あなたの居場所
母親が、この世の安全基地だ。
父親は、その安全基地を支える存在として意味がある。
父母がそれぞれの機能をきちんと果たすとき、
家庭は子供の居場所となる。
居場所とは、自分を回復できる場所。
自分が回復できる場所を確保できるからこそ、人は傷つくことを恐れずに冒険に旅立つことが出来る。
最低限必要な居場所とは、安心して眠ることが出来る場所。
次に必要な居場所とは、気持ちを受け止めてくれる場所。
体の健康と心の健康―この二つがそろえば、人はどこでも生きていける。
私がヒッチハイクで放浪の旅をしていた若かりし頃
車でおろされた場所でまず最初にすることは、寝床探しだった
ユースホステルなどあればいいが、なければ物置、木の陰、駅の裏…
適当なところがなければ、車を拾って次に向かう。
適当なところがあれば、そこを目処に散策が始まる。
つまり、居場所が確保できて初めて人は安心して自由に行動できる
言い換えれば、居場所がなければ、それが見つかるまで探し続けることになる…
家庭が居場所ならば、子供はそこから自分の人生をスタートできる
しかし、
家庭が居場所でないならば、子供は居場所を探して放浪することになる
求め方は様々だ。
場に求めたり、
組織に求めたり、
人に求めたり、
仕事に求めたり、
思想・信条・主義に求めたり、
信仰に求めたり、
お金に求めたり…
しかし、
「居場所」としてそれらを求めることと
居場所があった上でそれらを求めることとは
本質的に異なる
居場所としてそれらを求めるとき、
その居場所を維持しなければならなくなる
細心の注意を払って、支配し、管理し…
結局、その居場所を維持するために人生が費やされることになる。
やがてそれは執着となり、「業」となる。
しかし、それは本当の人生ではない
人生は、まだスタートしていない
だから、それがどのような形であれ、気づいた人は幸いだ。
苦悩はするが、それを乗り越えたとき、「人」として生きることが出来るからだ
でも……、では居場所はどこに?
それは、あなたの心の中にある。
そして、きっと身近にある。
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