「怒り」を理解しよう(1)-怒っているのに怒っていないという人
夫は、「怒っていない」と言う。
子は、「お父さんの目がコワイ」と言う。
父は、「普通に見ているだけだ」と言う。
家族は、「大きな声出さないでよ」と言う。
父親は、「普通に話している」と言う。
家族は、母親の立てる乱暴な物音にピリピリと構えている。
母親は、普通にやっているつもりでいる。
周囲は緊張し、萎縮し、怯え、自分を殺す。
しかし、当人はまったく自覚がない。こういうギャップは本当によく見られる。
『「餓鬼人間」-存在承認に飢えた鬼』で、「10,親に対する怒りのマグマがたまっている」と書いた。
実の親に対する怒りを自覚していない。否、親に認めてもらいたい気持ちがあるので、無意識に親との対決を避けているのである。
しかし、「怒り」は、“そこ”にある。
“そこ”とは、自分の心の中だ。
その溜まった怒りは、常に吐き出し先を探している。
吐き出す格好の餌食は、自分の家族だ。次に職場だ。
自分の親に向けるべき怒りを自分の家族に向ける。
自分の問題なのに自分と向き合うことから逃げ、家族をや職場を道具にする。
そして、
見る目は人を射し、
聞く耳は怒るきっかけを探し、
口から出る声は常に怒気を含んでいる。
内側から怒りのマグマが押し上げているので、声の音量調節ができない。一本調子の大声でしゃべる。
体はイライラとして発散しようとし、動作も激しくなる。
無意識に怒りをまき散らしているのだ。
★「怒り」を理解しよう
(1)-怒っているのに怒っていないという人
(2)-「怒る」と「叱る」
(3)-「怒り」をコントロールできるか
(4)-「怒り」はコントロールできない
(5)-「怒り」の発散5段階
(6)-人はどのように怒りを吐き出そうとするか?