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若貴兄弟の確執の裏(5):過去に「赦し」をこい、将来を「許す」こと

2005/06/04(Sat) Category : 人物
さて、青年の話の続きである。

最後に、みんなで彼に一言言って終わりにすることになった。
なにか言葉をかけ、そして握手をし、……私はそれらを冷静にじっと眺めていた。

だんだんと近づいてくる。
最後が私のところだった。

自分よりも背の高い青年が、目の前に立った。


「申しわけないけど、今だけ、私の息子になってくれる?」


自分でも思わぬ言葉に、そこにいるみんなが顔を上げ注目したようだった。 青年がどういう顔をしていたかよく分からない。

私は一歩、二歩踏み出し、その青年のがっしりした身体をしっかりと抱きしめた。手の平を通して、その青年の肉付きのよい背中から、暖かい体温が私の中へ流れ込んできた。


その瞬間、私は号泣していた。
私は、泣き出した自分に驚き、そして抑えようとした。


〈なにか言わなければいけない……〉


なんとか冷静になろうとした。
が、そうしようとすればするほど、それを跳ね除けるように嗚咽が後から後からこみ上げてくる。
どこからこの感情が湧き出してくるのか。
感情がこんこんと溢れ、それは涙と嗚咽になってほとばしり出、止めどがなかった。

ただ、肩を震わせて泣きじゃくっていた。
二人が互いをしっかりと抱きとめた形で、一つになって泣いていた。






-------------------------

どのくらい時間が経っただろう……。
そして、どのくらい泣いていたのだろう。

別の暖かい手が、私の背中を優しく包んだ。
いつの間にか、周囲に人垣ができているようだった。
いろんな手が、私たちを優しくさすっていた。
私は、すーっと気持ちが静まってくるのが分かった。

〈あぁ、これが人から力をもらうということか……〉

ようやく私は、むせびながらも途切れ途切れに話を始めた。

「厳しく、躾けてしまって申しわけない……。
つい、自分の跡取り、長男という意識があって、厳しくしてしまった。でも、三歳は三歳だよなぁ……、男も女もないよなぁ……」

私は、幼い頃の自分の息子に話しかけていた。





---------------------------

伸び伸び育てた上の娘と異なり、長男に対しては厳しかった。
怒る時に手は出さないが頭突きをした。
すると、なにかいやなことがあると自分の頭を壁にゴンゴンぶつけ始めたのだ。
息子が学んだのは、自分を傷つけて感情を吐き出すという術であった。

やがて、スーパーなどで大人が向こうから近づいてくるだけで身構え、ときには睨みつけるようになった。
大人は自分に危害を加えるものと思っていた。

妻からそういう様子を聞き、私はショックとともに反省した。
“しつけ”という名の下に、自分の枠に子供を押し込めようとする“押し付け”を俺はやっていた。
どんな人間でも、一方的な押し付けに遭うと病気になる。





----------------------------

私は青年の姿に自分の息子の将来を見た。
哀れでならなかった。
こんなにも父親に縛られ、こんなにも窮屈な生き方をしなければならないのか。
しかも、父親が亡くなった後までも!

子どもに心の平安を作れない親など、親ではない! 
可哀相でしょうがなかった。

私は嗚咽をこらえつつ、途切れ途切れに続けた。


「でも、これだけは分かって欲しい。
本当に愛していたんだ。君のお父さんも深く愛していたと思う。
でも、間違っていた。申しわけない。
……それに、君も、もう十分頑張った。もう十分だよ。もうこれ以上頑張る必要はない。頑張らなくても、今の君であるだけで、お父さんは本当に愛しているから……」


私は青年を借りて息子に謝罪し、懺悔していた。
そして、その青年は父親の言葉を聞いた。

私は、自分と息子の関係をその青年と父親の関係に投影し、偶然にも「許可」を与える役割を果たした。







「赦し」を請うことは、相手の辛い立場や気持ちを共感的に受け止めたことを相手に伝えることだ。それは同時に、それまでの相手の頑張りを認めることになる。

「許す」(許可を与える)ことは、自分の煩悩から相手を解き放つことだ。それは、自分も相手も、自分の手に自分の人生を取り戻すことである。

過去に「赦し」を請い、将来を「許す」ことで、その2人の関係は互いを認め合う対等な自律した関係になるのである。

『師匠との約束を果たすことができた』と言っていた貴乃花。“赦し”については気持ちの整理がついたかもしれない。一人でなかなかできるものではないから、それはすごいことだ…。
あとは、「許し」を与える人間が現れんことを望みたい。




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私もそうでした

子供は皆、親に対する愛情と怒りとを抱えていると思います。

大事なことは、それらの思いを自分の中に封印せずに言葉に表すことです。言葉にすることで、自分の思いは救われます。

思いを救うためには、記憶をたぐること。記憶とともに封印されている感情があるはずです。
私もそのような棚卸しを行いました。

 

涙が止まりません。

読めば読むほど涙が止まらず先が読めません。
親からの愛はもらってるはずなのに、昔を想うとそうは思えなくて…。
でも親は愛してます。でもどうしたらいいかわかりません

 
    
 
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