プロフィール
 

中尾英司

Author: 中尾英司
Doing(させる,働きかける)ではなく、Being(共にある,見守る)―半歩あとから


中尾相談室のカウンセリング概要
カウンセリング申込み要領

中尾真智子ブログ

ホ・オポノポノ to IC―
「ごめんね」「ゆるしてね」
「ありがとう」「愛している」

 
ピックアップ目次
最近の記事+コメント
 
 
カレンダー(月別)
 
04 ≪│2019/05│≫ 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
 
カテゴリ
 
 
全ての記事を表示する
RSSフィード
 
 

子どもを追いつめる親の「理想」

2006/11/30(Thu) Category : 親の諸相
『中尾先生はいつ来るの?と聞いてきます』
伺う先は、登校したくてもできない高1男子。

反抗期もなく優等生だったL君は、中学受験で力尽き、不登校となった。
兄弟の中でも最も優秀と期待していた両親は、彼を責めた。
対人恐怖気味で家に引きこもり、病院から薬をもらう息子は「人生の落伍者」だった。

しかし、私の向き合う彼は大人だった。
もちろん、家庭の中で常時強いストレスにさらされているため、彼もキレる。だが、この家庭の問題構造を冷静に把握している。普通の大人にはできないことだ。


「L君はカウンセラーになれるよ」-本音で言った。
笑顔が、出た。





どこで何をどう間違ったのか?
母親は、途方に暮れる中で何もかもうっちゃりたい衝動に駆られた。

会社人間で家庭に無関心な夫。
言うことを聞かない子供たちに手を焼き、つい口うるさくとがめた。
言っていることは、世間に出て恥ずかしくないよう、当たり前のことばかりだ。

しかし、いつしか家の中は、むき身の刃(やいば)のような言葉が飛び交うようになっていた。
なぜ、こうなってしまったのか?
私は、暖かい団らんのある、ごく普通の家庭を築きたかっただけなのに… そう、自分の実家のような…





ン? ピンときた。

伸びやかに育ってきたと思っていたが、兄弟の中でロストワンだった。
ロストワン(失われた一人)とは、いろいろなパターンがあるが、例えば手をかける第一子、猫っかわいがりされる末子の間に挟まれ、相対的に愛情不足を感じる位置に置かれる子どものことだ。

そういう子どもは、大人になったときに(無意識に)いい家庭を作って親に褒めてもらおうとする。結婚したとき、既に頭の中には楽しい団らんのイメージがあった。

しかし、サラリーマンの夫は子育ては妻任せだった。…一緒に子育てをする夢が消えていった。そのうち、夫の帰りはどんどん遅くなっていき、団らんどころではなかった。

夫のようになってほしくない。できのいい長男に期待をかけた。…しかし、挫折した。

なぜ?
なぜ、次々に私のささやかな夢は打ち砕かれていくのか?

私が何か悪いことでもしたのか?
どうしていいかわからない。
全てを投げ出してしまいたい…





私は、幾つか例を話した。
お母さんは気づかれた。

あ、もしかして自分の理想が家族全員を追い込んでいた…?

頭の中に理想のイメージがある場合、人は無意識のうちにそのイメージと現実とを比較して見ている。「理想」と「現実」の間には必ずギャップがある。そして、ギャップあるところに「問題」は生じる。

お母さんにとって、自分の理想通りに生活が構成され流れていないことは「問題」だった。そして、その「問題」を解消すべく「躾」や「教育」をした。しかし、その理想は、ほんのささやかなものであり、言っていることは極めて常識的なことだ。自分がやっていることは正当で当たり前のことだ。そこに何の疑いもなかった。

ただ、子供たちの「気持ち」を聴いたことは、なかった…





人は比較されることが嫌いだ。自分は自分である。
そして、私も経験があるが、相手の頭の中の理想と現実の自分とを比較されることは、とても苦しい。相手は、その理想から自分がものを言っていることがわからない。それは無意識の中に埋め込まれているから。

しかし、こちらは感じる。相手の頭の中に理想が存在すれば、その「存在」を感じるのである。
そしてそのプレッシャーに耐えられずに、逃げたり、反抗したりする。
形はいろいろだが、言っていることは一つ-ただありのままの自分を見てほしい、そして受け止めてほしい。ただ、それだけである。

だから、やることはただ一つ。
自分が、理想という「煩悩を手放す」ことである。
そして、「現在」を認めることである。
そこからしか、スタートできない。…



「望まれたのは、ほんのささやかな幸せだったんですよねぇ…」
そう言うと、お母さんの目から
ボロボロッと大粒の涙がこぼれ落ちた。






押しつけのパラドックス(1)-ささやかな夢が現実を破壊することがある

「いい子」は万病の元
「いい子」の病の克服-アダルトチャイルド(AC)及びその家族の再生




関連記事
 
Comment0  |  Trackback0
 
 

Trackback

 

Trackback URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 
 

Comment

 
    
 
Home | Top ▲
 
はじめにお読み下さい
 

読まれる上での留意点
自分を取り戻す方法総目次
*全記事リンクフリーです

 
ブログ内検索
 
Google

Web このブログ
 
会場でお会いしましょう(^^)
風化させまいカレンダー
 
 
著作
記事・インタビュー他
わが子を守るために
写真/動画集はこちら↓
 
アルバム(flickr)
アルバム(フォト蔵)
YouTube

・写真はアルバムページに飛ぶようにしてあります。
 
お問い合わせなどあれば↓
 

名前:
メール:
件名:
本文:

 
ブックマークに追加
 
 
月齢
 
Today's Moon phase
 
QRコード
 
QRコード