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モラハラ被害者に特徴はあるのか

2007/02/18(Sun) Category : モラハラ(モラルハラスメント)
【モラルハラスメントとは】

本日は、メディアからの問い合わせなどでよくある質問について書きます。(なお、本記事は2013.01.19に追記修正しております)

10,モラハラ被害者に特徴はあるのか

ということをよく訊かれるわけですが、その奥には「真面目な人は鬱になりやすい」(←これもまた、まことしやかな嘘ですが・・)という類いのわかりやすいレッテルを期待されているわけです。

そういう意味で言えば、誰でも被害者になり得ます。
つまり、被害者に共通の特徴はないということです。
ただ、ここでいう特徴とは、いわゆる目に見えるキャラクターの部分です。

たとえば、
外交的積極的キャラがハラッサーで
内向的消極的キャラがハラッシーだとすればわかりやすいでしょうか?

けれど、
積極的キャラでも無主体で受皿的にそうしている人もいれば、
消極的キャラでも防御攻撃的に生きている人もいます。

まぁ、こんな例を挙げてもせんないので、人の問題を見るときの基本原則を3つ挙げておきましょう。
1.人は環境の動物(情況の囚人)であること
2.問題は「関係性の問題」であること
3.問題の背景には、本人も気づいていない人生脚本他があること



1.人は情況の囚人(人は環境の動物)である---------------------------

『ゼロトレランスとは』に書いた有名な「監獄実験」では、普通の善良な大学生達が、もののみごとに「看守」と「囚人」そのものに変わっていきましたね。

なぜ変貌してしまったのか。それは、
片方に絶対権力という「立場」、
片方に閉塞された無力な「環境」を与えたからです。

ただ、それだけのこと…。
そう、“それだけ”のことなのに、その環境(情況)が「心」を変貌させたのです。

スタンフォード大学で行われたこの心理学実験は、「立場」と「環境」が人間を変えることを“証明”しました。「人間は環境の動物(情況の囚人)」なのです。


結婚は、
夫に権力者という「立場」を、
妻に閉塞「環境」を与えます。

そう。実は、「監獄実験」そのものの状況下に人を置くのです。その結果どうなるか。スタンフォード大の「監獄実験」が示しているとおりです。

そして『モラ夫の妻が無力になるストレスの法則』に書きましたが、『積極的な対処行動の芽はつみ取られ、 自分の気持ちをごまかすことでかろうじて精神バランスをとらざるを得なくなり、 自信、自尊心、矜持を奪われ自己効力感(セルフエフィカシー)がなくなり、 外からも孤立し… 這い上がろうともがけば落ちるツマジゴク… そう、穴の底からツマめがけてパッパッと砂つぶてが飛んできます。 もがいてももがいても引きずり込まれる無力感の中で、人生の底へと沈んでいくのです。』




★2.問題は「関係性の問題」である--------------------------------

誰でも持つAC(アダプティッドチャイルド)の部分が、
誰でも持つCP(クリティカルペアレント)の部分をフックする(引き出す)ように、
逆に自分のCPは相手のACをフックします。

人を責めるCPの強い人は受け皿役のACの強い人を求め、
自分を責めるACの強い人は、責め役のCPの強い人を求めます。
このように相互補完的な関係になってしまうと、互いの特徴がどんどん強化されていき、方やCPがますます強い人間となり、方やACがますます強い人間となっていくことがあります。


このように互いに背を押し合って加速し合うまで行かなくとも、互いのデメリットが互いのメリットとなる関係はあります。

たとえば、夫が厳しくて妻が優しい場合。
子をなしたとき、「厳父優母」で一見いいように見えますが、それが本当にそうかどうかは子を見れば分かります。もし、子どもが歪んでしまったとすれば、そこには「厳父―子―優母」の間で「迫害者―犠牲者―救援者」の三角形のドラマが展開されている可能性があります。

なぜそうなるかというと、この夫婦が共依存だったからです。共依存とは、互いを道具にし合う関係。この夫婦の場合、奥さんを見るとわかりやすいですが、夫のデメリット(優しくないこと)が自分のメリットとなっています。夫は夫で奥さんに甘えて、自分は厳しいままでいられるわけです。

このように相手の存在が自分の役割(価値)を強調してくれるので、相手が変わることを望みません。つまり、自分の価値を際立たせるためにその相手を道具にしているわけで、このような夫婦は結婚した時点で成長はストップ―いえ、退化していきます。子は、互いの存在を更に強調するための道具になっているに過ぎません。

この場合、夫の方をわかりやすくハラッサーといえば、奥さんの方はハラッシーハラッサーでしょうか・・・そういう区分も、いらなくなっていきますよね。

<参考>「家族自我像」を描いてみよう の「三角形ドラマ」の家族




★3.問題の背景には、本人も気づいていない人生脚本他があること-----

さて、上記に書いたことも、まだある意味表面的なことです。
なぜなら、そういう状況に自分を追い込むことも、そのような相手を自分の人生の土俵に登場させることも、自分の人生脚本がやってしまうからです。

それが、前項「モラハラを親に理解させることができるか?」で書いたことでした。

結局、「外」の現象はすべて、「自分」を深く知るための鏡に過ぎません。その鏡を通して、目をそらさずに己の姿をしっかりと見つめることです。




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人は鏡

そうですね。ここの記事は、いわゆるマスコミからよく受ける質問に対して書かれたものです。マスコミは、「いじめられる側にも問題があるのではないか?」とか、「いじめられやすい性格は?」という類の質問が好きです。そして、こういう性格が危ないとか、こういう性格を直そうとか、個人の問題でことを済ませていこうとします。すると、そういうビジネスが儲かるわけです。そういう意味での性格的特性はないということです。

私は加害者も被害者もカウンセリングしておりますが、その方々に言うのは自分を責めるところからは何も始まらないということです。その上で言うのは、出遭った相手はどんな相手であれ、自分の鏡だと言うことです。つまり、みーなさんやホンダさんがおっしゃるとおり、出遭った理由があります。

「人を道具にする人」と「人の受け皿(道具)になる人」の組み合わせだけではなく、自分の怒りを吐き出すために無意識にハラッサーを選んでいる女性もいます。または、我慢を望む親に自分を認めさせるために、これでもかとどん底に向かう人もいます。あるいは、自分の拠り所となる「器」さえ確保できれば、その内部で起こる全ての地獄は引き受けるというほどの存在不安に支配された人もいます。

いずれにせよ、その人を突き動かしているのはその人の無意識であり、ではどのような無意識が自分を「今ここ」にもってきたのかを知るためには、自分と親との関係を振り返ることが大切です。それに気がついたとき、その無意識から解放されて本来の自分に戻ることが出来ます。すると、その人の個性が輝き始め、オリジナルの人生がスタートするのです。

ハラッサーとの訣別は、ハラッサー個人との別れというよりも、自分が縛られてきた親からの卒業を意味していることが多いというのが実感です。自分が馴染んできた共依存の世界から自律した世界へ。そこに向かうためには親から自律しなければなりません。その最終試験がハラッサーとの闘いといってもよいかもしれません。本当の敵は目の前のハラッサーではなく、親も自分をも飲み込んできた時の流れです。

そして、最後にたどり着くのは、性格を変えるということではなく、本来の個性に戻る=自分本来の姿に戻るということです。私のカウンセリングは、その人をあるがままの本来の姿に戻すこと。そういう意味があって「特徴はない」と書きました。

ご参考までに、下記もお読み頂ければ幸いです。

橋の下から拾ってきた子
http://nakaosodansitu.blog21.fc2.com/blog-entry-1245.html

 

私も被害者に特徴はあると思います

モラハラ被害者の多くは、モラハラの親に育てられたりして、もともと自尊感情が低いなどの特徴があります。自分の意思や感情がわからなかったり、自己主張ができにくい人々です。
この状態は、共依存、ACというキーワードで読み解けます。
また加害側は、そういう相手を直感的に選び、陥落します。
(みーなさんの書かれている通り)

この凹凸のような組み合わせがあることを、専門家であれば、無視してはいけないと思います。
「誰もが被害者になりうる」というのは、被害者を安心させ、気持ちよくさせるには役立つかもしれません。
しかし、被害者自身が内省して、上記のような自分の特徴に気付かなければ、また繰り返してしまいます。

被害者に特徴がないという情報は、被害者の福祉のために有害だと思います。

 

モラハラ被害者に特徴はあります

絶対にモラハラの被害者にならない人もいるのです。
被害者にはなりやすい特徴が必ずあります。

モラフックと言う言葉で検索してみてください。

モラハラ人間は「ちゃんと自分の獲物となり得るタイプの女性」を見分けます。
本能で嗅ぎつけるのです。

被害者となる人間はバタラーウーマンと呼ばれます。
もともと自分に自信のない人間であったり、人の好さが災いするタイプだったりします。
私も男尊女卑な男にたくましさを感じてたバカな感覚の持主でした。
今となっては過去の自分を殺したいくらいです。

 

私もメールしました!

TBSに、さっきメールしました!

 

ほっとしました(笑)

誰でもなる・・・と聞いて。
それからTBSがまた特集をするそうですがお話ありましたか?
バンバン、文句注文しちゃいました!
メディアが特集を組んでまず、先生にモラハラを解説してほしいと訴えたんですけど・・・。

 
    
 
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