押しつけのパラドックス(2)-手放すことで救われる
では、どうすればよいのか?
自分があきらめて我慢すればいい?
No!
頭の中に理想イメージがある限り、その理想と現実のギャップは日常的にストレスを与え続ける。
相手にこうなってほしいと思っている限り、相手の一言半句、一挙一動を無意識のうちに脳内センサーが理想イメージと比較し、ギャップを認知し、ストレス感情を湧き起こし続ける。
そして、心のコップに溜まったそのストレス感情は、いつしか爆発の時を待つようになる…。
では、どうすればいい?
一つは、手放すことだ。
苦悩の源は理想と現実の間のギャップだ。では、なぜギャップが出来た?
それは、理想を持っているから。
その理想を持ったのは、誰?
それは自分。
言い換えれば、自分だけの「我欲」。
つまりは、自分だけの「我欲」が自分も他人をも苦しめている。
だから、我欲(煩悩)を手放すこと。
ただ、簡単に捨てられるものではない。
なぜなら、自分がその我欲を持った裏には、必ず「理由」があるからだ。
その理由に気づかない限り手放すことは出来ないものだ。
その気づきに有効なのが、自分の棚卸しである。
次に、相手の立場に立って考えてみることだ。
相手は自分の理想を実現するための「道具」ではない。「人間」だ。
相手にも、相手の理想がある。親子であれ、夫婦であれ、それぞれがそれぞれの思いを持つ人間同士なのである。
だから、自分も相手も大事にするアサーティブなコミュニケーションが大切になる。
1,自分の思いは相手に伝える(自分を大事にするために)。
2,が、伝えたときにその思いは手放す(“思い”は認められた時点で満足している)。
3,後は、相手がどうするか相手に任せる(相手を大事にするために)。
これが自分も相手も大事にするコミュニケーションだ。
そして、これは親子でも夫婦でも、まして他人同士でも互いを尊重するコミュニケーションとして社会の基盤にあって然るべきものだ。
このコミュニケーションが成立している社会が「基本的人権」が成立している社会なのだろう。
・自分も相手も自由にするアサーティブコミュニケーション
・DESC法で状況を見て、アサーティブに表現する