家族カウンセリング
2家族とも、相談する相手がなく追いつめられており、藁をもつかむ気持ちで私のところにたどり着いた方々だった。
お話を伺って、確かに今の日本のシステムでは救いにくいことがわかった。児童相談所もそこから紹介される病院も頼りにならない。ご家族の方々が知りたいのは、問題となる人の症状などにレッテルを貼られることではなく、自分たちに何ができるのか、日常をどう変えていけばいいのかということである。
そして何より、世代を超えたしがらみの連鎖の中でがんじがらめになってどうにもしようがなく、愛情が裏返った憎しみと危機感の中で一族は混乱していた。
しかし、その難題に答えるためには家族全体が置かれている状況を歴史的・包括的に見ることのできる目と、目の前にいる個々人の気持ちに沿うことのできる共感能力の両方が必要である。いわば森と木の両方を見る目だ。
問題の本質を見極めると同時に、それぞれ価値観と立場の異なるご家族の方々全員から信頼を得ることができなければ、次に進みようがないからだ。
誰もが懸命にけなげに生きているという“人の存在”に対する基本的な優しさ、時に号泣し時に高ぶりつつ話をされる相手をまっすぐに受け止めることのできるまなざし、各自を肯定的に受け止めつつ全体がなぜこうなっているのか、という気づきへの脅威を与えない導き方。
必ず、問題は解決できるという人に対する信頼。しかも、「今、ここ」にいる人たちで解決できるという信念(なぜなら、課題はその人たちでクリアできるものしか与えられないから)。
その課題がどのようなメッセージを告げているのか、その本質を理解する洞察力とそれをうまく伝えることのできる経験知。
そして、直面する危機的状況にフォーカスし(それ以外は捨象し)、そこに協力を結集すべく導く導き方、現実的・具体的にどういう風に取り組まなければいけないか、という解決策を“発見”する(解決策は内部にある)ファシリテーション能力。
たった1日だった。
が、そのたった1日で、その一族は大きな大きなターニングポイントを回った。
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ところで、上記のように書くと持てる能力をフル稼働させて大変だったように見えるが、実は自然体でそこに居ただけ。
後日メールをいただいたが、次のような感想がご親族の方々から述べられたそうだ。
『親戚の人が来たみたい』
『あんなにいい人なら、もっと、カウンセルしてもらえば良かった』
ありがとうございます。
実は、こちらも親戚のような気分になってしまっている(^^;)。
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ところで、今の日本には、このように相談する相手を見出せずに泣き暮らしているご家庭もたくさんあると思う。家の恥だとして外に話すことをためらわれているご家庭もたくさんあると思う。
しかし、どういうわけか対峙して座ったとたん、皆素直になる。皆が素直になられるので、解決策が自ずと浮かび上がってくるのだ。
「中尾マジック」と言われたことがあったが、そのカラクリは、私には全ての現象が何らかのメッセージを持っているという意識があり、それ以上の偏見がないからだと思う。その思い方、犯人捜しをしない問題のとらえ方、姿勢が、相手には瞬時に伝わるのだろうと思っている。
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ともあれ、地道にご家庭を救う仕事をしていきたい。
家族が壊れ始め、あるいは家族が空洞化し、日本が足元から崩壊しかねない現在、本当に目の前で困っている人たちを救っていきたいと思う。
困っている方、なんらも恥じることはありません。
全国どこへでも伺わせていただきます。
臆することなく、ご連絡下さい。
私は、貢献することで、この人生に恩返ししたいと思っている。
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