凍りついた刻、暖かい風…
2007/03/01(Thu) Category : 心の闘い物語
もうどのくらいたつのだろう…
そう、3年、いやもうすぐ4年になろうとしているのか…
そんなに季節を巡ってきたっけ…
時計は、あの五月晴れの5月の連休で止まったまま
私の時間は凍りついている
あれ以来、私は心から笑ったことがない
あれ以来、私は定食を食べたことがない
酒とつまみなら食べられるのだが、ご飯と味噌汁がセットになると吐き気がして手を付けられない
湯気の中に、忽然と消えた妻の姿が浮かぶのだ…
目覚めると寂寥感
布団に入ると孤独感
それを乗り切るのに1時間はかかるのが日課になった
何をしていても不意に襲ってくる
「自分は独りなんだ…」
理由がわからない…
あれかこれか
この年月の積み上げは何だったのか…
「私は一体何をやってきたのだろう」
そう問いかけると、
積み木がガラガラと音を立てて崩れていった
…ふと気づくと、思考が同じ所をグルグル巡っている
毎日同じ所を巡る巡回バスのようだ
そのうち、
自分はダメなんだ
自分だけが不幸なんだ
と思うようになった
闇へとバスのルートは落ち込んでいく…
フラフラと街を歩き、喫茶店に入っては珈琲を頼む
ふと湯気の中に、幸せだった生活がフラッシュバックする
もう永遠に戻ってこない光景が目の前に現れる
いたたまれずに、
私は、運ばれてきたままの珈琲をあとに席を立った
糸の切れた凧のように彷徨いながら
途方に暮れた時間が過ぎていく
大きな地震があった
「このまま全部終わってしまえばいいのに…」
怖さも何も感じなかった。
私は空っぽ。
守るものなど何もない…
乾いた生活
乾いた時間
すでに私は砂漠の中にいる
気づくと
一人の部屋で独り言を言っている。
部屋の空虚が、その言葉で埋まるわけではないが、頭の整理がつく気がする
そして、
どうしても
「何故」という言葉が次に出てくる。
何故…
何故?
「何故!!」
大きな声で目が覚めたとき、心に深く深くくさびが刺さっていることを知った
身体は今を生きているが、心は過去のまま…
この呪いのような生活から抜け出したい!
いつの間にか、心の中に小さなクルミのような黒い塊ができていた
その重い塊がズンと動く度に、私と現実との距離は遠くなる
そして、
せつなさと
無力感と
たとえようのない怒りにも似た気持ちがにじみ出てくる…
『その気持ちと向き合い続けてください。味わい尽くしてください。蓋をしてはいけません』
そう、言われた。
そう…簡単なことではない。
『ただ、その気持ちにとらわれると自分を見失ってしまいます。とらわれないためには、無心に何かの作業に打ち込める時間があるといいですね』
単純作業が人には必要なんだ…
時が過ぎた…。
いつしか傷をなでられるようになっていた
なでると、幸せだったほんの一瞬の切なさが押し寄せた…
転職することになった。
その日、腹ぺこで塩ジャケとご飯を食べたくなった
身体の奥から空腹感が湧き出していた
定食屋に駆け込んだ。
膳が出される。
吐き気は、
なかった。
白米を箸の先でつまみ、
一口、
口に入れてみた…
なんと、おいしいことか!
これまで生きてきて、こんなにおいしいものを食べたことはなかった
気がついたら、空の器がそこにあった
のれんを出ると、外は雨
一雨ごとに春がやってくる
暖かい風が吹いた気がした
-------------------------------------
【ご本人の承諾を得て書きました。今抑うつ神経症等で苦しまれている方へ…】
そう、3年、いやもうすぐ4年になろうとしているのか…
そんなに季節を巡ってきたっけ…
時計は、あの五月晴れの5月の連休で止まったまま
私の時間は凍りついている
あれ以来、私は心から笑ったことがない
あれ以来、私は定食を食べたことがない
酒とつまみなら食べられるのだが、ご飯と味噌汁がセットになると吐き気がして手を付けられない
湯気の中に、忽然と消えた妻の姿が浮かぶのだ…
目覚めると寂寥感
布団に入ると孤独感
それを乗り切るのに1時間はかかるのが日課になった
何をしていても不意に襲ってくる
「自分は独りなんだ…」
理由がわからない…
あれかこれか
この年月の積み上げは何だったのか…
「私は一体何をやってきたのだろう」
そう問いかけると、
積み木がガラガラと音を立てて崩れていった
…ふと気づくと、思考が同じ所をグルグル巡っている
毎日同じ所を巡る巡回バスのようだ
そのうち、
自分はダメなんだ
自分だけが不幸なんだ
と思うようになった
闇へとバスのルートは落ち込んでいく…
フラフラと街を歩き、喫茶店に入っては珈琲を頼む
ふと湯気の中に、幸せだった生活がフラッシュバックする
もう永遠に戻ってこない光景が目の前に現れる
いたたまれずに、
私は、運ばれてきたままの珈琲をあとに席を立った
糸の切れた凧のように彷徨いながら
途方に暮れた時間が過ぎていく
大きな地震があった
「このまま全部終わってしまえばいいのに…」
怖さも何も感じなかった。
私は空っぽ。
守るものなど何もない…
乾いた生活
乾いた時間
すでに私は砂漠の中にいる
気づくと
一人の部屋で独り言を言っている。
部屋の空虚が、その言葉で埋まるわけではないが、頭の整理がつく気がする
そして、
どうしても
「何故」という言葉が次に出てくる。
何故…
何故?
「何故!!」
大きな声で目が覚めたとき、心に深く深くくさびが刺さっていることを知った
身体は今を生きているが、心は過去のまま…
この呪いのような生活から抜け出したい!
いつの間にか、心の中に小さなクルミのような黒い塊ができていた
その重い塊がズンと動く度に、私と現実との距離は遠くなる
そして、
せつなさと
無力感と
たとえようのない怒りにも似た気持ちがにじみ出てくる…
『その気持ちと向き合い続けてください。味わい尽くしてください。蓋をしてはいけません』
そう、言われた。
そう…簡単なことではない。
『ただ、その気持ちにとらわれると自分を見失ってしまいます。とらわれないためには、無心に何かの作業に打ち込める時間があるといいですね』
単純作業が人には必要なんだ…
時が過ぎた…。
いつしか傷をなでられるようになっていた
なでると、幸せだったほんの一瞬の切なさが押し寄せた…
転職することになった。
その日、腹ぺこで塩ジャケとご飯を食べたくなった
身体の奥から空腹感が湧き出していた
定食屋に駆け込んだ。
膳が出される。
吐き気は、
なかった。
白米を箸の先でつまみ、
一口、
口に入れてみた…
なんと、おいしいことか!
これまで生きてきて、こんなにおいしいものを食べたことはなかった
気がついたら、空の器がそこにあった
のれんを出ると、外は雨
一雨ごとに春がやってくる
暖かい風が吹いた気がした
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【ご本人の承諾を得て書きました。今抑うつ神経症等で苦しまれている方へ…】