喪失を乗り越えた河直美
2007/06/05(Tue) Category : 人物
クローズアップ現代で河直美のインタビューを見た。
一言一言が響いてきた。
あぁ、この人は、自分の存在を確認するために映画を撮り続けてきたんだ…そう、思った。
「喪失」が、この人のテーマなのだ。
河直美-第60回カンヌ国際映画賞でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞した「殯の森」(もがりのもり)の監督である。
生まれてまもなく両親が離婚したと聞いたときから、私の耳がピンと猫のように立った。
ホームページを見てみると、生まれる前に両親は別居し1歳半の時に離婚。
祖父母も離婚をしていたため母は身を寄せる所がなく、母方の叔母夫婦に預けられる。
(両親の顔は知っているのだろうか?)
子宝に恵まれなかった叔母夫婦は彼女を実の子のように育て、小学校4年生の時、養女となり「河瀬」姓を名乗ることになる。
14歳のとき、養父が66歳で他界。以降は、養母と二人の生活。
中学時代はヤンキー
高校時代はバスケ部の主将
奈良県代表で国体にも出場するほどの努力を積む
しかし、スポーツは選手寿命がある。
そこで、生涯現場に立っていられる仕事を探し、「ものづくり」に。
出逢ったフィルムの世界で、彼女は自分とこの世とのつながりを探し続けた…。
私生活では、代々の連鎖を繰り返すかのように離婚。
しかし、再婚後に我が子が生まれて一つの答えを見つける。
命のつながり-自分はその連鎖の一部。
それから、人を包み、時に拒絶する、生き物のような森。
人と自然はつながっている。
自然や魂など、目に見えないものとも
実は自分はつながっている…
そうやって彼女は、自分の存在の意味を見出したのだろう。
それが、グランプリ受賞のスピーチにつながる。
『お金とか服とか車とか、形あるものによりどころを求めようとするが、満たされるのは一部。目に見えないもの―誰かの思い、光、風、亡くなった人の面影。私たちは、そういうものに心の支えを見つけた時、たった一人でも立っていられる、そんな生き物なのだと思います』
今この国は、喪失した人や自分の存在を確認できない人があふれかえっている。
一人で立っていられず、何かに依存したい人だらけだ。
河瀬さんは、そういう人たちの一つのモデルになるのではないか…ふと、そう思った。
河さんは、世界がおかしな方向に向かっていることを感じている。
その世界は河さんのメッセージを受け取った。
確か彼女は言っていた。
「日本が失ったもの」
日本が最もそのメッセージを受け取らなければならないところに来ている。
しかし、商業主義で上滑りに突っ走る日本の映画館で上映する館は少ない。
殯(もがり)とは、遺体の仮置き場のこと。
…もしかして、死に体日本のこと…?
一言一言が響いてきた。
あぁ、この人は、自分の存在を確認するために映画を撮り続けてきたんだ…そう、思った。
「喪失」が、この人のテーマなのだ。
河直美-第60回カンヌ国際映画賞でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞した「殯の森」(もがりのもり)の監督である。
生まれてまもなく両親が離婚したと聞いたときから、私の耳がピンと猫のように立った。
ホームページを見てみると、生まれる前に両親は別居し1歳半の時に離婚。
祖父母も離婚をしていたため母は身を寄せる所がなく、母方の叔母夫婦に預けられる。
(両親の顔は知っているのだろうか?)
子宝に恵まれなかった叔母夫婦は彼女を実の子のように育て、小学校4年生の時、養女となり「河瀬」姓を名乗ることになる。
14歳のとき、養父が66歳で他界。以降は、養母と二人の生活。
中学時代はヤンキー
高校時代はバスケ部の主将
奈良県代表で国体にも出場するほどの努力を積む
しかし、スポーツは選手寿命がある。
そこで、生涯現場に立っていられる仕事を探し、「ものづくり」に。
出逢ったフィルムの世界で、彼女は自分とこの世とのつながりを探し続けた…。
私生活では、代々の連鎖を繰り返すかのように離婚。
しかし、再婚後に我が子が生まれて一つの答えを見つける。
命のつながり-自分はその連鎖の一部。
それから、人を包み、時に拒絶する、生き物のような森。
人と自然はつながっている。
自然や魂など、目に見えないものとも
実は自分はつながっている…
そうやって彼女は、自分の存在の意味を見出したのだろう。
それが、グランプリ受賞のスピーチにつながる。
『お金とか服とか車とか、形あるものによりどころを求めようとするが、満たされるのは一部。目に見えないもの―誰かの思い、光、風、亡くなった人の面影。私たちは、そういうものに心の支えを見つけた時、たった一人でも立っていられる、そんな生き物なのだと思います』
今この国は、喪失した人や自分の存在を確認できない人があふれかえっている。
一人で立っていられず、何かに依存したい人だらけだ。
河瀬さんは、そういう人たちの一つのモデルになるのではないか…ふと、そう思った。
河さんは、世界がおかしな方向に向かっていることを感じている。
その世界は河さんのメッセージを受け取った。
確か彼女は言っていた。
「日本が失ったもの」
日本が最もそのメッセージを受け取らなければならないところに来ている。
しかし、商業主義で上滑りに突っ走る日本の映画館で上映する館は少ない。
殯(もがり)とは、遺体の仮置き場のこと。
…もしかして、死に体日本のこと…?
河?P直美
第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で ...