「短大生遺体切断事件」3.亜澄さんの生きた地獄
2007/01/20(Sat) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【「短大生遺体切断事件」目次】
★5.神(母)に認められた妹への嫉妬--------------------------------
『最初、長男は次男に辛く当たっていたそうですが、彼女が幼稚園に入ったころから関係が変わった。長男は亜澄ちゃんを攻撃するようになり、怒りの矛先から免れた次男は長男をバックに亜澄ちゃんをたたくようになった』(劇団仲間A氏)【週間ポスト1/26号-以下、A氏の証言は同紙より】
A氏の証言は、亜澄さんが幼稚園の頃から、兄たちに叩かれていたという事実と自覚があったことを示しています。親の手を離れ物心つく頃には、すでに地獄が口を開けて待っていたということです。
さらに大学までエスカレーターで行くことのできる名門小学校入学を機に、いじめに拍車がかかります。
『彼女は小学校受験で親が決めた白百合学園に合格している。2人の兄も同じく小学受験しているが、失敗しているんです。「それで私を嫌うようになった」と、彼女は知人に漏らしていたそうです。』【週刊現代1/27号】
その裏には、小学校入学で『「亜澄はほんとにいい子だね、それに比べて・・」と、当時両親は兄たちを責めることもあったそうです』(A氏)という背景がありました。
そのいじめに耐えられなかった亜澄さんは、わざわざエスカレーターを降りて、別の高校へと移ります。
『亜澄さんが小・中と通った白百合から別の高校に移ったのも、「兄から嫌われないように」というのが理由だったようです』【週刊現代1/27号】
自分の進路を捨てるまでに追い込まれたいじめとはどういうものだったのでしょうか。
『亜澄さんは「2人の兄から殴る蹴るの暴行を受けている」と漏らしていました。劇団で舞台の稽古をするようになるまでは、「死のうと思っていた」ともいっていました。』(芸能事務所の先輩)【週刊現代1/27号】
『彼女は「いつ死んでもいい」「生きている意味がない」と人生に疲れきった様子でした』(A氏)
★6.大義の前の小さな犠牲------------------------------------------
こういう目に遭うと、誰でも自分の生まれてきた意味、存在意義について考えざるを得ないでしょう。しかし、「次兄の暴言・暴行に関しては母も父も黙認するような状態だったとも、友人の一人には語っていた」【女性自身1/30号】とあるように、現実は極めて冷酷でした。
目的のためには手段を選ばず-歯医者復興の目的に邁進する母親にとって、第一の目的は長男次男が歯科医になること。そして、閉業させることなく2つの医院の跡を継がせること。「閉業」というトラウマを持つ母親にとって、それ以外の人生の目的はないのです。
「家族とうまくいっていない。両親とも医者なので、自分はおとなしくしていなきゃいけない」【週刊文春1/18号】と、亜澄さんが所属事務所の社長に語ったことから分かるように、亜澄さんはせいぜい歯科医というイメージを保つためのマスコット的な存在でしかありませんでした。
そのため、おとなしくすることが「役割(仕事)」であり、また、家の中でストレスのはけ口になっていたとしても、それで次男が歯医者になれるのであれば、それもまた「役割」として親は「黙認」していたのです。
目的遂行のために感情をなくした人間が、どこまで人を道具にできるか、どこまで非人間的になり得るか、よくおわかりのことと思います。そして、こういう事例は実は、あなたの近辺にも転がっています。当事者である親は、全く自覚しないままに…。
亜澄さんが『「私は家族に愛されていない」とも言っていました』【週間ポスト1/26号】というのも当然でした。「道具」だったのですから。
そして、亜澄さんは、哀しいことに自分の役割をよく理解していました。
『一度、亜澄ちゃんから「お兄ちゃんは私を殴らないと生きていけない」と聞かされたことがありましたが、次男は亜澄ちゃんを叩くことで自分を成り立たせていたのでしょうか』(A氏)-その通りです。
★5.神(母)に認められた妹への嫉妬--------------------------------
『最初、長男は次男に辛く当たっていたそうですが、彼女が幼稚園に入ったころから関係が変わった。長男は亜澄ちゃんを攻撃するようになり、怒りの矛先から免れた次男は長男をバックに亜澄ちゃんをたたくようになった』(劇団仲間A氏)【週間ポスト1/26号-以下、A氏の証言は同紙より】
A氏の証言は、亜澄さんが幼稚園の頃から、兄たちに叩かれていたという事実と自覚があったことを示しています。親の手を離れ物心つく頃には、すでに地獄が口を開けて待っていたということです。
さらに大学までエスカレーターで行くことのできる名門小学校入学を機に、いじめに拍車がかかります。
『彼女は小学校受験で親が決めた白百合学園に合格している。2人の兄も同じく小学受験しているが、失敗しているんです。「それで私を嫌うようになった」と、彼女は知人に漏らしていたそうです。』【週刊現代1/27号】
その裏には、小学校入学で『「亜澄はほんとにいい子だね、それに比べて・・」と、当時両親は兄たちを責めることもあったそうです』(A氏)という背景がありました。
そのいじめに耐えられなかった亜澄さんは、わざわざエスカレーターを降りて、別の高校へと移ります。
『亜澄さんが小・中と通った白百合から別の高校に移ったのも、「兄から嫌われないように」というのが理由だったようです』【週刊現代1/27号】
自分の進路を捨てるまでに追い込まれたいじめとはどういうものだったのでしょうか。
『亜澄さんは「2人の兄から殴る蹴るの暴行を受けている」と漏らしていました。劇団で舞台の稽古をするようになるまでは、「死のうと思っていた」ともいっていました。』(芸能事務所の先輩)【週刊現代1/27号】
『彼女は「いつ死んでもいい」「生きている意味がない」と人生に疲れきった様子でした』(A氏)
★6.大義の前の小さな犠牲------------------------------------------
こういう目に遭うと、誰でも自分の生まれてきた意味、存在意義について考えざるを得ないでしょう。しかし、「次兄の暴言・暴行に関しては母も父も黙認するような状態だったとも、友人の一人には語っていた」【女性自身1/30号】とあるように、現実は極めて冷酷でした。
目的のためには手段を選ばず-歯医者復興の目的に邁進する母親にとって、第一の目的は長男次男が歯科医になること。そして、閉業させることなく2つの医院の跡を継がせること。「閉業」というトラウマを持つ母親にとって、それ以外の人生の目的はないのです。
「家族とうまくいっていない。両親とも医者なので、自分はおとなしくしていなきゃいけない」【週刊文春1/18号】と、亜澄さんが所属事務所の社長に語ったことから分かるように、亜澄さんはせいぜい歯科医というイメージを保つためのマスコット的な存在でしかありませんでした。
そのため、おとなしくすることが「役割(仕事)」であり、また、家の中でストレスのはけ口になっていたとしても、それで次男が歯医者になれるのであれば、それもまた「役割」として親は「黙認」していたのです。
目的遂行のために感情をなくした人間が、どこまで人を道具にできるか、どこまで非人間的になり得るか、よくおわかりのことと思います。そして、こういう事例は実は、あなたの近辺にも転がっています。当事者である親は、全く自覚しないままに…。
亜澄さんが『「私は家族に愛されていない」とも言っていました』【週間ポスト1/26号】というのも当然でした。「道具」だったのですから。
そして、亜澄さんは、哀しいことに自分の役割をよく理解していました。
『一度、亜澄ちゃんから「お兄ちゃんは私を殴らないと生きていけない」と聞かされたことがありましたが、次男は亜澄ちゃんを叩くことで自分を成り立たせていたのでしょうか』(A氏)-その通りです。