心が亡くなる過労死大国
2007/10/06(Sat) Category : 世相・社会
■残業140時間、過労死で賠償命令=8300万円、薬剤師の両親勝訴-名古屋地裁
(時事通信社 - 10月05日 20:11)
東海地方でドラッグストアを展開する「スギヤマ薬品」(名古屋市千種区)に勤めていた薬剤師杉山貴紀さん=当時(24)=が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、静岡県大井川町に住む杉山さんの両親が同社を相手に慰謝料など約2億600万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、名古屋地裁であり、多見谷寿郎裁判長は計約8300万円の支払いを命じた。
多見谷裁判長は、杉山さんが死亡する前の1カ月間の時間外労働は約138時間にも上り、休日も2日しかなかったと指摘。「必要な睡眠時間の確保も難しく、疲労が過度に蓄積していく状態だったにもかかわらず、会社側は適切な措置を怠った」として、過労死を認定した。
私が「あきらめの壁をぶち破った人々」に書いた会社の状況も相当異常だが、その後、講演やセミナーなどでいろいろな会社を訪れるようになって、働き方が加速度的におかしくなっていることを実感した。大手であっても、上滑りに滑っている。腰を入れた仕事ができていない。本気で取り組む仕事は避けようとしている。マネジメント不在で疲れきっている。-そう、感じた。
以前、ある編集長が本作りは年6冊がベスト。それ以上は質を保てない。と、言っていたのを思い出す。私も、出版に関わることになったとき、この業界自体が自転車操業で、作家を育てていく余裕などないことが分かった。
毎日200冊もの新刊すべてを、毎朝書店員が並べ替えられるはずもない。時に配送された段ボールから出されないまま、一度も日の目を見ないままに送り返される本もかなりあるようだ。いったい、なんのための本作りか…。
昨日、たまたま立ち読みした週刊ポストで、みのもんたの「朝ズバ」の女性ディレクターが突然死した記事を読んだ。短期間に8kgも痩せた後の突然死だった。
テレビに関わったとき、2週間後のことが決まっていないことに驚きを覚えた。まさに“場当たり”で変わっていく。これでは勢いやっつけ仕事にならざるを得ない。体にむち打ち、突貫工事でようやくつじつまを合わせている。
メーカーも、出版業界もテレビ業界も「目先」に振り回されていた。振り回されるから無理がいく。無理した挙げ句いいものはできない。結果、企業は不良品回収に多額の金をかけ、本離れ、テレビ離れが進む。
浮き足だって大量に生産して、大量に消費して、後に何が残る…。
突然死、過労死、過労自殺…
あらゆる業界に過労死や過労自殺が広がっている。
医師、教師、福祉の現場、公務員、会社員…今やすべてが3K職場だ。
人が使い捨ての道具のように扱われている。
人間の尊厳を傷つけられて、知らず「怒り」が蓄積されていく。
「キレる大人」が増えるのも当然だ。
道具のように扱われた人は、他の人を道具のように扱う。
そして、ハラッサーが繁殖する。
今日も今日とて、北海道からパワハラの相談があった。
「忙しい」と「心」が「亡くなる」。
心はゆったりとした時間の中でなければ出てこない。自分が育たない。
心を置き去りにすると言うことは自分を置き去りにすると言うこと。
自分が置きざられて行動している器は、操り人形。
心を亡くした人はロボットになる。
解離性障害が増えるのも当たり前だ。
キレたり、ハラッサーになったり、心の病になったりせず、睡眠不足で頑張り続けた人は、ある日突然倒れて尋常ではないいびきをかきながら永遠の眠りにつく。
「生活」とは、活き活きと生きること。
生活を返せ!
否、生活を取り戻そう。
(時事通信社 - 10月05日 20:11)
東海地方でドラッグストアを展開する「スギヤマ薬品」(名古屋市千種区)に勤めていた薬剤師杉山貴紀さん=当時(24)=が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、静岡県大井川町に住む杉山さんの両親が同社を相手に慰謝料など約2億600万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、名古屋地裁であり、多見谷寿郎裁判長は計約8300万円の支払いを命じた。
多見谷裁判長は、杉山さんが死亡する前の1カ月間の時間外労働は約138時間にも上り、休日も2日しかなかったと指摘。「必要な睡眠時間の確保も難しく、疲労が過度に蓄積していく状態だったにもかかわらず、会社側は適切な措置を怠った」として、過労死を認定した。
私が「あきらめの壁をぶち破った人々」に書いた会社の状況も相当異常だが、その後、講演やセミナーなどでいろいろな会社を訪れるようになって、働き方が加速度的におかしくなっていることを実感した。大手であっても、上滑りに滑っている。腰を入れた仕事ができていない。本気で取り組む仕事は避けようとしている。マネジメント不在で疲れきっている。-そう、感じた。
以前、ある編集長が本作りは年6冊がベスト。それ以上は質を保てない。と、言っていたのを思い出す。私も、出版に関わることになったとき、この業界自体が自転車操業で、作家を育てていく余裕などないことが分かった。
毎日200冊もの新刊すべてを、毎朝書店員が並べ替えられるはずもない。時に配送された段ボールから出されないまま、一度も日の目を見ないままに送り返される本もかなりあるようだ。いったい、なんのための本作りか…。
昨日、たまたま立ち読みした週刊ポストで、みのもんたの「朝ズバ」の女性ディレクターが突然死した記事を読んだ。短期間に8kgも痩せた後の突然死だった。
テレビに関わったとき、2週間後のことが決まっていないことに驚きを覚えた。まさに“場当たり”で変わっていく。これでは勢いやっつけ仕事にならざるを得ない。体にむち打ち、突貫工事でようやくつじつまを合わせている。
メーカーも、出版業界もテレビ業界も「目先」に振り回されていた。振り回されるから無理がいく。無理した挙げ句いいものはできない。結果、企業は不良品回収に多額の金をかけ、本離れ、テレビ離れが進む。
浮き足だって大量に生産して、大量に消費して、後に何が残る…。
突然死、過労死、過労自殺…
あらゆる業界に過労死や過労自殺が広がっている。
医師、教師、福祉の現場、公務員、会社員…今やすべてが3K職場だ。
人が使い捨ての道具のように扱われている。
人間の尊厳を傷つけられて、知らず「怒り」が蓄積されていく。
「キレる大人」が増えるのも当然だ。
道具のように扱われた人は、他の人を道具のように扱う。
そして、ハラッサーが繁殖する。
今日も今日とて、北海道からパワハラの相談があった。
「忙しい」と「心」が「亡くなる」。
心はゆったりとした時間の中でなければ出てこない。自分が育たない。
心を置き去りにすると言うことは自分を置き去りにすると言うこと。
自分が置きざられて行動している器は、操り人形。
心を亡くした人はロボットになる。
解離性障害が増えるのも当たり前だ。
キレたり、ハラッサーになったり、心の病になったりせず、睡眠不足で頑張り続けた人は、ある日突然倒れて尋常ではないいびきをかきながら永遠の眠りにつく。
「生活」とは、活き活きと生きること。
生活を返せ!
否、生活を取り戻そう。