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監獄実験、割れ窓理論とゼロトレランス

2006/12/11(Mon) Category : 学校・教育・いじめ
「なぜ小学生の校内暴力が増えるのか」で、いじめや暴力に対しては不寛容(ゼロトレランス)で対応せよ、という論調が多かったことを示した。

簡単に言えば、家庭でも学校でもしつけができないから、保育園や幼稚園の頃からしつけをして、そこからはみ出したいじめや暴力の加害者に対しては厳罰で臨めと言うことだ。

それに対して、既に家も社会も監獄化していて息苦しいからイライラとなって荒れているわけで、それで暴れると罰を受けるという構図では、人間が去勢されていくであろうと書いた。これは、土日毎に家族カウンセリングで家庭という現場を歩いている私の危機的実感である。


日本でゼロトレランスを推進する側の代表者は「君を守りたい―いじめゼロを実現した公立中学校の秘密」を書かれた中島博行弁護士であろう。
氏は、いじめは犯罪だから情けをかける必要はない。目に見える形で処分することがいじめ撲滅につながるという考えだ。

心理学を学ぶものとして、また現場の実態を知るものとして首肯できない部分もあるので皆様にもお考えいただければと思う。

先ず、ゼロトレランス(zero tolerance)がどのように広まっていったのかを見てみたい。




監獄実験

「es(エス)」という映画をご存じだろうか。
スタンフォード大学のジンバルド教授が行った監獄実験(1971)を基に作られた映画だ。彼はボランティアで募った優良な学生を刑務所のような施設に集め、看守役(11人)と受刑者役(10人)のグループに分け、『刑務官には全権力を与え、囚人は完全に無力な状態に置いた。実際の刑務所と同様、権力の巨大な格差を設定した』。

やがて、実験のはずが本当の虐待や辱め、暴力が始まり、そのリアリティになんとジンバルド自身がのめり込んだため、囚人役のカウンセリングをしていた牧師が危険を察知。その状況を家族へ連絡し、家族達が弁護士を連れて中止を申し入れるまで実験は継続された。実験終了から10年もの間、ジンバルドは被験者をカウンセリングし続けることになった。

そこまでしなくても良い実験から彼が得た結論は、『良質のリンゴが腐ったのは、リンゴを入れる樽に問題があったからだ。普通の善良な米国人でも、環境やシステム次第で悪の執行者となりうる』ということ。彼は、「人間は環境の動物(情況の囚人)である」ことを言いたいがためだけに21人の人生を陥れたのである。





割れ窓理論(ブロークンウィンドウ理論)

そのジンバルドが行ったもう一つの実験が、「割れ窓(ブロークンウィンドウ)」の実験である。
彼は、普通の車とフロントガラスの割れた車をそれぞれ住宅街に放置した。すると、1週間後、普通の車は無事だったが、窓の割れた車は部品がゴソッと盗まれていた。

同時期72年、ニューアークで「警察官の徒歩パトロール強化」が実施され、犯罪学者ケリング博士は,警察官の徒歩パトロールは地域住民に安心感を与え、住民が警察へ親近感を増す効果があることに気がついた。

この結果とジンバルドの実験を基にケリングが提唱したのが「ブロークンウィンドウ理論」である。それは、ビルの窓ガラスが割られたまま放置されていると、その建物は管理されていないと認識され、さらに窓ガラスが割られる。そうやって荒れたビル放置されていると、地域が管理されていないと認識されて、地域全体が荒れていくという理屈である。





ゼロトレランス(不寛容)政策

この理論を基に「ゼロトレランス(不寛容)」政策を掲げてニューヨークの治安を回復したのがジュリアーニ市長である。ニューヨーク名物とまで言われた地下鉄の落書きの徹底消去を行い、それにより地下鉄の治安を回復させたことが有名だ。

日本では、例によってその“形”が入ってきた。
今年6/1から違法駐車に適用されたと言えばイメージが湧くだろう。配達だろうが、トイレだろうが、情状酌量無し、問答無用で「違法即罰」というやり方である。


<続く↓>

ゼロトレランスでいじめは救われない






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冷凍みかん様

率直なご意見を有難うございました。
両親とも心の問題を越えられることなく認知症も始まっており、これからいい結婚、いい仕事に巡り合えるか分からないけれども…今は少なくとも過去を必要以上に振り返るのは止めようと思いました。

最近は窓のカーテンを開け、冬の朝日をしばし眺めたり、よく晴れた日には青空を眺めるようになりました。まだ自分のことで一杯一杯ですが、これもささやかな変化の兆しかもしれません。

 

冷凍みかんさんの文章に共感します。本当にそのとおりだと思いました。

 

ありがとう!

冷凍みかんさま
私も救われました。
過払い返還請求したいくらいです。

 

 既に自分に起きていることに気付かれたのなら、出口はもうすぐです。
 お父さまも貴方も、お母さまが好きで、お母さまに好かれたかっただけで、無力なのではありません。
 受け入れきれない、受け入れる筋合いのないものを無理に受け止めようとしただけです。つまり鉛筆で畑を耕そうとしたようなものです。しかし鉛筆で畑が作れなかった、作物が収穫出来なかったからといって、鉛筆を責めたらそれは間違いです。
 鉛筆は鉛筆として使われるのが一番です。
 そして誰かに不幸を望まれたなら、幸せになってやるのが一番の復讐ですし、貴方が幸せになることは皆やこの世界を幸せにすることにつながります。
 人はいくつになっても結婚することも(法的に可能です)、新しい家族を得ることも出来るし(孫やひ孫が産まれたって「新しい家族」ですから良くある話です)、今まで辛い思いをなさっておられた分、幸せになられたら、他の辛い思いでおられる方はとても心強いと思います。
 他に辛い方がおられなくとも、貴方の幸せは皆に貢献します。逆もまた然りですが。
 どうか「今さら」などと思われませんよう。人生は最後までわかりません。貴方のお母さまが決めたとおりのシナリオで貴方が生きる義理なんざございませんし、それは間違いですから、同じ地球人としてこちらも困ります。
 そして貴方が一足先に幸せになって、お父さまやお母さまに見せて教えてあげて下さい。
 お母さまも知らないか忘れてしまっておられるんですよ、幸せがどういうものだったのかを。
 だから、まず一旦貴方がきっちり離陸してしまって下さい。
 それに、親の仕事は子供が一人でも幸せに生きられるようにすることなので、あなたはご両親をほっぽり出していいです。親の面倒を見るのは自由選択です。
 年寄りつっても大人なんだから、ご自身でどうにかなさいます。できなきゃ死ぬだけです(なので当人も怠けてられなくて良いと思いますよ)。
 それに人間一人をここまで縛るほどのパワーをお持ちなので、ちょっとやそっとじゃ死にません(笑)
 どうぞ安心して、貴方は貴方の空を飛んで下さい。
 親孝行は産まれて今まで生きてる時点で、もう全部お済みです。これ以上は払いすぎです。
 貴方が幸せを満喫なされたその空気が、いずれ私の子供らを助けるので。そういうもんですから。
 動けないのは動き方を忘れてるだけかもですね、マニュアル通りでいいですよ、料理のレシピと同じです。
 間違ったって貴方のお母さまほど世間は貴方に冷たくも酷くもなく、かえってビックリするくらい優しいと思います。その時にヘンに遠慮しないように、しっかり大事にされて下さい。
 では。

 

32年前の実験

私は「モラ母の娘」という名前で最近投稿させて頂いていますが、2006年2月にこのサイトの「モラハラの構造(5):絶対服従を叩き込む」に書き込みをした「Y.K」でもあります。

中尾先生の「es(エス)」という映画のページにアクセスし、母はジンバルド教授だったのだと今更ながら戦慄しました。(その映画を観る勇気は私にはありませんが)

小4の時に電車の車内で「汗ばんだままでいると風邪をひくから」と、衆人環視の中で私の背中をまくり上げ、タオルでゴシゴシと私の背中をふきまくり、中学時代には父と全裸で無理やり浴室に入れられた。「親子は仲良く風呂に入るもんだ」と言われ、なすべくもなく父と狭いバスタブの中でお湯に浸かった。父も私もなんと無力だったことだろう…。

幼児虐待ではないけれど、これも立派な「監獄実験」だと思います。

きっとやってみて快感を覚えたんでしょう。そしてどんどんエスカレートして制御が効かなくなったんでしょう。今となっては笑うしかないですね。

…このサイトに出会って2年近く。恐怖の家から飛び出せない。私は一体何故動けないのか…自分でも自分が分かりません。まだ埋もれたままですが、でも中尾先生やこのサイトの方々の温かい眼差しを支えになんとか生きています。

 
    
 
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