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特急電車内女性暴行事件(1)-被害者が失ったもの

2007/04/23(Mon) Category : 社会事件簿
生きる意欲が奪われていくような思いになる。
怒りに加えて、情けなさと無力感と、仮面のごとき社会に対する嫌悪感-そういうものが湧いてきそうになる。

『女性は車両前方のトイレに連れて行かれる途中、声を上げられず泣いていたが、付近の乗客は植園容疑者に「何をジロジロ見ているんだ」などと怒鳴られ、車掌に通報もできなかったという。』

電車の中で、女性が暴行された。

この女性はどうなるだろうか。


安全であるはずの電車の座席で、いきなり見知らぬ男に脅される。
前後のシートの人間は聞いているはずだ。が、誰も助けに来ない。
連れて行かれる。が、その間も誰も何もしようとしない。
そしてトイレで暴行される。が、結局助けは来ない…。

その間、どのような思いになるか。


その女性は、見知らぬ男にモノ扱いされた。
その女性は、社会から見捨てられた。

夢も希望もあり、普通に生きていたのに、ある日突然、
人間性を抹殺され、社会的に抹殺されたのだ。

その女性は二重に殺された。
まったく普通の日常の現場で。


人を信用できるか。
社会を信用できるか。
できなくなるだろう。

そして、
自分を信用できなくなるだろう。


なぜ、自分がこういう目に遭うのか。
なぜ、こんなやつに出遭わなければならないのか。
自分が罰を受けるような何か悪いことをしたのか。

なぜ、こんなやつが野放しにされているのか。
なぜ、誰も動こうとしないのか。
私は、見向きもされない存在なのか。


夢や希望、これまで努力して築き上げてきたもの
―それら全てが、ある日突然、何の脈絡もなく、一瞬にして断ち切られ突き崩される。

ほんの一瞬前まで自分がやってきたことは何だったのか。
全ては人のため、社会のため、そして自分のため、自分のできることを頑張ってきた。
しかし、社会はその自分をいとも簡単に見捨てた。
人の社会って何だ。


自分はちっぽけだ。
人間はちっぽけだ。
こんな社会に生きる意味がない…




このように、被害にあった人は、人を社会を信用できなくなっていく。
人が怖くなり、そういう人間が野放しにされている社会が怖くなる。

つまり、社会で生きることが怖くなる。
社会的生を否応なしに奪われるのだ。

そこから立ち直るにしても、「理由」がなければきっかけがつかめない。
理由が分からなければ、人は次に進めない。


なぜ?

あらゆることが頭を駆けめぐる。

なぜ、なぜ?

あまりにも理不尽なことに、納得できる回答はどこにも見あたらない。

なぜ、なぜ、なぜ?

問いが頭を支配し、グルグルと無限ループの中に落ちていく。
全てにやる気が失せ、鬱の中に沈んでいく。

トイレに行くのがやっと。
あとは、寝ているだけ…ただ、頭の中は無限地獄―そういう鬱に突入していく。


理不尽なことは消化されない。
その記憶が、自分に同化していかない。
だから、隔離された記憶となって“そこ”に存在する。
そして、いつまでも生々しいフラッシュバックとなって自分を苦しめることになる。
場合によっては、一生苦しむことになる。




「暴行」ではない。
「殺人」だ。

このような事件が起こると瞬時に娘のことを思う。
私は復讐の鬼になるだろう。

だから、その場で行動しているだろう。


既にこの男は、何人か「殺人」を繰り返しているのだろう。
何人か殺しているのであれば、どのような刑になるか。
警察は、それでも殺人鬼を野に放つのか。


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こういうことが白昼の銀座のど真ん中でも行われた時期があって、米軍人による性犯罪被害に限定しても一万以上、GHQ資料による連合国軍関係者以外による日本人殺害だけでも四千人以上、GHQ後遺症もありかと。

先ず。GHQ時代はまだ日本が連合国と戦争していた時代です。連合国との戦争はサンフランシスコ会議で調印された日本との平和条約が発効する迄、日本側が一般人の骨董刀剣類迄没収された完全武装解除状態で、連合国が指定する日本国領域内の諸地点を自由に占領出来、天皇及び日本政府の統治の権限をGHQが制限出来る状態で継続していました。日本側の戦争目的はポツダム宣言の条件を連合国に守らせ、自国民の福利の追求を日本人国家の最高かつ絶対の目的とする権利を持つこと=最高法規を憲法とする権利を認められること≒独立主権国家と承認されて戦争状態を脱すること。連合国側の戦争目的はポツダム宣言の条件を反故にすることです。この戦争は既に終わっていて、相互に責任は問わない。既に歴史の一部です。当時の日本人が生きるために批判できなかった連合国の戦争プロパガンダを今も鵜呑みにする必要もなければ、連合国の行為を全否定する必要もありません。GHQが完全に日本を意のままに出来たわけでもなありません。GHQ時代も連合国と戦争状態で戦争はもう終わっています。最高法規は(現憲法前文の「われらとわれらの子孫」に該当する憲法改正当時の日本人とその純血子孫である)日本人の福利のための憲法です(純血の福利のために純血以外も国民として平等でなければならないので国民を平等とします)。
GHQ時代がその後の日本にどういう影響を与えていて、悪影響についてはどう克服するか考え、対策する。それだけです。

ドイツもイスラム教徒による大規模な集団性犯罪事件に対し、居合わせた一般ドイツ人もドイツ警察も対処出来ず、政府も対策が取れません。ドイツ人国家は消滅していてドイツ人のほとんどが日本人より遥かに過酷な体験をしています。ドイツ人男性が抵抗出来ない状態でドイツ人女性の八割が被害に遭っています。近い体験をしたのは満州、南樺太、千島、朝鮮在住の日本人だけです。
しかし内地でも、抵抗したり同胞を助けようとする日本人も殺傷されたり逮捕され、警察は無力、マスコミ等も批判出来ない。警察まで軍のように解体される訳にはいかず、司法も正当防衛や緊急避難を極力認めないようにし、国民は犯罪を見て見ぬ振りをすることを強要される体験をもちました。特にGHQ時代の前期にそういう時代を日本人は経験してます。今も日本の司法は、犯罪被害被を被らないよう抵抗した人達や助けようとした人達に対し過酷です。

 

見てみぬふり

小学校の頃のいじめを見て見ぬふりをしていた先生達や同級生を思い出しました。
目の前で泣きながら細い声で死にたいと言ったあの子に私は呆然と立っているだけで何も出来ませんでした。
先生はいじめはただ面倒くさいとしか思っていないこと、いじめに加担していない子達も自分が狙われるのが嫌だから関わりたくないのだろうと態度で分かってました。
私もいじめられていたので安い同情をしていただけだからあの子を助けようとしなかった 今の私はきっと記事の中の見てみぬふりをした人間と同じです。最低だと思います

 

人間のロボット化

あれだめこれだめの禁止令と、あれやれこれやれの縛りの中で幼少期から育っていますから、自主的に動くことができないロボット化が進んでいます。

指示や命令で動き、意志や感情で動くことのできない人が増えているように思います。その表れが、この事件だったと思います。

親子3代さんやkalakalaさんのように、辛い思いをしたからこそ、勇気ある行動が取れるのかも知れません。

それにしても…『「そういう考え方もあるんだなあ」と思った』―唖然としますね。目の前で人が一人殺されているのを全員が許可したわけです。全員で、その場でその男を蹴飛ばした方が早いでしょう。

理解できません。

 

10年前

中尾さんのように、おかしい、狂っている、と声を大にして言ってくれる人がいる、そのことが分かって安心しました。

10年前あるML(メーリングリスト)で、この事件と似たようなことがありました。

ある中東の国で、真昼の市場が並ぶような公共性の高い路上で、大勢の目前で、一人の男が一人の女をレイプしていたそうです。
全ての人が、見ているだけで、誰も止めなかったそうです。
なぜ?とある日本人が尋ねたようです。すると「あの男は、死刑にされる。だから最後までやらせてやれ。」と現地の人は答えたそうです。
それを聞いたある日本人は「そういう考え方もあるんだなあ」と思ったそうです。


本当に愛があるなら、男に罪を犯させることを許さず、止めようとするはず。女が傷つけられないように、止めようとするはず。
何でも許容するのは愛じゃない。

 

悲しすぎます。

すごみのある怖い声で、睨まれ怒鳴られたら誰だって恐ろしいでしょう、それは分かります。でも、でもだからと言って・・目の前で何も言えず抵抗も出来ず泣きながら連れていかれる女性の姿を見て、そこにいた人たちは何も出来なかったのでしょうか?悲しすぎます。今の時代携帯もあるし必ず彼女を助けてあげられる道はあったはず。それも40人ちかくも乗客がいての状況、犯人は1人ですよ。同じくらいの娘を持つ母として、辛すぎます。ひどすぎます。なぜ行動を起こした人がそこには一人もいないの?私には理解できません。男性が怖い私でもそこにいたら絶対に行動しています。

 

辛いです

昨日はこのニュースを新聞で読んで、とても辛かったです。
中尾さんがblog記事として書き起こしてくれたことに、とても感謝したい気持ちです。

ですが、覚悟しないと読めそうにありません。

準備が出来たら読みたいと思います。

 
    
 
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