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昭和一桁世代への鎮魂歌(1)-70代の背景

2007/12/18(Tue) Category : 人生・世代
家族カウンセリングを通じて実感していることがある。それは、戦争後遺症だ。
何が戦後だ。戦争はまだ続いている。
そして、現代の「今」、最もその後遺症が色濃く表れている-そう実感する。

戦後の自由と豊かさが現代を堕落させた、平和ボケで若者が軟弱になったなどと本気で考えている者達に、世代間連鎖の観点から戦争の悲惨さを理解してほしいと切に願う。

政治家は特に、「現在」を輪切りにしたパワーバランスというちっぽけな空間的視点で政策を考えるのではなく、時の流れをその視野に入れてほしい。その視点のなさが、後先考えない短絡的な「開発」などの行政を生んでいる。「今」さえよければいいという刹那的風土を生んでいるのは、若者ではなく政治家だ。
私が家族カウンセリングでお会いする最高齢は70代-昭和一桁世代だ。その子供が40代~50前後、その子供が10代後半から20代というところだろうか。この3世代目に問題が多発している。

問題は「心」に起こる。
表面に現れる現象は心の反映に過ぎない。
ではなぜ、「心」に問題が起きるのか-それを検証してみよう。
(以下、昭和一桁世代へ敬意を表してですます調で ^^)




【怒り】--------------------------------------------------

私の両親も70代後半ですが、「産めよ増やせよ」の戦時中に生まれたこの世代はお国のための“道具”として生み出された世代です。“道具”にされるということは、人として尊重されないと言うこと。もとより「戦死」に向かって生きたわけですから、人間の尊厳など保障されていません。
人は、理不尽なことを押しつけられたとき、そして自分の尊厳を傷つけられたときに「怒り」を持ちます。ですから、宿命的に「怒り」を抱え込んでいる世代と言っていいかも知れません。



【自己の存在不安】----------------------------------------

また、一人一人が生き延びるだけでも必死なので、親は子供の気持ちを受け止めるどころではありません。気持ちを受け止めてもらえなければ、子供はどうなるでしょうか。気持ちとは自分自身ですから、親に気持ちを受け止めてもらえないということは、親の前に自分は存在していないというのと同じことなのです。

つまり、見捨てられ感や孤独の中に置かれることになります。自分はいらない存在なのではないか、どうなっても親は悲しまないのではないか…など、自分の存在に自信を持つことができず、終生不安の中を彷徨うことになります。
同時に自分を省みてくれない親に対する「怒り」も、深層に貯めこまれていきます。



【ストローク飢餓】-----------------------------------------

また、不安と同時に、自分の存在を認めてもらえないことに対する強烈な“飢え”に苛まされることになり、そこから、自分を認めて欲しいという、強烈な承認欲求が出てきます。そして、親から認められない分を人から認めてもらおうと人一倍無理をする方向に向きがちです。



【居場所探し】------------------------------------------

さらに、この世代は兄弟が多いため、一人一人に向けられる愛情は薄くなります。上記に見たように、ただでさえ親からの愛情が乏しい上に、戦死していない跡取りを確保できれば、あとは野となれ山となれの世界です。実の親との関係は薄く、むしろ兄弟から育てられたという人も多いでしょう。
このような状況にあると、下の子は早くから親への期待をあきらめ、外の世界に自分の居場所を求めるようになります。



【敗戦というタイミング】--------------------------------

時代からも、社会からも、家族からも受け止めてもらえなかった、受け止められ体験のない愛情飢餓世代―それが、昭和一桁。
折しも、このような子どもたちが家を飛び出して、これから自分が青・壮年期というときに戦後の復興が重なりました。自分たちの親が守ろうとし、かつ押しつけてきた価値観はひっくり返りました。守らなくてよいどころか、塗りつぶして消してしまうことになったのです。これまでの鬱憤が、ここではじけ飛びました。

男達は、自分の居場所を自分で創り上げよう、
女達は戦争で失われた人生で最も輝かしく貴重な乙女時代を取り戻そう…
若い男女は故郷を捨ててよーいどん!で走り始めました。
男性も女性も、暗い過去など振り返るのもイヤで、ただただ前を向いて突っ走ってきました。
それが私が実感する昭和一桁世代です。


そして、【怒り】【自己の存在不安】【ストローク飢餓】【居場所探し】…その全てが、市場経済というフィールドにぶち込まれたのです。自分の存在に関わるこれらの不安や飢えを払拭するためのエネルギーが戦後の急速な復興の原動力となりました。

それぞれのキーワードと共に昭和一桁世代の生き方を見てみましょう。


<続く>

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昭和一桁というより、昭和20年の連合国による軍事占領開始から昭和27年の戦争状態終結迄の期間、奄美は昭和28年迄、沖縄は昭和47年迄の軍事占領が継続していて戦争状態だった期間が、人格形成期と重なった人達だと思います。

この期間は、被支配と無法を体験する訳で、
青信号か赤信号かより、渡るのが自分一人か皆と一緒かが安全かどうかの分かれ目。
昭和20年迄に成人していて人格形成を終えている人達を見ていると、人間歳を取って老人になと偉くなるんだと思えたんですが、昭和一桁以降の老人は安い感じ。
ある意味、戦争状態が身近過ぎて当たり前の世代で、弾丸が自分の方へ飛んで来ないことを平和とする感覚なのかな。

学校では、戦争に参加した親世代の労苦を否定するように教えられ、日常では支配と無法に屈する大人達を見ていた訳よね。

 

教えてください

こちらの記事、大変興味深く拝見いたしました。
こういった戦争のメンタルな後遺症についての著作などがもしありましたら、教えてください。
父に教えてあげたいです。

 

3世代連鎖のわけ

滅私奉公とか、良妻賢母とか昔からある自己犠牲への奨励の言葉。なのに、なんで今になって、虐待という形なのでその不満が出て問題化するのかと思ってました。ゆっくりと、地域で子育てできる環境、農業、商業、製造業と、目の前で仕事を見せてくれる大人たち、たくさんの生き物たち、寿命の身近さもあって、早くに見れる、生き物
の死、ちゃんと言えなくなったけど、世の中のしくみと戦争などが、その昭和1けたをがんじがらめにしているのか?いまだに姉にしたことを、今度は性懲りなく、孫娘になにをしてない、かたずけない、だらしがないと、ののしっている母をみて思います。どこまで、自分の子孫を潰せば気がすむのかと。でもそれはまだまだ、自分が救われてなくて、不安で怯えて暮らしているということでしょうか、骨になるまで。アーメン。

 
    
 
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