「餓鬼人間」-存在承認に飢えた鬼
その餓鬼が、この世にはうようよいる。
それは、「愛情」と「存在承認」に飢えた鬼。
その本体は、親から愛情をもらえず、あるがままの自分を認めてもらってもいない、弱々しく泣いている赤子。
愛情をもらっていない人が人を愛することはできない。
自分が飢えてひもじい人は人のことをかまっていられない。むしろ、人から奪ってでも飢えをしのごうとする。
自分の存在に対する根源的不安(存在不安)。
自分はこの世に受け入れられているのか? 愛されているのか?
だから次のような症状を持つ。
■1,自分が生活の根底を支えていることを【吹聴】する
「誰が稼いでるんだ。言ってみろ」
「誰のおかげで飯が喰えると思ってんだ」
「お前は誰のおかげで生きていられるのだ?」
「誰のおかげで学校に行かせてもらってるの?」
■2,事あるごとに自分の存在を【承認】させようとする
「俺を誰だと思っている」
「俺はお前の夫(父親)だぞ」
「私はあんたの妻(母)なんだよ」
■3,自分を認めてもらうきっかけづくりのために【仕掛け】る
「私がせっかく買ってきてやったものが嬉しくないの?」
「あんたの為にわざわざ買ってきてやったのよ」
「俺がせっかく連れてきてやったのに、楽しくないのか?」
「俺が休みを潰して連れてきてやってるんだぞ」
■4,自分が大事であることを【確認】させる
「私と○○とどっちが大事なの」
「俺の命令と○○とどっちが大事なんだ?」
「感謝の気持ちがあれば○○できるはずだ。感謝の気持ちがないのか?」
■5,自分を大切にすることを【要求】する
「なんで俺を怒らせるんだ?」
「私の気分を悪くするようなことを言って何か楽しい?」
■6,自分を大切にしなかった相手を【非難】する
「お前のせいだ」
「お前が悪いんだ」
「あぁ、あんたのせいで気分が悪い」
■7,自分を認めさせるために相手を【脅迫】する(支配と服従を明確にする)
「文句があるなら言ってみろ」
「俺の言うことが聞けないなら出て行け」
「そうか。おまえも俺に口答えするとは偉くなったな。もう一人前だから出て行け」
■8,自分を認めなければ【罰】を与える
「約束を破ったあんたが悪いのよ」
「やれば壊さなくてすんだんだ」
「言うことさえ聞いてりゃ、こんなことはしない」
■9,自分を認めない人間は【不要】であることを教える
「じゃあ、腹の中に帰れ」
「お前がどうなたって俺の知ったこっちゃねぇ」
「欲求」「欲求」「欲求」…のオンパレードだ(--;)。
関係者は、その「餓鬼」を承認するための「道具」として使われる。
だから、心が安まる暇がない。
これに加えて、「餓鬼人間」の奥底には親に対する怒りがある。
自分を愛してくれず、認めてくれなかったことへの深い深い怒りだ。
■10,親に対する【怒り】のマグマがたまっている
一挙一動、一言半句すべてに怒りがある(本人は「怒ってない」と言う)。
怒りは、吐き出すきっかけをほしがっている。だからきっかけは何でもいい。上記1~9までの承認欲求の行為につながることの全てが「怒り」を吐き出すチャンスにもなっている。
こうして、「餓鬼人間」は本来自分の親に欲求すべきことを家族に向けて要求し、同時に怒りを吐き出している。最初からその「環境」に生まれてきた子供に、親の心のそういうメカニズムを知るよしもない。だから、怒られる自分が悪い子なんだと思ってしまう。
ハッキリ言う。
「あなたは悪くない」
「どこも悪くない」
自分を信じてください。
あなたにかけているところはありません。
あなたはおかしくありません。間違ってもいません。
壊れているのは、こういうことを言う人の方だと言うことを「明確に」認識してください。
そして、恐れる必要はありません。
本体は、「弱々しく泣いている赤子」なのです。
一度、物理的に離れて、安心できる場所から眺めてみればハッキリと分かります。
あぁ、なんてちっぽけな存在だったんだ、と。
「餓鬼人間」
(2)-「金」への執着
(3)-「居場所」作り
(4)-真綿の支配