートに書かれていた生徒から学校への訴えである。【20日朝日】

子どもが、
大人を(もちろん友人も含めて)信用できないと言っている
大人に真実を話せと言っている
大人にうそをつかないでほしいと言っている

子どもは、
ちゃんと見ている。

あなた(大人)の背中を。


だから、私は自らに問うようになった。
私は、我が子に背中を見られても恥ずかしくない姿でこの社会に立っているか、と。





同アンケートには、他にもいじめをする先生がいたことが書かれていた。
やっぱりそうか。『腐った土壌』に書いたとおりである。


組織のボスは土壌そのものである。
ボスが腐っていれば、その土壌に植えられるものは歪み、あるいは立ち枯れる。


20年もサラリーマンをやっていたので、組織がどのように動いているのかはよくわかる。
のさばる者の背景にはそれを容認、あるいは指示するトップがいる。そして、のさばっているのが容認されていることがわかると、他の者もそれに同調するようになる。

下から見て恥ずかしい背中でも、
上が支持すれば厚顔無恥に振る舞うようになるのが、自律できていない心弱き人間社会だ。


三輪中学校の生徒たちが訴えたのは、「大人たちよ恥を知れ」ということだ。


教育現場で、教師が生徒に生きる姿勢を教えられず、逆に生徒から教師が教えられている。
子どもたちから見ると、大人の社会は「裸の王様」かもしれない。




『合谷智校長は「周りをまとめ、引っ張る力にたけているので学年主任にした。学校行事の経験も豊富で改革力や企画力がある」』と、述べている。
http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20061018-105152.html

企業でも、そんじょそこらに転がっている極めてよくある話しだ。
上がラクをしようとすると、こういう人選になる。私も人事をやっていたので、そのカラクリはよくわかる。
こういうタイプは、『まとめ、引っ張る』ために「脅しとわからぬ脅し」を使うスキルを持っていることが多い。そこを見極めなければ、下は地獄になる。なぜなら、トップは無責任にその男にお墨付きを与え、その結果その男の天下になるからだ。

そういう奴が勢力を振るうようになると、そのコミュニケーションパターンを右へ倣えする奴が出てくる。悪貨は良貨を駆逐する。汚染は伝播する。それは、教師間はおろか、子どもにまで伝播する。伝播していることを証明したのが冒頭に挙げたアンケート結果である。

そして、その結果がこうだ!
『仲間に入れてあげたかった。でも、そうすると自分がいじめられるかも知れない。そう思うと授業中もガタガタ震えて勉強どころじゃなかった』

この空間が、完全に恐怖政治の支配下にあることを示している証言だ。

ココハドコ?
ジユウトキボウノクニ、キタチョウ●ン?




1994年に自殺した大河内清輝君の父親はこう語っている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061020/mng_____tokuho__000.shtml

『(遺書にある)四人のうち三人は毎年、残る一人も学校を卒業するまで来てくれた。両親は月命日に来る。清輝は怒るかもしれないが、私は決してその子たちが悪い子と思わない。毎月来て、手を合わせてくれた。許したとは言えませんが、いじめは学校や親の責任が大きい。当時の東部中では先輩が後輩をいじめる連鎖があったのに(罪に問われた)少年たちだけの問題で終わってしまった。』

『親は子どもに期待してしまうが、清輝を亡くして思ったのは、お金も物もなくてもいいから、生きていてほしかったということ。いい高校、いい大学、いい勤め先に入らなくても、人間は生きていける。それと、清輝の同級生が高校生のときにしたアンケートで、三分の二が『結婚しない』と答えていた。子どもを育てるのは面倒くさい、お金がかかるという理由です。子どもたちは、自分を親にとってじゃまな存在、手間のかかる存在と思っている。今の親子関係は寂しく、悲しい。』


12年間苦しみ続けているお父さんは、真実を見ている。
加害者の子供たちを責めていない。加害者も被害者も犠牲者。
『学校や親』に責任を求めている。


『今の親子関係は寂しく、悲しい』…子に向き合わずにすむ親は、背中を見せなくていい。だから、何も考えずにシステムに合わせた心ない仕事をする。恥知らずになる。
今朝報道されていた長野のストーカー殺人事件でも警察は「手続きに問題はない」と言っていた。
「手続き」!

こうして、人間がシステムに敗北していく

会社も、学校も、官僚も……


大人が魂のこもった仕事をするようになるためには、やるべきことは一つしかない。

空洞化したシステムを維持するための仕事の時間を削って、
「我が子と向き合え!」



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