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JR福知山線脱線事故の深層-第1部 事故の構造的要因 (5)軌道に現れた「民営化」の本質

2007/07/15(Sun) Category : JR福知山線脱線事故の深層
■5,軌道に現れた「民営化」の本質

事故にいたる根本原因は1997年の軌道変更にあります。ではなぜ、わざわざカイアクをしたのでしょうか?

最初に線路が敷設された時点で「安全は確保」されているはずです(国鉄マンは優秀)。それをわざわざ変えるのは、変えるべき別の理由があったはずです。
それは、尼崎駅にスムーズに接続して輸送を効率化するためでした。スピードアップが「集客」につながる-そのポリシーの下、「スピードの確保」のためにわざわざ軌道を変えたのです。

JR西は、「安全軌道」を捨て「高速軌道」に変えました。
JR西は、「安全」よりも「効率」を上位においたのです。

すべてのルールや仕組み、人事評価に至るまで、システムはポリシーに則って作られていきます。看板を「安全」から「効率」に掛け替えた結果、軌道も変更されたのです。この軌道変更は、JR西が何にもっとも価値をおいているのかが目に見える形として表れたものでした。

その価値が妥当なものであれば形も美しいでしょう。
しかし、誰が見ても美しくないこの軌道は、価値がまっとうなものではないことを目に見せています。





では、なぜ「安全」という看板を捨て、「効率」に掛け替えたのか?
それは、民営化されたからです。

民営化の本質は、コイズミ氏が盛んに喧伝したような“サービス向上”ではありません。「利潤追求」です。
利潤を得るために、その“手段として”サービスが向上する場合もあるでしょう。が、利潤を生まなければ撤退する。それが、「慈善事業じゃない」が口癖の、民間の冷徹な経済法則なのです。

「民間でできることは民間で」と言えるのは、ある一定以上のサービスについてです。ライフラインや弱者救済にかかわることについては、国は手放してはいけません。
なぜなら、
コストにかかわらず、やらなければいけないことだからです。そして、
コストがかかるからといって、撤退してはいけないことだからです。

この国に生まれた人は、老若男女、貧富の差を問わず、安全にかつ安心して暮らす「権利」を持っています。すべての人が等しくその権利を享受できるために、私は税金を払っています。
国はその税金をどうか正しく使ってください。

(そして私たちは、税金を正しく使える政治家を私たちの手で選ばなければなりません。政治がそうなっていないと言うことは、政治に無関心であった私たちへのツケです)


利潤追求の競争に勝てなければ生き残れない民間企業になってしまったJR。民営化されたJR西は、競争に勝つために無茶なスピード競争に走ったのでした。



-------------------------------------------------------
(蛇足)
「美しい国」とは目指すものではありません。それぞれが真っ当な行いをしていれば、結果として成るものなのです。安倍首相の唱える経済優先主義が「美しい国」につながらないのは、上記レールを見ても明らかです。

(参考)
安全と安心の価値



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