全身傷だらけの赤ん坊
腕に、赤ん坊を抱えていた。
しかし、なんと全身が傷だらけだった。
驚いて、思わず息子の名を叫んだ。
しかし、どうも息子ではないようだ。
と、赤ん坊が何か声を上げた。
声を聞いて ハッとした。
夫だった―
実の親から傷つけられている子供(今は大人でも)はたくさんいる。
ほんとにたくさんいる。
全身傷だらけの人。
手足をもがれた人。
皮膚(境界)のない人。
背骨(感情)のない人。
脳みそだけの透明人間(たとえば少年A)。
頭がのっとられている人。
……
親と同化してしまっている人も、そうでない人も内在化した怒りを抱え、そして自分を親からどう守るか、ただそれだけで生きている。本人は自覚なきままに、妻や子供を楯にし、鎧にし、はけ口にし、道具にし……
逃げて、逃げて、逃げまくる
なぜなら、それが生き延びることだから…
(ほんとは違うけれど)
妻は理屈でごまかされることはあっても、子供はごまかされない
子が問題を突きつけてきたとき、逃げられなくなる。
やがて…
家族の一人一人が自分と向き合う作業へと向かうことになる。
離婚、別居…形は様々だが、それぞれが自分自身と向き合う時間と空間を与えられる方向に流れていく。そうならなければ、誰しもわざわざ自分と立ち向かおうとはしない。(漫画なんかでもよくあるよね。もっとも難敵なのは自分のクローン。そして、それを乗り越えて覚醒するというやつ)
そう…
流れていく。
気づきが起こり、
思いが定まると、
それまで静止していたいろいろな物事が動き始める。
“動き”が向こうからやってくるのだ。
あるいは、
見回してみると、既にその準備が整っていたりする。
私は、既に準備が整っていることに気づいてもらうことをするだけだ。
あとは、試行錯誤を見守り、
揺れ動く気持ちを肯定的に受け止めていく
実は、迷いが深いのも自分
しかし、思いを出し切り、思いの根源に気づいたときに自分が見えてくる
そして、腹が据わってくる
その方も、私のカウンセリングが始まってからいろいろなことが動き始めた。動くと言うことは、縁が紡ぎ直されたり、出逢いや別れがあったり…そういうことだ。
新天地へ向けての自立の準備も進んだ。
幸い、ご主人も親の影響を受けない状況が確保された。
これから、ご主人の心の旅が始まる。
そして、他のご家族も、この春旅立たれた。
旅立ちの季節-
思いが定まれば、人生いつからでも旅立つことが出来る