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「短大生遺体切断事件」 12.自分を殺した男

2007/01/31(Wed) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【「短大生遺体切断事件」目次】

★21.なくてはならない存在-----------------------------------------

高校時代の同級生は「妹の写真を持ち歩いている、なんて噂があって、今回の事件を報道で知って「まさか」と思いました」【週間ポスト1/26号】と述べている記事がありました。

勇貴容疑者にとって亜澄さんは、実はなくてはならない存在だったと思います。
1つめは、見捨てられた子供としての共通項。

2つめは、武藤家のヒエラルキーの中で最下層から自分を支える存在(自分よりも下がいると思うことで自分を支えられるという意味)

3つめは、亜澄さんに「お兄ちゃんは私を殴らないと生きていけない」という自覚がったように、妹を虐待することが自分を支えていたこと。

人は自分がされたことを誰かにしなければバランスが取れません。自分の中に抱えていられないのです。右頬を叩かれたら、誰かの頭を殴ります。自分が親からモノ扱いされ虐待されれば、浮浪者を襲撃するのです。右頬を叩かれて左頬を差し出すのは聖人くらいのものです。

(もしあなたが2人の子供をお持ちであれば、上の子に何かしてみてください。上の子は自分がされたのと全く同じように下の子にします。それを観察したとき、あなたは上の子の扱い方が変わるはずです)





★22.もう一人の自分-----------------------------------------------

しかし、自分が一旦レールから外れてヒエラルキーから落ち、虚飾がはがれ落ちたときに、実は亜澄さんと全く同列にいることが無意識に分かったことでしょう。

亜澄さんは自分の鏡でした。
そこには、もう一人の自分の姿が映っていました。最もどん底にいながら、たった一人で運命を切り開こうとしている自分です。

底に落ちたとき、無意識の中で彼は気づいたかも知れません。
もしかすると、自分が望んでいた姿は、歌に詠んだ「父親」ではなく「亜澄」だったのでは……。

しかし、彼は亜澄さんになることはできませんでした。
そして、4度目の受験に際して父親が初めてバックアップする気遣いを見せました。彼は嬉しかったと言っています。内心揺れていたかも知れない彼は、これで完全に体制側についたのです。

ぶれないためには、もう一人の自分を殺すしかなかい-彼の無意識はそう思ったかもしれません。この殺人は、自分を殺して「家」を支える道具として生きてきた人間が、もはや人間に戻ることをやめるために、完全に自分を殺すことでもあったのだと思います。


勇貴容疑者は、自分の中の「人間性」を抹殺したのではないでしょうか。
自ら、完璧な道具となって「家」に帰依するために-。




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