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JR福知山線脱線事故の深層-第2部 信楽高原鉄道事故の教訓 (1)利潤追求のための無茶な増便

2007/07/15(Sun) Category : JR福知山線脱線事故の深層
■1,利潤追求のための無茶な増便

民営化の本質は、国鉄民営化後わずか4年後にして起こった列車の正面衝突という大惨事-信楽(しがらき)高原鉄道事故に象徴的に現れています。

京都新聞の「赤信号で走った列車-リポート・信楽高原鉄道事故の真相」の記事を参考に事故を振り返ってみましょう。





利潤確保のためにまずなされることは「コスト削減」です。
当然、利用客が少なければ「不採算部門」として切り捨てられます。ちなみに私が小学生時代を過ごした町-鹿屋からは鉄道がなくなり、さびれていきました。

同じく不採算部門としてJR西に切られた信楽高原鉄道。
しかし、信楽町は世界陶芸祭に湧きます。稼げる→増便したい。
ところが、レールは一本しかないので、上りと下りがぶつからないようにどこかの駅で待機してやり過ごす、という運行になりますから増便数は決まってきます。

にもかかわらず、信楽駅から貴生川駅まで一日に15往復だったのを26往復にほぼ倍増するという無茶な計画を立て、その行き違い待機場所として無人駅(小野谷信号所)をわざわざ新設しました。


この待機場所こそが安全の要となる地点なのですが、なんとそこはコスト削減のため無人駅。ルールで対応しようとしました。この時、貴生川駅で草津線(JR)から高原鉄道(3セク)に乗り入れるJRは、小野谷信号場の信号をJR西側で操作したいと考えました。草津線の運行に高原側の運行を対応させるためです。

その打ち合わせの際、高原側の設計会社の部長は『小野谷信号場は高原鉄道の設備なので、JRさんが扱うのはおかしいんとちがいますか』と言ったそうですが、高原側が出した案をJR西側が遠隔操作できるように勝手に変えました。

しかも、陶芸祭直前に『信号システムの説明会が、二回にわたり信楽駅で行われ』ましたが、専門家がいない高原側に、そのシステムの内容を理解した人はいませんでした。



以上見てきただけでも、経済性優先(効率優先+コスト削減)かつ安全軽視の流れで物事が推し進められていることがわかります。無茶な増便+無人駅+信号システムの不備…安全体制をしっかりしないままに大量輸送が開始されたわけです。

ここに、事故の芽は蒔かれました。





(蛇足)
「あってはならないこと」という「トカゲのしっぽ切り」の呪文

「あってはならないことが起こった」-企業不祥事が起きるたびに、あまりにも安易にこの言葉が使われています。
利潤追求に走るあまり、やってはいけないことや無茶なことをさせる仕組みにしておいて、いざ事があると「あってはならないこと」と言いつつ現場に責任をとらせて「トカゲのしっぽ切り」で終わる-このまやかしが犠牲者を出しても出しても、連綿として行われています。

「あってはならないこと」が起こるのは、経営者が「やってはならないこと」を押しつけているからです。
企業は利潤追求のために存在しているのではありません。
人の社会を幸福にするために存在しているはずです。
その原点を踏み外した企業は、いずれ淘汰されていくのです。



【参考】
会社が変わらない理由




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