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元グラドル木村衣里DV殺人事件(1)-犯罪臨界は10年

元グラドル木村衣里さん(31)が、無職藤家英樹さん(53)を刺殺した事件。

『捜査1課によると、木村容疑者は藤家さんと交際を始めた約10年前から日常的に暴力を振るわれていたといい、事件直前も殴られるなどして全身あざだらけだった。「初詣でで『今年は絶対に暴力を振るわない』と誓ったのにまた振るわれ、憤りを感じた」と容疑を認めている』
【日刊スポーツ 2008年2月1日16時14】


幾つかポイントがある。
私は次のように分類している。
「安全基地」=プラスのストロークが交わされる居場所
「危険基地」=マイナスのストロークが交わされる場所
「崩壊基地」=ディスカウントを受ける場所

日常的に暴力(DV=ドメスティックバイオレンス)を振るわれる場とは、「崩壊基地」だ。
そして、これまでの観察では「崩壊基地」に10年いれば「犯罪臨界」に至る。犯罪臨界とは、私の造語だが、それ以降いつ犯罪が起きてもおかしくないという臨界点のこと。10年という臨界点を越えれば、15年までの間に事件か事故が起きる可能性がある。


10年間ディスカウントされ続ければ自分はズタズタにすり減っており、もうこれ以上髪の毛一筋ほども自分を傷つけられたくない-傷つけられてしまえば、もはや自分がなくなってしまう-そういう状況に追い込まれる。だから、ごく普通の会話であっても、ほんの少しでも侮辱されたと感じたり、蔑まれたと感じたりすると、その瞬間に爆発する。

また、我慢してきた感情が「心のコップ」に溜まり続けて満杯状態なので、わずかな一滴であっても、一挙に溜まっていたものがあふれ出す。このとき、津波のように襲いかかってくる感情を抑えられる人間はいない。衝動のままに行動し、その行動を覚えていないことさえある。



木村さんは、今年藤家さんに『今年は絶対に暴力を振るわない』と(恐らく)誓わせた。誓わせたという行為は、自分が限界ギリギリであったことを示している。「もうこれ以上自分に暴力をふるうことを禁ずる」という悲鳴であり「禁止令」だ。

同時に、誓わせるという行為は、「それを破ったら罰する」という罰を与える「許可」が含まれている。自分の中に10年間にわたって溜まり続けた怒りが、合法的に出るチャンスをうかがっているのだ。
そもそも人間は約束など出来ない動物だ。もっと自由だ。その人間に約束させたり誓わせたりすることは、約束を破ることを前提に、相手を罰することを(無意識が)もくろんでいる。
そして、出来ない約束をさせ、その約束が破られた瞬間に「約束破りを罰する」という「正義」を得た怒りは、ここぞとばかりに大爆発を起こす。

このように、怒りを出しにくい人間は、我慢に我慢を重ねてもう限界という時点で、怒りを吐き出すための布石を打ち、これだけ我慢し、かつ約束までさせたのだから自分は悪くないという自分に対する言い訳を身にまとった上で、怒る許可を手にした瞬間、「キレる」のだ。



「心のコップ」のメカニズムはシンプルだ。
全ての人がこのようなことを知っていれば、自ずと相手のことを配慮し犯罪も大きく減るだろうにと思う。

ところで…、なぜ別れなかったのかについては、また別途。





◆元グラドル木村衣里DV殺人事件
(1)-犯罪臨界は10年 (本項)
(2)-ハラッサーから離れられない理由

「DVサイクル」に巻き込まれる基本構造




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Comment

 

納得です

そうですね。考えてみれば、暴力を振るわれたから、殺すというのも、それだけの選択ではないですから。
別に、さっさと部屋から避難して出て行くということも一つです、というより、それしかないです。
これが、DVの基本性質なんでしょうね。怒りをぶつけたかったんでしょうね。本人にしたら、もう、それしかできない状態になってしまってるんですよね。そこが、怖いところです。

 
    
 
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