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「餓鬼人間」(3)-「居場所」作り

2007/05/09(Wed) Category : 存在不安
親はこの世の拠点(安全基地)です。
安全基地とは、
1,あるがままの自分が認められて回復し(承認欲求)
2,気持ちを受け止めてもらえて心のコップを空にして軽くなれる所

ところが、親がそれができなければ、そこは自分の安全基地ではありません。
自分は愛されない存在なのではないかという「存在不安」と「ストローク飢餓」に駆られて、自分の居場所を求めて彷徨うことになります。(ストローク=その人の存在を認める働きかけ)




■4,【家】に執着する
最も分かりやすいのは、「家」です。
その中で自分が安心できる器。そのため、家を持つことに執着します。
家を持つことに執着しますが、それは家族のためではありません。家が自分を守る鎧の一部であるように、家族もまた自分を守る鎧の一部です。鎧が意志を持つことは許されません。本人にとっては鎧、家族にとっては監獄になります。



■5,【職場】を居場所にする
逆に家に執着しないケースもあります。
家や家庭に幻想を抱きません。家以外の場所に自分の拠点を作ろうとします。
多くの場合、それは職場です。特に、ローカルや専門性などで1つの職場に長く居座る場合、その職場自体が居場所になってしまうことがあります。
この場合、全ての生活が職場のリズムを中心に回り始めます。
生活が主で、仕事は従、職場はその器のはずなのですが、職場が主で、生活も仕事も従になってしまうのです。

職場がワールドですから、そこにいると安心し落ち着きます。そのため、無意識にあの手この手を使って自分の持ち場を死守しようとします。巧妙に自分の仕事をブラックボックスにして、「余人に代えられない」ように仕組むこともあります。
また、どんな目に遭っても、そこに居残ろうとします。そこしか生きる場がないからです。



■6,【事業】を起こす
自分で居場所を作ってしまう人もいます。
事業を興すのです。自分が社長であればオールマイティです。従業員は全員自分のことを見てくれますから、ストローク飢餓を満たすことはできるでしょう。
ビジネスのためというよりも、自分の居場所確保のために事業をしている人は多くいます。沈んでいく例も成功例もあります(世間的には)。
この場合、家族は手足として使われる一方で、その生活は放置(ネグレクト)されることが多いです。



■7,【仕事】に超人的に打ち込む
自分の居場所を「器」ではなく、「仕事」に求める人もいます。
人からストロークをもらうために、仕事人間(仕事依存:ワーカホリック)になります。何でも自分に仕事を集める「仕事の虫」です。仕事過剰で心身を壊すまでとどまるところを知りません。
時に超人的に働き、世に認められる業績を残す人もいます。いわゆる成功者の中にはそういう人もいるでしょう。





…ところで、上記のことはいずれも「人工的」なことです。ですから、いつ崩壊するか分かりません。
そのため、居場所を作ると同時に、その維持が最大の仕事となってしまいます。朝から晩まで、その創り上げた場所をどう維持し続けるかが「生きること」と同化してしまうのです。

たとえば、4の「家」であれば、人間である家族をどのように鎧にし続けるかという策を考え続けなければなりません。考えるだけで実に驚異的なことをやってしまうのです。なぜなら、そこが生きる拠点だからです。


親が安全基地でありさえすれば、子は安心して自分の人生に向かって飛び出していけます。
しかし、安全基地がない場合、子は安全基地作りとその維持のために一生を費やしてしまうのです。飛び出すことにより自分の人生が開けるのですが、一歩も自分の人生を歩まないままに生涯を終わる人も多々いると思います。





悲惨なのは、その安全基地が崩壊したときです。
莫大なエネルギーを費やしてきただけに、一挙に鬱になったりすることもあります。絶望することもあるでしょう。

でも、それは人工的な安全基地から卒業するときなのです。
人間は神ではありません。
人が作ったものは壊れます。

壊れないものは、人と人との絆です。
全てが崩壊したがれきの中に、あなたと手をつないでくれる人が立っているはずです。


人への信頼を取り戻しましょう。



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そうですね

このブログ、とても勉強になります。
自分の居場所、私にとっては宗教でした。その居場所をなくし、育った家族にも居場所を見いだせない大人はどうやって自分を成長させられますか?他にまた居場所を見つけ、執着してしまうのが怖いです。

 

絆とは…

>壊れないものは、人と人との絆です。
 全てが崩壊したがれきの中に、あなたと手をつないでくれる人が立っているはずです。

被災地に住んでいます。世界中からの温かい支援を受け、有難く感じ、人間の絆に勝るものは無いと思っていたさなか…

夫の不倫が発覚しました。
少なくとも一年半前から。震災前後も継続。

一生を誓ったはずの伴侶に裏切られた…
妻子を置いて出て行き音沙汰無し。
でもこんな悪事が出来るような男性を信じて結婚したのも、自分。

ごめんなさい。
人と人との絆も、壊れる時は壊れるのです、しかも一瞬で…
我が家族が築いた歴史・思い出をも、津波は海の彼方へとさらったのでしょうか。

私が再び人を信頼する日がくるまで、想像以上の年月がかかりそうです。
(独り語り失礼致しました。)

 

わからないこと

 私自身、心に重点を置いて生きようと、実家から飛び出して派遣等で単身生活なんかをすると、確かに激しい不安を感じてしまいます。  

 ただ一方で、それがあまりにも“自分自分”と心ばっかかばって内にこもりすぎて、自己中なことのようにも感じたりして・・   

 
 それはもしかすると、心をゆっくりと見つめるゆとりがないだけ(或いは今更心に注目しようとするとそれまで犠牲にしてきたものがあまりにも大きく、怒りの処理をしきれず自分の精神や内面のバランスを崩してしまうからもう蓋をしたままにしとくということ)なのかもしれないけど、

 
 心に負荷を持って生きてるからこそ、そこから一段大きく自分の器を広げたり、輝いたり人生を咲かせることにより深い意味と価値があるのかも、と思ったり。

 もちろん、それが実はただ耐えてるだけで、ふたを開ければ幸せな人への恨みつらみや怒りを感じるだけなら、無理せず“愛が欲しい”と他者から素直に愛情を受け取る方がよっぽど健全な人間ができるしましだとは思います。

 心がついてきてなかったら、それ以外の側面でその人がどんな才能を社会に還元してても、虚しいだけなんでしょうか。

  
  全部一から満たされりゃ、誰だって同じライン、より自分の本心の望みから生きやすくもなる。

 けどある意味、心の負荷を乗り越えたり、もう一歩器を広げられなかった人間の、免罪符なのかもしれないじゃん?“心が心が・・”って。

 私にとっては今、免罪符かもしれないな・・。

 ホントの心の豊かさって・・。器を広げ、より自分の中の光を開花させること。 って、実際どんな感じなんだろう。 体感しないとわかんないな。


 まぁでも誰かが頑張りすぎるのはよくないな。絶対その“愛に飢えた者の努力”を喰い物にする人間がいるから。そういう意味では一人が頑張りすぎることも罪だと思う。背負って頑張りすぎるんじゃなくて、頑張ってなさすぎる奴、未熟な者を導かなきゃ。

 教えるんじゃなくて、気付かせる。その人自身がその人自身の中に教えを育めるように。

 ただ誰かが背負って苦しい思いしてなぁ~んの無理もしてない奴を抱えたりかばったりしてたんじゃ、いつまでたってもこの世の中、苦しい人ほど苦しくて、楽するやつほどとことん楽する。

 そうじゃない。お前と同じ人間なんだぞ、
むしろお前より負荷を抱えてる人間がこうして同じ時や空間をともにして生きてるんだぞ、って。

 いちいち敵視してる場合か。


 全てが崩壊したがれきの中で、私と手をつないでくれる人っているのかな・・  誰だろ・・。誰もいない気がする。(悲)。

 
    
 
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