プロフィール
 

中尾英司

Author: 中尾英司
Doing(させる,働きかける)ではなく、Being(共にある,見守る)―半歩あとから


中尾相談室のカウンセリング概要
カウンセリング申込み要領

中尾真智子ブログ

ホ・オポノポノ to IC―
「ごめんね」「ゆるしてね」
「ありがとう」「愛している」

 
ピックアップ目次
最近の記事+コメント
 
 
カレンダー(月別)
 
11 ≪│2023/12│≫ 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
 
カテゴリ
 
 
全ての記事を表示する
RSSフィード
 
 

JR福知山線脱線事故の深層-第5部-「日勤教育」に内在するダブルバインドの構造 (1)完成された支配のメカニズム

2007/08/30(Thu) Category : JR福知山線脱線事故の深層
■1,完成された支配のメカニズム

さて、人を服従させる心理メカニズムをダブルバインド理論で見てみましょう。

先ず、「自己反省文を書け」と命じられます。
自殺した服部運転士のように、書くことがなくても強制されます。これが、「指示に従わないことを禁ずる命令」(第一次禁止令)です。

そこで、運転士が出発が遅れた事情を説明しようとしました(安全点検のためです)。すると、『そんなことを言っても、お前はミスをした』(新聞より)と言われて異議申し立てを封じられます。これが「異議申し立てを禁ずる命令」(第二次禁止令)です。

このように「指示に従わないことを禁ずる命令」(第一次禁止令)と、その命令に対する「異議申し立てを禁ずる命令」(第二次禁止令)を出して二重に拘束(ダブルバインド)し、こちらの命令どおりに文句を言わせず行動させる手法をダブルバインドと言います。


簡単に言えば、人間をやめて指示通りに動くロボットになれと言っているに等しいのですが、「ロボットになれ」ということは倫理にもとることですから、このようなもってまわった手法を使うわけです。結局、ダブルバインドに遭った被害者は、自分の感情は押し殺したまま、一方的に相手の感情や言い分を受け入れざるを得ない立場に押し込められてしまい操り人形になっていきます。





ダブルバインドから逃れる方法は一つしかありません。
それは、ダブルバインドを行使する人間(支配者)から逃げることです。

では、逃げられたでしょうか。


運転士は、管理者の取り囲む部屋に隔離されて空間的に逃げ場を失います。
しかも、“教育”期間には期限がないため、時間的にも逃げ場を失うわけです(後何日で解放される(フリー)という出口がありません)。
つまり、時空間的に逃げ場のない状況に被害者は追い込まれるのです。

裁判でも、この「逃げ場がない」という心理状況に注目してほしかったと思います。初めから『3日間』と限定されていたのではなく、「期限はなかった」のが事実ですから。この無期限という閉塞状況がどれほど人を追い詰めるか…。


それでも逃げるためには辞めるしか道は残されていません。
しかし、生活がかかっているために逃げられない…。

このように、「逃げることを禁じる」状況や命令を(第三次禁止令)と呼びますが、この第三次禁止令をもってダブルバインドは完成します。

いかがでしょうか、「日勤教育」という現場では、ものの見事に、人を操り人形にするダブルバインドの状況が完成していることが分かると思います。


関連記事
 
Comment0  |  Trackback0
 
 

Trackback

 

Trackback URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 
 

Comment

 
    
 
Home | Top ▲
 
はじめにお読み下さい
 

読まれる上での留意点
自分を取り戻す方法総目次
*全記事リンクフリーです

 
検索フォーム
 
 
著作
お問い合わせなどあれば↓
 

名前:
メール:
件名:
本文:

 
会場でお会いしましょう(^^)
記事・インタビュー他
わが子を守るために
写真
ブックマークに追加
 
 
月齢
 
Today's Moon phase
 
QRコード
 
QRコード